↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【TS幼女転生王族スローライフ】姫殿下(三女)は今日も幸せ♪ ~ふわふわドレスと優しい家族に囲まれて★~  作者: 霧崎薫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

345/724

第三百四十六話「白黒の知性と、シャルロッテの『愛の色の真実』」

 その日の午後、王城の宝石鑑定室は、静かな思索の空気に満ちていた。フィオナは、父から受け継いだ、王家ゆかりの古びたサファイアのブローチを前に、深く悩んでいた。


 フィオナは、ブローチのサファイアの色を、宝石学の書物から学んだ知識で完全に分析していた。青の波長、光の屈折率、色の三原色、全てを理解している。しかし、彼女の心は満たされなかった。

「私は、サファイアの『青』に関する、すべての物理的・科学的な知識を持っています。ですが、この知識が、私に『青の持つ、愛の感情』を教えてはくれない……。知識は、愛を測れないのでしょうか」


 フィオナにとって、知識の完全性は、愛の感情の理解と直結する問題だった。



 シャルロッテは、モフモフを抱き、フィオナの隣に座った。彼女の目には、フィオナの「知性の完全性への執着」が、「愛の感覚」を閉ざしている壁として映っていた。


「ねえ、フィオナお姉様。ブローチの青はね、『悲しい色』じゃないんだよ」


 フィオナは、シャルロッテの純粋な指摘に、顔を上げた。


「お言葉ですが、姫殿下。論理的には、青は冷静さや知性を表しますが、愛の感情とは結びつきません。私は、青という色に、私は愛しい誰かを思う『心の温かさ』を感じることができないのです」


 シャルロッテは、フィオナの持つ「知性の壁」を、「愛の感覚の開放」という新しい哲学で包んであげることにした。



 シャルロッテは、ブローチのサファイアに、そっと触れた。そして、光属性と共感魔法を融合させた。


 彼女の魔法は、サファイアの物理的な青の情報を変えるのではない。その代わりに、ブローチ全体に、「誰かに、無償の愛を贈る時の、心の温かさ」という感情の波動を注入した。


 シャルロッテは、フィオナに語りかけた。


「ね、フィオナお姉様。この青はね、『遠い誰かを、静かに見守る愛の深さ』の色だよ。知識は、青の波長は教えてくれるけど、愛の気持ちは、お姉様の心で感じるものなの!」



 フィオナは、ブローチに触れたとき、サファイアの青が、もはや冷たい知識のデータではなく、心に静かに響く「愛の温もり」として感じられた。彼女は、「知識」では測れなかった、愛の感情の純粋な感覚が、知識の完全性よりも遥かに尊いことを悟った。


 シャルロッテは、モフモフを抱き、にっこり微笑んだ。


「姫殿下……そうだったのですね……」


「えへへ。だって、知識で全部わかっちゃうよりも、愛の秘密がいっぱいある青のほうが、絶対可愛いもん!」


 その日の午後、宝石鑑定室は、シャルロッテの愛の哲学によって、「愛の感情は、知識の完全性を超える、究極の真実である」という、最も温かい真理に満たされたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。