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番外編

ノックの音がした。

出てみると、

「私、近所で布教活動を行っている者ですが、あなたは神を――うわぁあぁあっ、信じられない！」

私の姿を見るなり逃げていく客。

「誰だったの？」

尋ねる妻に私は答える。

「ワンギョ（私を一目見ただけで信仰心を失った、愚かな宣教師だよ）」

◇

子どもたちが物心付くようになって初めてした質問。

「ママー、どうしてパパは、ねこさんみたいな顔で、くまさんみたいな毛むくじゃらの体なの？　オテテもなんだかかいじゅうみたい」

妻は言えなかった。

あなたたちもこのパパが産んだ卵から孵って誕生したのよ、何てことは。

◇

「ママー、あたし、猫が欲しいの」

最近、長女の我儘が酷い。

「アメリカンショートヘアがいいのよママ、ねぇってば」

「アメリカンショートヘアってこんなのよ」

妻は私を指差す。

私の頭は、ある朝アメリカンショートヘアの頭に変形してしまったのだ。

「やっぱりいらない」

娘は言った。