第二部・新たなる希望編
猫や熊やTレックスやらの合成生物に変身した私。
今までの仕事は辞めてしまったので、サーカスにでも入団するかと妻へ提案。
「曲芸とかできるの?」
と言う妻の前で私は卵を三つ産み、お手玉を始める。
慣れたものだろう?
驚く妻の声、
「あなた、性転換までしちゃったの!?」
◇
猫や熊やTレックスやらの合成生物に変身した私が、三つの卵を産んだ。
一体何が生まれてくるかわからないが、私が産んだ卵なのだ、温めて孵化させることに。
だが次の朝起きてみると、抱いていた卵が一つも無い。
焦る私へ台所から妻の声が。
「あなた、目玉焼き出来たわよ」
◇
妻の目玉焼きをじっと見つめていた私。
「ひょっとして勘違いしてる?」
と、妻の言葉にパッと顔を上げる。
これは、私が大事にしていた卵じゃないのか?
良かった……。
「あなたの卵、温めようと思って今電子レンジの中」
次の瞬間、レンジからボンッ! という私の希望が弾ける音。
◇
レンジの中で弾けた希望に愕然とする私。
「ただの冗談じゃない」
と、懐から卵を取り出す妻。
サッと奪い取る私。今度こそ私の卵だ。
……が、冗談にしても程がある。愛する妻でも、絶対許さない!
私はギラッと睨みつける。鬼の形相だ!
「顔がネコちゃんだと、表情読み取れないわね」
そうだ、忘れてた。