↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【TS幼女転生王族スローライフ】姫殿下(三女)は今日も幸せ♪ ~ふわふわドレスと優しい家族に囲まれて★~  作者: 霧崎薫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

329/724

第三百三十話「宝石の陰りと、姫殿下が導く『心のジュエルトーン』」

 その日の午後、王城の一室は、宝石の持つ冷たい輝きに満ちていた。宝石鑑定士の娘であるフィオナは、自身の美しさに自信を持てず、最も高価なエメラルドのネックレスを身につけながらも、どこか憂鬱な表情をしていた。


 彼女は、身につけた宝石の輝きと、自身の内面にある不安との間に、大きな乖離を感じていた。


「この宝石は、完璧に美しい。でも、私自身が、この輝きにふさわしい人間ではない気がする……。私の心が暗いと、宝石までくすんで見えてしまうような気がしてならないわ……」


 フィオナは、宝石の物理的な輝きを、自己の存在価値と同一視する、繊細な苦悩に囚われていた。



 シャルロッテは、モフモフを抱き、フィオナの隣を通りがかった。彼女の目には、フィオナの心にある「不安の影」が、エメラルドの輝きを、微細に、しかし確実に鈍らせているのが見えていた。


「ねえ、フィオナお姉様。お姉様が暗いと、宝石も泣いちゃうよ。宝石はね、お姉様の心が笑うと、百倍可愛くなるんだよ」


 フィオナは、姫殿下の純粋な指摘に、顔を上げた。


「これは姫殿下。しかし、心が笑う、とは? どうすれば、私の心は、この宝石に負けない輝きを持てるのでしょうか……?」


 シャルロッテは、フィオナの内面と、宝石の輝きを、愛の哲学で調和させてあげることにした。



 シャルロッテは、フィオナのエメラルドのネックレスに、そっと触れた。そして、光属性と共感魔法を融合させた。


 彼女の魔法は、エメラルドの輝度を上げるのではない。その代わり、エメラルドが持つ「緑色の波動」と、フィオナの心にある「自己肯定の渇望」という感情の波動を、完璧に同期させた。


 シャルロッテは、フィオナに、鏡の前に立つよう促した。


「ね、お姉様。鏡を見て、『私は、この宝石に、一番愛されている!』って、心の中で唱えてみて!」


 フィオナが、鏡の前で、その言葉を心の中で唱えた瞬間、彼女の内面の「自己肯定の渇望」というエネルギーが、エメラルドの輝きと同期し、ネックレスが触れているフィオナの肌のトーンを、エメラルドの補色である「温かいパステルピンク」寄りへと、ごく微細に変化させた。


 フィオナ自身の肌が、エメラルドの持つ冷たい輝きと完璧なコントラストをなす、「心のジュエルトーン」を纏ったのだ。



 フィオナは、鏡に映る自分を見て、息を飲んだ。エメラルドの輝きは、以前よりも増していたが、それ以上に、宝石に負けない、フィオナ自身の内面から溢れる美しさが際立っていた。


「まあ……! 私の心が、宝石と一つになったかのようです! 私の輝きは、宝石の重さではなく、私の自己肯定の心だったのですね!」


 フィオナは、自分の心こそが、最高の宝石を輝かせる「最高の切子面(ファセット)」であることを悟った。


 シャルロッテは、モフモフを抱き、にっこり微笑んだ。


「えへへ。だって、宝石はね、自分の力で光るんじゃなくて、お姉様の可愛い心が、光を分けてあげるんだもん!」


 その日の午後、王城の一室は、シャルロッテの愛の哲学によって、「女の子の輝きは、内面の自己肯定の心にある」という、最も温かい真理に満たされたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。