表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/16

第一部・サラリーマン編

夏休み明けで職場に戻ると、

「誰だお前!?」

同僚が叫んだ。

慌てて社員証を見せる。

「お前……斉藤さいとうか?」

コクリと頷く。

無理もない、休み明け前私は、突然頭が猫、体が熊、手がTレックスの化け物に変身してしまったのだから……。

同僚は言う。

「証明写真、撮り直さないとな」



暑いのでスーツを脱ごうとするが、手がTレックスのため、短くてボタンに届かない。

「手伝うよ」

と、同僚が脱がしてくれた。

またスーツをハンガーにかけようとしているときも、

「貸せよ」

嬉しくて、つい猿の尻尾を犬みたいに振ってしまう私。

やはり、持つべき者は仲間だな!


(一方、同僚はこう考えていた。斉藤さいとうのやつ、なんかペットみたいで可愛いな)



頭が猫、体が熊、手がTレックスの化け物へ変身した私に、何かと世話してくれる会社の同僚。

「これ食えよ」

と、今日は何やらお菓子をくれた。

「食感がいいんだ」

美味しかったのでいくらか余計に貰い、妻へのお土産に持ち帰ると。

「あなた……これ猫用のカリカリじゃない!」



頭が猫、体が熊、手がTレックスとなった私。

最近同僚がカリカリやら猫缶を与えてきて動物みたいに扱うので、これは変身差別じゃないかと上司に訴えた。

「まぁ、これでも噛んで落ち着いて」

ん、これはガム?

何やら良い気分に――

「で、上司にはマタタビでやられたのね?」



夏休み中猫の頭に熊の体、Tレックスの手に象の足という姿に変身した私。

とうとう会社に辞表を出すことにした。

「何が問題なんだ?」

「ワンギョ(あなた方が私を動物扱いしたからだ)」

「そうか……夢に向かって走り出す決意を決めたか!」

何かいいように誤解されて悔しい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ