第二百十六話「森の巨大なフライパンと、王家の『分かち合いの哲学』」
その日の午後、王城の森の奥深くに、奇妙なものが発見された。それは、古い探検隊が残していったと思われる、大人数で使う、巨大な鉄製のフライパンだった。
フライパンは、森の中で苔むし、巨大な皿のように転がっていた。
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シャルロッテ姫殿下は、モフモフを抱き、そのフライパンを見て、強烈なインスピレーションを得た。
「わあ! モフモフ! これで、みんなで食べられる、世界一大きなカステラを焼こう!」
それは、「巨大な道具」を、「分かち合いの喜び」に変える、シャルロッテならではの、純粋な発想だった。
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シャルロッテ姫殿下は、すぐに家族全員と、側近たちを巻き込んだ。
フリードリヒ王子…… 彼の力が必要だった。フリードリヒは、土属性魔法を応用し、フライパンの下に、熱を均一に伝えるための、完璧な石の台座を、一瞬で築き上げた。その段階でフライパンについた苔は丁寧に取り除かれた。
マリアンネ王女…… 彼女の知識が必要だった。マリアンネは、火属性魔法を応用し、フライパンの底を、カステラが焦げ付かない、最適な温度に、正確に調整し続けた。
アルベルト王子……彼は、配分と調達を担当。王城の厨房から、大量の卵、砂糖、小麦粉を、最も効率的に運び出すルートを設計した。
そしてエマは、シロップとフルーツの装飾を、ハンスは、森から最高の薪を運び込んだ。
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シャルロッテ姫殿下は、その全ての共同作業を、愛と光で包み込んだ。
彼女は、フライパンに注ぎ込まれる、巨大なカステラの生地に、光属性魔法で、「みんなの愛が、美味しくなあれ!」という、無言の祝福を与えた。
カステラが焼き上がるのを待つ間、森の中には、家族と使用人の、ユーモアと協力の笑い声が満ちていた。
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完成したカステラは、巨大で、黄金色に輝いていた。それは、**「共同作業の喜び」**という、最高の調味料で味付けされていた。
シャルロッテ姫殿下は、そのカステラを、王族だけでなく、厨房のコック、衛兵、そして通りかかった城下町の子供たちに至るまで、全ての人々にまんべんなく分け与えた。
「ね、みんな。世界一大きなカステラはね、みんなで食べるのが、一番美味しいんだよ!」
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アルベルト王子は、妹の行動が、「幸福の最大化」という、究極の経済学を実践していることに気づいた。
「シャルロッテは、一人で楽しむよりも、分かち合うことで、全体の幸福値を無限に高めたのだ」
フリードリヒ王子は、カステラを頬張りながら、豪快に笑った。
「カステラから、愛の味がするぞ!」
シャルロッテ姫殿下の純粋な哲学は、「共同作業と分かち合い」こそが、真の豊かさと幸福を築く基盤であるという、最も温かい真理を王城にもたらしたのだった。




