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天空のアトリエ  作者: 黒井 夕
黄緑の章
12/19

第11話 魔王登場

お待たせしました


最終更新が4月4日とは…自分でもびっくりですよ


今度こそ定期的にいきたいなぁ


「おはよー」


真波、見てますか?下界におりて、早くも一週間目の朝です。

今ちょうど、いつものように空智君を起こして、仲良く?通学、そして息切れしながらクラスにたどり着いたところ。


「おはよう、七架」

「優子~」


ああ、朝からそのスマイル!一気に元気出るよ!

でも私の席に座ってるのは、わざと?それとも間違って?

…教科書が詰め込んであるのを見ると、間違えたらしい。


「七架、元気ない?」

「へ?なんで?」


あえて追求しないで、優子の席に座る。

いつもと席が逆なのに気づいて、優子さん!


「朝から疲れてるように見えたから、かな」


まあ、いいや。今から教科書移動も面倒だろうし、今日はこの席で。

先生、察してね。


「疲れる…?ああ、朝から空智君…じゃなくて、弟の送りしてきたからかな。朝なかなか起きてくれないし…」

「七架、弟いたの!?」


ガタンと音を立てて優子が立ち上がる。数人の視線が集まったけど、当人はさして気にしてない様子


「いるよ?我が儘魔王が。今、中1なんだけどね」


肩をすくめて見せてから、ふと立ったままの優子に目をやると、なぜか目を輝かせて…そう、期待いっぱいの顔で私を見つめていた。

聞かなくてもわかる気がするけど、いちおう。


「うち、来る?」

「行く!はぁ~…弟…いいなぁ~」


優子さん、いらない期待を膨らませないほうがいいですよ。

…って、私こそ優子の勢いに負けて勝手に呼んじゃったけど、空智君の許可なしじゃないか?

それでも、友達呼ぶくらい、下界ライフ満喫してもいいよね。

だいたいなんで空智君の許可?私のほうが年上じゃん!


「いつなら行ってもいい?」


空智君いわく霊が憑いてる状態の一人漫才から、優子の一声で戻ってくる。


「私はいつでもいいよ。弟もいつでもいるだろうし」

「じゃあ…今週の」


と、教室がにわかに騒がしくなった。そしてすぐに静まり返る。

さっきまでの明るい雰囲気が嘘のように消えてなくなる。


「仁科だ…」

「なに、あの人まだいたの…?」

「ほんと、勘弁してくれよ…」


クラスの数人が小声で呟いたのが聞こえた。

仁科?

クラスの反応からして人気者ってわけじゃないらしい。

そんな期待を裏切らず教室に入ってきた、でかい男子生徒。

制服は着崩し、頭は金髪。

でも決して暑苦しいとか汗臭いとかの部類ではない。

天空界でいう“イケメン”って部類。下界ではなんていうのか知らないけど。


「ふーん…こんな人もいるんだ、このクラス」


その仁科って人がクラスを歩くと、先にいた生徒はみんな道をあける。

そういう人には関係を持たないほうがこの先ラク。

って、思ってた矢先、仁科がこっちに方向転換した。

来るの?こっち来るの?

そういえば、私の席の隣、空席だったような……ぐふぅ…。


「おはよう、仁科君」

「優子さん!?」


魔王仁科に勇者優子が立ち向かった!


「………………」


魔王仁科はチラ見&無視をくりだした!

その眼光に通りすがりの村人七架は1000ダメージ!


「もう……」

「……………」


この勝負、draw。

まだ麻痺していた私は仁科が席に座ってから、優子にこそっと尋ねた。


「誰ですか、あの方!?」

「え?あ、そうか、七架知らないのね。仁科 (にしな けい)君。好きなことは教室の窓からのバードウォッチング!」


たぶんそれ、違う…。

とは言えず、とりあえず遠目に仁科を観察してみる。

Tシャツだし…、頭ツンツンして花火みたいになってるし…、なんで優子は普通に話しかけられるんだ。


「今日は学校来たの。1週間ぶりくらい?」


うぉう!2試合目!?

村人はまだここにいますから!!


「…………誰」


魔王仁科の放った攻撃は勇者優子をよけ、村人七架に命中。


「へ?」


「……優子、……そいつ、誰」

「転校生の雲見七架ちゃん。最後に慧君が来た、次の日に転校してきたの」

「……ふーん」


ふーん…

じゃなくて、ちょっと待った!優子に…慧君!?


「え…それって、ふたり「おーい、HR始めていいか~ 」


ちょうどいいところで先生登場。これほど先生を恨んだ日はないかもしれない。まだ付き合い1週間だけど。


「雲見、野田、座れ~」


と、言われましてもねぇ、私の隣は仁科なんだよねぇ。

でも、まあ…しばらく、うだうだしていると優子が私の席に座ったから平気でした。もはや勘違いのレベルを超えている気がする。






その日の授業中、何度か優子と仁科が話しているのを目にした。

仁科も他の人には自分から距離をとってる感じなのに、優子にだけは話しかけられたら答える。

誰も間に入れないというか…入りたくないというか…。

とにかく、その日は私もふたりのことを聞き出すことが出来なかった。




光探せや!


って突っ込みたくなるほどのスローペース

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