会いたいな。
ビールとトマトジュースをまぜたカクテル。
レッドアイっていうんだよ。
お酒を覚え始めた私に彼は教えてくれた。
カルーアとか、甘いカクテルが苦手な私の好みを考えてくれたみたい。
グレープフルーツとか、さっぱりめのもので、オリジナルを作ってくれたな。
懐かしいことをぼんやりと考えて。
カウンター越しに、あーちゃんにリクエストする。
さっぱりめのやつ、ロングで。
あーちゃんが作ってくれてる間、となりのお兄さんが。
何?この娘、あつしの彼女?って。私の肩に手をまわして自分の方に抱きよせながら。
はじめて会う人だった。
誰?って顔をしてしまった私に、俺は六本木で働いてるんだよって名刺をくれた。
いや、そろそろ、肩から手をはずしてくれないか?まさとさん。
あーちゃんは私にお酒を出しながら
「いや、残念だけど、みーさんは彼氏いるんですよ。憧れなんですけどね。俺の。
なんで、なれなれしく肩をだかないでくださいよ、まさとさん。」って言った。
まさとさんは、にやにやしながら、「みー?猫みたいだな。俺のとこにも、飲みにこいよ。」って言った。
んー・・・。
なんで、飲み屋のマスターって、自分がモテる前提なんだろう?
よっぽど、ひっかかる女が多いのかな。
私は知っている。
いつもあーちゃんのお店で飲んでる常連の順子さんは、あーちゃんが手を出している。
私と会うと、さりげなく帰ってしまう。
きっと私のこと、ライバルと思ってる。
あーちゃんとキスとかしちゃってる段階で、私もあーちゃんの女扱いかもね。
心外だなぁ。
まさとさんも、同類だろうな。
肩を抱きながら、あーちゃんが見ていない瞬間、私の胸元へ手をすべらせた。
デコルテがきれいに見えるTシャツを着てきて失敗だ。
「みー、着やせする方?」って、またニヤリ。
いや、ごめん、あなた私のタイプじゃないです。
まぁ、それを言ったら、あーちゃんも私のタイプではない。
私はおひげが嫌い。触れ合うとき、じょりじょりするから。
でも、毛深い人が好き。
今時男子の、手足ツルスベは、ダメ。
すねとか、すりすりするとき、毛がさわれるの最高~。
そして、できれば声が低い人。
愛想がない分、笑顔がかわいい人。
・・・あぁ。会いたいな。彼に。
一緒に焼酎飲みながら、テレビみたい。