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1…日 超能力 常

ただ平凡に暮らしてただけだったはずなのに、いつから命懸けの戦いが当たり前になったのだろうか?


____あの日だろうな。

____俺の親友が死んだあの日。


睡眠から目覚めると超能力が使える気がした。

おそらくオレが使えるのは「ギフト付与」「鑑定」 「隠蔽」の3つだ、どう使えばいいのかは分からない。

ただ間違えなく使える、それだけは言い切れる…たぶん…


「とりあえず学校行くか…」


学校につくと幼なじみの2人がいた。超能力が使えるようになったことを喋ってみるか?でもこういうのってあまり人に言いふらさない方がいいよな。


「本当なんだって多分オレ超能力使えるんだよ」

我慢できなかった。うん、全然我慢できずに話しちゃったその上で信じて貰えず焦ってる。さっきまで秘密にしようか悩んでいたのに…


「お前ついに頭おかしくなったか?昨日も学校休んでたし、バカになったか?」


福田が呆れたように言った。こいつのニックネームはペンギン。ちょこまかした動きと、デブの特徴からオレがそう呼んでいる。


「ラノベの読みすぎだろ」

冷静なリュウがこちらを見ながら話す。馬鹿だが頭の回転は速い。


ん?たしかに昨日ラノベを読んだ。しかも異世界魔法系の…まさか夢で見た内容と現実がごっちゃになってる?


いやそんな訳はない。今のオレは呼吸を当たり前にできるように超能力を当たり前に使える気がする。とりあえず使ってみるか


「ちげぇよ、とりま証拠見せるわ」

どうやって証明しようか。いきなり空でも飛んで見せるか?いや、そんなことは出来ないな。もっと手軽で分かりやすい能力を使うべきだ。


「鑑定」これはオレにとってもコイツらにとってもわかりやすい気がする。人をバカ呼ばわりしてきたこいつから「鑑定」するかでもどうやって?


「なぁ、鑑定の能力があったらどう使うんだと思う?」

オレがそう切り出すと、ペンギンは腕を組みながら顎に手を当てて考え始めた。

「そんなん鑑定したいやつに向かって鑑定って言えば大抵使えるだろ」


なるへそ、それなら簡単だ。でもそんな簡単なわけないよね。もっと長い詠唱とか必要でしょ。ま、試すけど

「鑑定」口に出してみる。何か起こるか?


その瞬間、目の前に半透明のウィンドウが現れた。そこにペンギンの情報が文字で表示されている。

名前⋯福田 裕也 (フクダ ユウヤ) Lv0

通称⋯ペンギン

身長⋯172cm

体重⋯75kg

性格⋯明るい、お調子者

性癖⋯M男、女王様

趣味⋯ゲーム(ジェルダの伝説)

悩み⋯筋肉がほとんどないことを気にしてる

ギフト⋯なし(付与可能)


すげぇ、目の前に情報が出てくる。めっちゃ使いやすいやんけこの超能力。

なるほど知ってる情報がほとんどで証明にならないな。性癖以外は全部知ってるし、性癖も性格や行動からの逆算だとしたら知ってる情報しかでないのか?


まぁいい次で証明すればいい。リュウに向けて「鑑定」と発する。

名前⋯町田 竜樹 (マチダ リュウキ) Lv0

通称⋯リュウ

身長⋯179cm

体重⋯78kg

性格⋯冷静、度胸あり

性癖⋯素人

趣味⋯読書マンガ、スポーツ(バスケ)

悩み⋯進路、友人関係

ギフト⋯なし(付与不可)


うーん、これまた知ってる情報だ。1番証明になるとしたら性癖か、でも言ったら2人とも怒るよな。オレもあんま友達にお前の性癖これやろとか言いたくないし


そういえば自分のことは鑑定できるのか。試してみるか。確か髪型気にしちゃう系男子のリュウは鏡持ってたよな。


「リュウ〜かがみ持ってる?」


「あるよ、もう超能力者ごっこはいいのか?」


リュックから小さな手鏡を取り出しながら、リュウは呆れた顔で言った。


コイツガチで性癖バラすぞ、まぁ一旦かがみに向かって「鑑定」使ってみるか。


鏡の自分に「鑑定」と発する

鏡に映る自分に、先ほどと同じようにウィンドウが表示される。

名前⋯植野 大翔 (ウエノ ツバサ) Lv1

通称⋯ツバサ

身長⋯173cm

体重⋯69kg

性格⋯楽観的、明るい

性癖⋯企画もの(時間停止)

趣味⋯麻雀、アニメ鑑賞

悩み⋯特になし

ギフト⋯「ギフト付与」「鑑定」「隠蔽」


別に悩みぐらいあるわ、特になしってなんやねん。


「それでその鑑定〜とかいうのはもういいのか?」

リュウが聞いてくる。こいつ多分オレのことを小馬鹿にしているな。まぁ確かに今のところなんにも証明できてないしな。


よしひとつ決めたことがある。一番インパクトがあって、こいつらを黙らせる方法。それは…

「すかした顔しやがって、お前の性癖素人ものやろ鑑定して分かってんだよ」


少し間ができる、そしてうつむくリュウ流石にやりすぎたか? リュウが言葉を失っている。


「なるほど、いつの間に俺の検索履歴見たんだ?」

2秒ほど経ってからの発言だった。意外と冷静かと思ったが…あ、怒ってるわ。目が笑ってない。


「だからオレは…」


キーンコーンカーンコーン

発言が遮られた。教室にはチャイムが鳴り響き、周囲の生徒たちは慌ただしく授業の準備を始めた。


「次は数学か…移動だな。ペンギン早く行こうぜ」

あれオレ誘われてない?急に話変わったけどオレもう見えない存在?さっきまで一緒に超能力について話してたのに、完全に蚊帳の外だ。


「あ、あのオレもついて行っていいっすか?」

勇気を振り絞って声をかけると、リュウは振り返り、冷たい視線を送ってきた。


「…おう、授業終わったら覚えとけよ」

その一言に、リュウの怒りが凝縮されているのを感じた。


「…」

オレはすごすごと2人の後をついて教室を出た。超能力を手に入れた代償は、思いの外大きそうだ。


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