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都巡りはステッキと共に

別作品が詰まってますんで、気分転換というかリセット気味に^^;

 

 「もう間も無く都です、お疲れになっていらっしゃまいせんか?」

 

 こうして改めて見ても整った顔をしてますねぇ、リルアちゃんのお父さんは。

 いまだにその装飾過多な服装は違和感バリバリで慣れませんけど・・・。


 「あ、大丈夫です、思ってたより揺れないんで、ちょっと眠くなっただけですんで。」


 あの後、リルアちゃんとあの館でしばらく過ごしてたんですけど、リルアちゃんのお父さんが都から戻ってきて、何故か一緒に都に向かう事になってしまったのです。

 まあ、無駄飯食いの居候を追い払いたいのはわかりますけどねぇ。

 そんなに急ぐ事も無いんじゃないかなぁ、なんて内心ぼやいてみたりして。

 

 機車に乗って向かってる訳ですが、あまり揺れない上に中のソファもふかふかで、予想してた馬車的なガタゴト、ゴッツンな道中ではないです。


 機車は当然ながら乗る時に生まれて初めて見たわけですが、第一印象は「これ動くの?」でした。


 元の世界の自動車とは大きくかけ離れた外観。

 うーんと屋形船と馬車とソリを合わせて、お貴族様趣味のデコレートをした、なんかSFっぽい素材で作られてるっぽい大きな塊。

 我ながら描写力皆無ですねぇ。

 乗る部分は提灯みたいに上から吊るされていて、乗り降りする時には階段みたいなものが出てきます。

 リルアちゃんのお父さんに手を取られてエスコートされて、中に入って屋敷の部屋と変わらないっていうか、寝てる内にここに運ばれたら乗り物の中だなんて思わないんじゃないの? って印象を受けてみたり。

 ぶらぶらぶら下がってる筈なのに、ユラユラとかグラグラとかありませんし。


 

 まあ、そんなこんなであんまり乗り物の旅って感じのしないまま都に到着しました。


 ガルさん・・・リルアちゃんのお父さんの名前です。

 機車の中でお話をして教えてもらいました。


 本当の名前はガルゴラルド・デュフリックスという、その貴公子然とした外見にそぐわない濁音バリバリのゴッツい名前ですが、「ガルと呼んでください」との事ですので、まだ違和感の少ないそちらで呼ばせてもらってます(「ガルゴラルドさん」とか言いにくいですし)。


 せっかく柔らかい態度で話しかけてくれてるのに、名前が呼びにくいってだけで会話をしないって訳にもいきませんからね。



 機車から降りた第一印象は「なんですか、これは?」


 多くの人か行き交う、少し開けたスペースには様々な機車や馬車。

 駅前とかのターミナルっぽい感じかな?


 まあ、この辺はね、別にそんなでも無いんですが、電線みたいな線があちこちに張り巡らされていて、それに人がぶら下がって移動してるんです。

 それも如何にも貴族ですって言うような、ガルと同じ感じの男性や、ドレスを着た女性が。


 下の混雑と相まって、視界の中がグチャグチャな感じ。

 「動くものが多すぎだよ~」って、愚痴を言いたくなります。

 新宿や渋谷の雑踏でも上空までは人が溢れてませんでしたし。

 慣れるまで結構大変そうですねぇ。



 ・・・などと思っていたのですが、自分が「それ」になるとは思ってませんでしたよ?


 私をエスコートしていた手とは反対の手に持っていたステッキを、ガルさんが手近な線に引っ掛けると「ハリウッドCGは凄いぜぇ!!」と言った感じに、そこからカシュカシュと伸びたり広がったり飛び出たりして、ごく普通のステッキがトランスフォームして見た事も無いものへと変わりました。

 

 なんかタラップっぽいトコに足をかけると、ガルは私にも同じ様にそこに立つ様に指示をして、ステッキが伸びたポールみたいなトコに掴まる様に言いました。

 

 「いいですか、しっかり掴まってそこに立ってくださいね? それじゃ移動しますよ?」


 言うが早いか私たちを乗せて線にぶら下がって移動する、かつてステッキだったもの。

 立ったままってのは違いますけど、リフトっぽいですねぇ。

 スキーなんて行ったの何年前の事でしたっけ?

 まあ、行っただけで、出会いとかときめきとかは全く無かったんですけどね。


 ステッキを握った手とは逆の手で、軽く腰に手を回してくれてるし、動きもスムーズなんで落ちるとかいった怖さが無いのはいいんですけど、顔が近いですよ、ガルさん?

 十代の頃なら、なんかロマンチックな勘違いしちゃいそうなくらい・・・。

 


 気付けば結構地上から離れて高い位置に。

 時々他の線と交差したり、そこで別の線に移ったりして、いったいどこに向かってるんでしょう?


 「あの、ガルさん? いったいどこに向かってるんですか?」

 「ああ、これは失礼。言ってませんでしたね。これから私たちは王宮へ向かいます。ヒロミ様の様な稀人様がいらっしゃるのは随分と久しぶりの事でして、我が王も是非お目にかかりたいと。」


 うわぁ、なんか面倒な事になりそう。

 私としては元の世界に戻れればそれだけでいいんだけどなぁ。


 だんだんと高く、豪華な建物のある方へと進んでいく。

 王宮周辺に近づいてる感じです。


 下を歩くとまた違う印象になるかもしれませんが、豊かな世界っぽいですねぇ。

 作りとしてはファンタジーっぽい西洋風の建物が多いのですが、SFというかCGっぽい光沢の素材を使ってるものもありますし、窓もガラスだけでなくプラスティックっぽいものや、宝石っぽいモノもあって、こう微妙に統一感が無いです。

 これもあちこちの異世界からのモノを取り入れてるとかいう事のせいでしょうか?


 おそらくはこの先に見えてる綺麗な塔がいっぱい生えた、ひときわ大きな建物が王宮なんでしょうねぇ。

 ゲームの様なBGMがついてないのが、かえって違和感を感じさせるような光景。

 まあ、私たちが元の世界で普通に見ていた景色も、BGM付けて他所の世界の人に見せたらゲームや映画みたいに見えるんでしょうけどね。


 


 そんな空中散歩も終わり王宮の一番高い塔の上にくっ付いたお皿みたいなスペースに到着。

 あちこちから線が伸びて来ていて、私たちみたいにやってくる人間もいれば、ここから都の他の場所へと向かおうとしている人間もいるみたい。


 この線も予想通りというか、稀人によってもたらされたこの世界以外の世界の技術なんだとか。

 基本的な生産技術は導入されているものの、ベースとなる異世界の技術は無いので、あるものをそのまま使っており、技術的な進化は起こってない上に、費用もかなりかかる事から都を含め、ごく一部の大きな都市にしか存在しないものだという話。

 利用出来るのも、王族、貴族といったごく一部の人だけで、ガルさんも持ってるステッキが利用する為のツールであると同時に、それを利用する資格を証明するライセンスにもなってるんですって。

 つまりはここでは「ステッキ持ち=上流階級」という訳なのね。

 女性の場合はどうするんでしょ?



 

 王宮の中は流石に自力で歩かなくちゃいけなかったんだけど、広い上につながりがわかり辛いのよねぇ。

 一人で放り出されたら、間違いなく遭難する自信がある。

 新宿駅リアルダンジョンや横浜駅(日本のサグラダファミリア)どころか川崎駅でさえ遭難して待ち合わせに失敗する私にとっては、この手の建物は好んで踏み入りたくない場所だ。

 

 だというのに、どうも話しぶりを聞く限り、しばらくここにいなくちゃいけないみたいなのよねぇ。

 

 ああ、リルアちゃんが恋しいなぁ。

 元の世界に戻れないなら、せめてあの子のそばに居られないかな。

 すっかり懐かれて、そばに居るのが当たり前みたいな感じになっちゃったから、こうして離れてると寂しいのよねぇ。


 

 「まずは謁見の間にて、王と宮廷の方々へのご挨拶をしていただきます。その後は別室にて王と話していただく事になるかと・・・この扉の先が謁見の間になります。よろしいでしょうか?」


 ちょ、ちょっと待って、鏡無いの鏡、それに王様とか、どういう風に話せばいいの?

 どんな王様かとかも、全然聞いてないんだけど?




=================


 残魔力:2673万4312円


 支出:0円

    

 収入:9千円

ネタだけはいくらでも浮かぶんですが、文にするのがなぁ^^;

魔術バトル系にザンス・シリーズの能力持った人間放り込むとかも(ビンクとか、マーフィーとか)書いてみたいですし^^

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