第三百七十八話「ぬいぐるみたちの反乱と、シャルロッテの『愛の放任主義』」
その日の午後、薔薇の塔のシャルロッテの居室は、かつてない騒動の渦中にあった。シャルロッテの最も愛するぬいぐるみコレクションが、突如として様々な「自己主張」を始めたのだ。
原因は、シャルロッテがモフモフを抱きしめる頻度が、他のぬいぐるみよりも多いという、些細な愛の不均衡だった。
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ぬいぐるみたちは、光属性と変化魔法の影響で、主体性と表情と声を持つ、ユーモラスな存在へと変貌していた。
虹色ユニコーン(ちょっと自意識過剰)が、棚の上から叫んだ。
「私は、虹色という、究極の美を持つユニコーンだ! 私の輝きは、あの毛玉(※モフモフのこと)よりも劣るというのか! 我々は愛の平等な分配を要求するものである!」
手作りのテディベア(わかりやすい嫉妬の塊)が、床でごろんと転がった。
「公平性とは何だ! 私は、姫殿下が最初に手に入れた『古参の愛の証』だぞ! 最新のトレンド(※モフモフのこと)に負けてたまるか!」
古い木の馬(存在意義の探求が必須の状態)が、カタカタと首を振った。
「私は、もはや馬ではない! 私は、乗り手を失った哲学だ! 私の存在は、モフモフの「ふわふわ」という、安易な感情すら劣るというのか!」
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シャルロッテは、モフモフを抱き、その騒動の真ん中に立った。彼女の目には、ぬいぐるみたちの「自己主張」が、「愛を求める、純粋な叫び」として、ユーモラスに映っていた。
「ねえ、みんな、喧嘩するのはやめてよ。みんな、可愛い嫉妬をしているだけでしょう?」
シャルロッテは、その騒動を鎮めることをしなかった。彼女は、ぬいぐるみたちの「愛の自我」を、自由に爆発させることを選んだ。それが彼女の愛の放任主義だった。
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シャルロッテは、床に座り込み、光属性と共感魔法を融合させた。
彼女の魔法は、ぬいぐるみたちの「愛の自我」を、個々の輝きとして、最大に増幅させた。
虹色ユニコーンは、光を放ち、「究極の自己肯定」というオーラで部屋を照らした。テディベアは、床で転がりながら、「自己の歴史の重み」という、温かい土の匂いを放った。
シャルロッテは、全員に向かって語りかけた。
「ね、みんな。私がモフモフを抱きしめるのはね、モフモフが一番寂しがり屋だからだよ。でもね、みんなも、みんなだけの、一番可愛い場所を持っているでしょう?」
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騒動の「論理的な解決」を期待していたテディベアが、ふと気づいた。シャルロッテは、自分たちを「愛の競争」から解放し、「自己の愛の形の承認」という、究極の許しを与えてくれたのだ。
ユニコーンが叫んだ。
「そうだ! 私は、モフモフのような愛の対象ではない! しかし私は、虹色の、究極の美として、シャルロッテ様の愛を堂々と受け取ればいいのだ!」
テディベアが続いた。
「私は、古参の愛の証だ! モフモフに嫉妬する必要はない! 私は、姫殿下の最初の愛の記憶として、永遠にここにいればいいのだ!」
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シャルロッテは、モフモフを抱き、にっこり微笑んだ。
「えへへ、みんなそれでいいんだよ。だって、誰かと比べるよりも、自分の可愛さを信じているほうが、絶対可愛いもん!」
その日の午後、居室は、シャルロッテの愛の哲学によって、「愛の自由とは、自己の自我を完全に肯定することである」という、温かい真理に満たされたのだった。




