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天空のアトリエ  作者: 黒井 夕
黄緑の章
16/19

第15話 雲時々風

先に言います。書きづまってました。



結局その日は、優子とも気まずいまま我が家へ帰ることとなった。


「どした?」

「んー…」


先に帰っていた空智君が机に向かって何か作業中だった。にもかかわらず、私が纏うどんよりオーラに気づいたらしい、シャーペンを走らせるのを止めた。


「んーじゃわからないだろ。また何かやらかしたか?」


鞄を投げ、ベッドにダイブ。そんな私を気遣ってくれたのは素直にうれしいよ、ありがとう。でもね…立場が反対ではないでしょうか。


「失敗って言えば、失敗。でも何を失敗したのかわからない」

「はぁ」

「友達の家まで尾行して、魔王に会って、ケーキもらって、魔王怒らせて…」

「ちょっと待て、訳わからん」


いつもと違う私の様子に興味があったのか、それとも本当に心配してくれたのか、空智君は作業を本格的に止めて私が転がって占領しているベッドの隅に腰掛けた。

…いや、やっぱ在るべき場所が違うのだよ。落ち込む弟や妹を励ます、一人っ子はそういうのに憧れるものなんですよ。


「明日から学校行けない、殺される」

「明日休み」

「……そっか」


よかった。生き長らえる。


「って、よかったくないよ、学校行かないと心集め出来ない!あぁー…」


ああ、私はどうすれば。

死ぬ覚悟で学校に行って光を捜すか、それとも真波に怒られる覚悟で引きこもるか。


「忙しいやつだなー。心配して損した」


そう言って机に戻る空智君。心配してくれてたんだ?ほんと?


「…空智君、何してるの?」


私が帰ってきた時からずっと熱心に書き物をしていた、気がする。

『今回下界に来たやつらの出身階まとめ』


「出身階?」

「おぅわっ!急にのぞくなよ」


緑――風、七架――風…下界に来る前、どこの配属だったかってことか。

確か下界でも風が動かせたりできるって空智君言ってたしね。それで緑ちゃんに赤の強いやる気の心を先取りされたらしいし。あの時は珍しくへこんでたなあ。


「そういえば空智君は?何階の出?」

「俺?仕事始めてからすぐ7階に移動したけど、その前は一瞬だけ6階にいた」

「6階…と言えば」

「雲」


曇って言うとエリートのフロアですよ!?

最上階は7階だけど、それは特別な集団だからで、実際のエリートはテストでほぼ満点出ないと出勤出来ない6階。


「空智君不正はよくないよ」

「してません。ほら」


空智君が手をさっと横に振るとその周りが少し白く霞んだ。それはだんだん終結して、やがて小さな雲が出現した。もう一度手を動かすと雲も動いて私の目の前まで来た。

天候の塔では出世というものがない。一度階が決まってしまえば、落ちることはないが上がることもない。つまりテストが全てを決めるということ。


「じゃ、じゃあ…空智君、テストは」

「あと一問解けてれば満点」


エリートって、天才って、本当に存在するんですね。


「まあ、それはいいとして。七架も風使ってみろ。今後絶対使うことになるだろうし」

「使うことあるの?」

「もし、他の組と同時に光を見つけたとする。そうなった時、むこうが見逃してくれるとは限らない。特に緑、そして黒羽。やつらは力ずくで奪いに来る」


そんな物騒な。協力すればいいのでは。

シャーペンをくるくる回しながら語る空智君はそんなこと全く考えてないんだろうな。

私がものを引っ張るときのように手を動かすと何もない空間から風が起こって、さっき空智君が作った雲が掻き消えた。

せっかく6人で降りてきたんだからさ。協力したほうが絶対光も多く集まるのに。


「明日はどうする?休みだし学校以外で光捜してみるか」

「うん。んー、人が集まる場所が他にもあるかも」


…それに学校から離れたら仁科に会う可能性低くなるし。はは…。





アトリエもついに15話めか…。

今のところ終わるのがいつになるのかは作者にもわかっておりません。

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