第三百六話「騎士の星空と、執事の夜間警備」
その日の夜、シャルロッテは、窓の外の夜空を見て、「ねえ、モフモフ。今夜の星空、世界できらきらしているはずなのに、王城の強い灯りが邪魔をして、よく見えないね」と小さな願いを漏らした。
その言葉を、偶然近くを通りかかった第二王子フリードリヒと、夜間巡回中の執事オスカーが、同時に聞きつけた。
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フリードリヒ王子は、妹の願いを叶えるため、「王城のすべての灯りを消し、純粋な星の光を届ける」という、大胆な行動を決意した。
彼は、風属性と時間魔法を応用し、城内の蝋燭や魔法ランプの炎を、一瞬で、しかし優雅に、同時に吹き消すという、高度な操作を行った。王城全体が、瞬間的に闇に包まれた。
「よし! これでシャルロッテは、最高の星空を見られるぞ!」と、フリードリヒ王子は満足した。
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その闇に気づいたオスカー執事は、王城の警備と安全の危機を感じ、すぐさま行動した。
「いかん! 王城の警備と安全は、灯りによって保たれている! すぐに修復せねば!」
オスカーは、フリードリヒの意図を知る由もない。光属性と時間魔法を応用し、消えた灯りを、一瞬で、すべて、同時に再点灯させた。
王城は、一瞬の闇の後に、再び、完全な光に包まれた。
シャルロッテは、窓の外をまだ見ていたた。
「やっぱり今日はお星さま、みえないね……」と残念がる。
フリードリヒ王子は、戸惑った。
「なぜだ! 俺がすべての灯りを消したはずだ!」
オスカー執事は、自らの完璧な仕事に満足していたが、姫殿下の悲しそうな顔を見て、事態の真相を悟った。
「ああ……私は、王子殿下の純粋な献身を、職務の規律で打ち消してしまったのか……!」
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その時シャルロッテは、二人の男性の愛と献身の、皮肉な衝突に気づいた。
「ねえ、兄様、オスカー。喧嘩しなくていいよ」
彼女は、光属性と共感魔法を応用した。彼女の魔法は、窓の外の夜空に、「フリードリヒの勇気」と「オスカーの規律」が、仲良く手を繋いでいる、虹色の星の軌跡を、一瞬だけ映し出した。衝突さえも、愛という名の美しい光になったのだ。
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シャルを愛する二人の男性は、その愛の力に心を打たれ、和解した。
「シャルロッテの願いを、今度こそ叶えよう。オスカー、王城のすべての灯りを、もう一度、消してもいいだろうか?」と、フリードリヒ王子が、オスカーに協力を求めた。
オスカー執事は、深く頭を下げた。
「王子殿下。私の職務は、安全を守ること。姫殿下の笑顔は、安全の礎でございます。今なら、私が警備の最終責任を負い、灯りを消すことができます」
オスカー執事は、静かに、手順を踏んで、王城のすべての灯りを、一つずつ消していった。その丁寧な動作は、規律と愛が完璧に調和した、静かな儀式のようだった。
そして、王城の灯りが全て消えた瞬間、窓の外には、人工の光に邪魔されない、息をのむほど美しい、本物の満天の星空が広がった。
シャルロッテ姫殿下は、窓辺に立ち、フリードリヒとオスカーに挟まれながら、その夜空を見上げた。
「わあ……! 見て、モフモフ! 星が、私にキスしてくれたよ!」
フリードリヒ王子とオスカー執事の胸は、究極の幸福感で満たされた。彼らの献身は、愛という名の、最高の結末を迎えたのだ。
シャルロッテの純粋な愛は、衝突ではなく、協調によって、究極の美しさを生み出したのだった。




