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天空のアトリエ  作者: 黒井 夕
黄緑の章
17/19

第16話 しあわせアイス

…お久し振りです。


で。


「おおう!あいらぶ下界っ!」

「やめろ!恥ずかしい!」


やって来ました、『ゆうえんち』とやら。

私の目の前に広がるは、夢の世界。

何故か浮いている乗り物たち、見たこともない姿かたちの建物たち。ぷかぷか浮かぶカラフルななにかを持って踊っている動物たち。

そしてそして、その中には、沢山の人々!


「空智君!何から遊ぼうか!」

「遊ばねぇよ!」


最後に、空智君の鉄拳。

夢の世界でこれはないよね…。一気に現実へと引き戻された。


「…光、探しますか」


そう、当初の目的は光を探すこと。

隣のおばちゃんに、この辺りで一番人の集まる場所は何処ですか?と聞いたところ、「人の集まるところ?そうね~…遊園地とかじゃないかしら~?あたしもね~、若い頃はね~…」…ということだったので、学校が休みということもあり、教えてもらった遊園地にやって来た。


「お、七架、あったぞ」

「早くない!?」


空智君の指差す先には、親子連れの姿。

アイスクリームと書いてあるお店の前に、手をつないで立っているお父さんと女の子。女の子は嬉しそうな笑顔だ。

光を持っているのは、その女の子のほうで、色は…。


「緑。“幸せ”の心だな」


成る程。あの子、本当に幸せそうな顔してるもんなぁ。


「じゃあ、取りに行こうか。私が行ってきてもいい?」

「ああ?絶対に失敗するだろ。ここは、先輩でもある俺が行く」


先輩でもある?なんだその理由はっ!

颯爽と歩き出す空智君を風で引き留める。こうすると、風の力で足を前に出しても、決して進めない。


「見て、おかーさん。お兄ちゃんが踊ってるー」


近くを通り過ぎようとしていた男の子に指差され、空智君は顔を赤くして戻ってきた。

でもそれは、照れているからなどではなく、もちろん。


「…覚えてろよ」


空智様、爆発寸前!

爆弾に点火しないよう、ゆっくりゆっくり、例の女の子に近づいていく。

――つもりだったのに。


「あれ?七架?」


それは後ろからの声によって阻止された。

この、どこかふわふわした声は。


「優子!」


振り返ってみると、そこに立っていたのは、優子で間違いなかった。

ほわっとした色の私服のおかげで、学校で見るより輝いてるよ。今ここで、優子ファンクラブゆうえんち支部が発足してしまいますよ。


「七架も来てたんだー。いいよね、この遊園地。おいしいものも沢山だし!」

「いや…優子さん、私はこの前ここに越してきたばかりで…」

「んん?七架、あの子が前に言ってた弟君?」

「……………」


今日も野田優子は平常運行だ。うん。

優子が空智君に駆け寄ると、爆発寸前だった空智君は、仕方がないといったように軽く頭を下げた。


「弟君、名前は?」

「……空智」

「空智君かぁー」


空智君の笑顔!…作り物だけど。珍しいから、しっかり覚えておいてやろう。

覚えておいて、どうすることもないけどね。


「まあ、武器には……ん?なにか大事なこと、忘れてるような…。んんー……ま、いっか」


そんなことより。空智君の観察っと。

弱味的ななにかをつかめれば…っ。







「おとうさん、アイスちょっとあげるー」


しばらくして、すぐそばを女の子がアイスを持ちながら歩いていったのに気づく者はなかった。


「おいしーっ、しあわせー」











ずっと忘れてた、空智のプロフィールです。


空智

12歳 誕生日 8月3日

好きなこと

最近はクラスメイトの太一と過ごす時間がお気に入り

嫌いなこと

姉でもない誰かに弟呼ばわりされること



空智様はいくらでも裏設定ができてしまう、お気に入りの登場人物です!

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