不思議な出会い
少女は東の都レダリアから王都へ向かっていた、途中の森で不思議な人と出会う
「そうだ!これ、昨日戦利品、白ちゃんの分も貰って来たから。」
そう言うとイーヤは小さい茶色い巾着を出して来た。
「わざわざありがとうございます。」
「良いの良いの昨日の活躍に合った報酬かわからないけど。」
そう言いながら彼女は台所でお昼を作り始めた。家の中は広く一人で住むには充分だろう。
そうやって家の中をみていると料理が出てきた。一口食べて見ると見た目どうりに味は美味しく次また次と料理を口の中に入れた。
お昼を食べ終え食器を下げるとイーヤは急に話を切り出した。
「 明後日、王都に向かおうと思っているんだけど。一緒に行かない?」と聞いてきた。私は特にやる事も無かったので「良いですよ。」と二つ返事で承諾した。
二日後、私たちは北門付近で馬車を借りて王都に向かった。
レダリアを出てから二日が経つ頃。満月が真上に昇った頃私は目が覚めた。
少し用を足そうと茂みの方に向かうと歌声が聞こえた。私は気になり歌声の主の所に向かった。
そこには木々の隙間から漏れた月光に晒された黒髪の女性が居た。彼女は白い花の模様の入ったワンピースを着て大きな岩に腰を掛けて居た。彼女が指を上げると綺麗な蝶が舞い降りた。
彼女は私の存在に気がつくとこちらに向かって手を振った。まるで手招きしているようだったので、私は近づいた。
「そこの人、こんなところでどうしたの。」
と聞いてきた。あなたこそ何故そこに居るんですか。と聞きたくなったがそれを抑えて。答えた。
「今王都に向かってる途中で綺麗な歌声が聞こえたので来たんです。」
「あら、そう、ごめんなさいね。疑ってしまって。お詫びに私の家でゆっくりしていかない。全然王都までの道のりはあるんだし。」
「すみません、ここまで連れて来ていただいた人がいるので。」
「全然その人も連れて来て良いよ。」
「 では、お言葉に甘えて。」
「じゃあ、日が昇ったら。ここに来てね♡」
日が昇った頃私はイーヤさんを連れてあの場所に向かった。そしたら確かにあの女性が居た。
「いーやー、ホントに来るとは。」
来てね♡と言ったのはあなたですよね。とツッコミたかったがツッコむ暇がないくらい直ぐに移動し始めた。
しばらく道なき道を歩いていると。一棟の小さな小屋があった。
「さーさー、早く入って入って。」
と言ったので入って見ると小屋中は生活感が無く。ほとんど物がなかった。
「どうよ。私の自慢の家は。」
「何もないわね。」
「ええ。」
「だって街まで遠いし。村も近くにないから。まあでも、お茶とお菓子ぐらいは出せるからゆっくりして行ってね。」
私たちは日が暮れるまで話した。これまでの事、これからなにをするかを語り合った。
「日が沈んじゃったねー。家泊まってく?」
とナンパのように言われた
。
「じゃあお言葉に甘えて泊まっていこうかしら。」
とイーヤさんが言った。
「どうぞどうぞ。もうお姉さんとても嬉しい。」
私たちは次の日この小屋を去った。
去り際にあのお姉さんが
「世界は狭い!また会おう!御二方!」
と元気ハツラツと言った感じで私たちを送り出した。
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