表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/16

第四部・アルバイト編

合成生物キメラに変身した私。

サーカス団員だけでは食べていけず、アルバイトを始めた。

それはデパートのヒーローショー。

宇宙ヒーローとして、全身タイツの怪人と戦う。

大勢で押し寄せる卑怯な怪人。私がそれを炎を吐いて一掃すると、子ども達、

「怪人の方が勝っちゃったよママ!」



合成生物キメラに変身した私。

次のバイトは動物園の清掃係。

「熊が逃げたぞ!」

と、突然のスタッフの声。

慌てて周囲を見回すと、突然辺りが真っ暗に。

しまった、熊に覆い被されたか!?

息が出来ないっ――

「頭に袋被せて大人しくさせたぞ」

「……けど変な熊だな、手に箒持ってる」



合成生物キメラに変身した私。

次のバイトはホテルのベルボーイ。

「君のような体格なら、どんな荷物も運べそうだ」

「ワンギョ(任せてください!)」

早速初めての客。小さなトランクを預けられるも、何故か全く持ち上がらず――

ハッ、そうだった。手がTレックスなのを忘れていた!



合成生物キメラに変身した私。

ベルボーイのバイトを始めるも、手がTレックスで客の荷物が運べない。

「荷台を使いなさい」

と、ドアマンの助け船。

早速荷物を乗せて貰い、意気揚々とエレベーターに向かい……ガツン!

と、突然、はばまれる足――

ハッ、そうだった。足が象なのを忘れていた!



合成生物キメラに変身した私。

次のバイトはバーの用心棒。

「熊のごとくどっしりした良い体格だ!」

マスターにも称賛され、遂に転職発見と思ったが……。

「開店時間なのに、あいつ遅刻か? 客も来ないし。外見てくる……

って、うわ! 何してんだお前!」

地下の店へ続く階段で体が挟まった私。



合成生物キメラに変身した私。

次は私でも入れる入り口の広いバーでの用心棒に採用。

初日、早速ガラの悪い客が。

入ってくるなり脱いだコートを私に投げてきた。

直ぐ相手に掴みかかるも、

「おいヤメロ! お得意様だ!」

え?

と相手を見れば、恐怖に震えるただの老人。

「……は、剥製が襲ってきた!」



様々なバイトを試すも、合成生物キメラに変身したことで巧くいかない私。

気付ば季節は初冬。

寒空の下の私の元に、ふと懐かしい姿。

「会社、戻ってくるか?」

かつての上司。

次の瞬間、私は彼の胸元で泣いていた。


(一方、そのとき上司はこう考えていた。コイツあったけえ、外回りのとき連れて歩いたら、コートいらずだな)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ