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時の流れ
いったいもう、どのくらいの歳の差があるのか。
そう考えてから、はたと気づく。
「 『双子』ってことは・・・ ジュフク殿が若い時はあの顔で・・・ 帝が歳をとると、ジュフク殿みたいに、なるってことか?」
あの、きれいで冷たい顔のこどもと、伸びた眉と皮膚の老人を思い浮かべ、比べる。
「・・・時の流れてってのは、おそろしいな・・・」
「おれは、おまえのゆるい頭のほうがおそろしいわ。 ジュフクさまと帝のことをきいても、そんな言葉しかでないのか? ―― だいたい、絵師だかなんだかしらんが、そう何日も茶屋にいりびたって、よく平気な顔をしていられるな」
「おれだって、ずっと遊んでるわけじゃないさ」
「茶屋にいる時点で遊んでいるだろう。 スザクを見習えとは、いわんが、」
「あいつもしじゅう色街に通ってる」
「・・・スザクが?」
まさか、とドウアンの説教がとまる。




