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第1話 待たせたな



 俺の名はフェルズ……そう名乗るようになってから早五年という月日が経っている。


 気付けば、エインヘリアの領土は大陸を越えてしまった。


 いや、まぁ、アレは不可抗力というか……俺のせいって訳じゃないと思うが。


 召喚……アレはいかんね。


 俺がエインヘリアのフェルズだったからこそ、それなりの問題にはなったけど、それなり以上の問題にはならなかった。


 俺以前の召喚された英雄……初代辺境守護だったっけ?元々召喚される前にどんなことをやっていたかわからないけど、かなり影響があったことだろう。


 初代守護が俺たちのいるこの大陸出身なのか、それともまた別の大陸出身なのかは知らないけど……アレは拉致魔法だからな。


 召喚魔法は今後使わせるつもりはないし、管理は厳重にするつもりだ。


 召喚魔法そのものを破棄してしまわないのは、今後似たような魔法へ対抗するための大事な資料となるものだし、何より一度生まれてしまった技術はどれだけ秘匿しようと漏れ出てしまうものだからね。


 それならば厳重に管理しつつ、対抗手段を得るための糧となってもらう方がよっぽど有益だろう。


 まぁ、召喚魔法関係に関してはもう済んだことだし、それを実行したレグリア王国は併呑してエインヘリアレグリア地方になっているし、アホな連中は叩き潰し、有能な人材はしっかり取り込んだ。


 そして召喚魔法実行の裏にいたオロ神聖国およびオロ神教はぶっ潰して、今は浄化中……オロ神教の匂いを消し去ってから併呑予定といったところ。


 あぁ、召喚とは直接関係ないんだけど、レグリア地方より西に世界の壁とも称されるどでかい山脈があったんだけど、その向こうから侵略を仕掛けて来ている魔王国ともやりあったね。


 いや、やり合ったって表現は正しくないか。


 正確には、向こうが抱えていた問題をエインヘリアの圧倒的なパワーで解決して友好関係を築いた……ってところだ。


 魔王国……その名から受けるイメージとは異なり、至って普通の国だったね。


 新天地を求めて山の東側に侵略を仕掛けてはいたけど、苦肉の策って感じではあった。


 まぁ、侵略される側からすれば知ったことかって感じではあるだろうけど、その辺りは魔王国が考えていくことだからね。


 俺的には魔王国から被害は全く受けていないし、好きにやってくれたらいいと思う。


 そんな感じで、今のところこちらの大陸も向こうの大陸も大きな問題は起こっていない。


 まぁ、細かい問題は沢山あるけど……特に問題はない。


 それよりも……今考えるべきは、俺が向こうの大陸に召喚される直前にカチコミをかけてきた連中のことだ。


 ミルオース中央皇国……大陸一つを統一し、更に海を越えて周囲の島や別の大陸に攻め入り、植民地をつくり繁栄を謳歌している国。


 安土桃山あたりのポルトガルとかイスパニアみたいな感じだね。


 世界史の方はよく知らないので、西の方がどんな動きしてたかはあんまり知らないんだけど……たしか、武力で威圧ないし制圧。


 宗教でトップを懐柔して制圧。


 金銀やら奴隷やらをゲットして本国に持ち帰る……とかが基本だっけ?


 植民地ゲット競争以外にも国同士や宗教のなんとか派みたいな争いがあって、西側諸国の伸長もあったみたいだけどね。


 まぁ、そちらの世界のことはさて置き……ミルオース中央皇国は大陸の単一国家ではあるらしいけど、その内情は一枚岩とは言い難いらしい。


 各勢力を反目させるというか、上手く利用すれば弱体化……あるいはこちらに友好的な勢力を作ったり、友好的な勢力に権力を握らせたりと色々と仕掛けやすい状況ではあるようだ。


 そんな隙があるミルオース中央皇国ではあるけど、今までは圧倒的な軍事力とそれを支える技術力で無双してきたらしい。


 だからこそ、うちに来た時にいきなりでかい顔をしてきた訳だけど……慢心はよくないよね。


 同じことは俺にも言えるし……そういった連中を見るたびに謙虚さは忘れないようにしなくてはと強く思う。


 とはいっても、俺たちエインヘリアの力がこの世界の一般的な強さに比べて突出していることは十分理解している。


 それは二つの大陸で暴れ回った経験から来るものではあるけど、それがミルオース中央皇国にも通じるかは……まぁ、わからないかな?


 ミルオース中央皇国にも英雄はいるみたいだしね。


 今のところ俺たちにとって致命的な能力を持った英雄はいないけど、魔王国の『夢見の識者』みたいにとんでもない能力を持っている英雄がいるかもしれない。


 今回捕虜にした連中は、自国の英雄の能力を全く知らなかったしね。


 油断はできない。


 油断はできないけど……うちの子たちが張り切ってるからなぁ。


 俺の召喚事件のせいで連中が喧嘩を売って来てから随分と時間が経っちゃったしね。


 召喚されてしまった俺と合流するまで連中のことは完全に放置していただろうけど、合流してからもう数か月経っているし、その間キリクやイルミットが色々考えていたのは間違いない。


 今はミルオース中央皇国の情報を色々と共有している段階だから、まだどう攻めるとか、どう落とし前をつけるとか……どう潰すとか、そういった話はしていない段階だ。


 まぁ、連中にとって愉快なことにはならないだろうけどね。


 しかし、ミルオース中央皇国をどうするにしても、まずはこちらの橋頭堡を作る必要がある。


 といっても、その橋頭堡を作るのは……そこまで難しくはない。


 ミルオース中央皇国のある大陸に上陸さえ出来てしまえば……後は何処かの集落に魔力収集装置を設置すればいいだけだからね。


 勿論、上陸することが難しいんだけど……飛行船を使うにしても、連続航行距離ってものがあるし、上手く中継地を作りながらその大陸まで行けるといいんだけどね。


 っていうか、その大陸とか向こうの大陸とか……わけわかんなくなってくるよな。


 特に会議の場では聞き間違えとかあったら怖いし、仮でも何でもいいから大陸の名前を付けた方がいいかもしれない。


 ……次の会議の時に伝えておくか。


 あとは……一応ミルオース中央皇国にどんな対応をするのか、俺自身考えておく必要があるよね。


 向こうから問答無用で宣戦布告して来たようなもんだし、対応はきついものになるのは間違いない。


 一般の民にあまり被害が出るようなやり方はキリクたちもしないと思うけど、一応その辺りも確認しておく必要はあるか。


 まぁ、俺の方針はこの世界に来た当初から変わっていないし、キリクたちは俺の意思を最優先してくれるから問題ないとは思うけど……ホウレンソウは大事だ。


ひと手間を惜しんで取り返しのつかないことになったら話にならないし、多くの人の命運がかかっているのだから慎重に動くべきだよね。


 さて、それはそうと……もし、飛行船で連中の大陸まで経路を繋げられなかったら、ちょっと厄介なことになる。


経路を繋げられない場合ってのは、飛行船の連続航行距離の範囲内に程よい陸地がなかったりするってことだけど……その可能性は低い筈だ。


 連中は船で外洋を越えて遥々やってきたとはいえ、補給も何もせずに当てのない航海はできない。


 まぁ、無人島を繋ぎながらここまで来たってことだったらちょっと面倒だけどね。


 最低でも百人規模の集落が無いと魔力収集装置が設置できないし、召喚兵の補充もできない。


 あらゆる意味で反則だらけのうちだけど、この部分は明確に弱点だよね。


 一応対処法はあるけどね。


 無人島だろうとなんだろうと土地さえあれば、百人単位で移住して貰えばいいだけだからね。


 魔力収集装置を稼働させる為には暫くそこで生活してもらう必要はあるけど……一度動けば、転移でこちらに帰って来て代わりの人を送りだしたりできるし、そこまで大変ではない筈だ。


 しっかり保証はできるし……未知の病気とかも……まぁ、万能薬があれば多分大丈夫。


 最悪の場合は、人を雇って一時的な移住をお願いすることになるだろう。


 原住民が居たら居たで面倒はあるんだけどね。


 そんな風にミルオース中央皇国のことを考えながら俺は一日を過ごした。






長らくお待たせいたしました、本日より『はおー』を再開いたします!

第二部終了時にお知らせしていた通り、偶数日に投稿していくことになります!

みたび『はおー』をよろしくお願いします!




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― 新着の感想 ―
おかえりなさい! 流石に覇王たちでも魔法で島を作るなんてできませんからねぇ……出来ませんよね……?
待ってました。対戦よろしくお願いします
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