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最後を知らせに
スザクがひろった者たちの家はすぐにしれ、突然いなくなった理由と、行方を知った、残されたものたちは、坊主のタクアンから最後のようすを簡潔につたえられ、すでに弔ってあるからと、遺髪を渡された。
徳の高い坊主からのいきなりの知らせに、残された者はみな、驚き泣きながらも、すくわれたような顔をするのを、コウドはみとどけた。
もちろん骸になった二人とも、家をでる理由などどこにもなかったので、やはり《術》にとらわれたのだろう、とタクアンは腹立たしげに右目をこすっていた。
チサイがここに来てから泊まった宿をみつけてみると、その近くの川でも、『顔なしの骸』がみつかっていることがわかった。




