白き乙女の伝説
目が覚めるともう既に日は傾いていた、私自身こんなにのんびりと一日を過ごしたのは久々だった。今までの旅では一日中移動したりしていたので丸一日休む事は無かった。私は屋敷近くの図書館に行き何か面白い本は無いかと探していた。
図書館はレダリアの所よりかは小さいが普通の図書館と比べると大きかった。
私は物語を読むのが好きなのでその系統の本を探していると「白き乙女」と書いてある本を見つけた。私はその内容が気になり手に取った。
内容はこう言った物だった。
ある時、力の塔と呼ばれる純白の塔の近くに雪の様に真っ白な姿をした少女が倒れていた。それを見つけた冒険者がその少女をイダリヤの街に連れ帰って来た。
それから少しして、少女は目を覚ますと「ヘイル!ヘイルを探さないと!」と言っていた。
冒険者はそれについて聞いた。
「ヘイルとは誰のことだい?」
そう聞くとその少女はこう言った。
「私達姉妹の一番下の妹で、今行方不明で探して居るんです。」
「ならば冒険者協会で捜索者願いを出せばいいじゃないか。」
そう案内する冒険者に少女は強く答えた。
「それはいけません!」
そして時間は夜になった。突如警報の鐘がなった。少女は冒険者に聞いた。
「今の警鈴は何ですか。」
すると冒険者は答えた。
「ジャイアントの襲撃だ。ここで大人しくしていてくれ。」
そう言うと冒険者は少女を一人家に置き、一人で家を出ていった。
しかし、少女もただ居るだけでは気が収まらなかったので冒険者が家を出て少し経ったあとこっそりと家から出て行った。
少女は何を思ったか、魔物がいる方へと現れた。その姿を見た冒険者は驚き少女に「なぜ来た。」と問いかけた。少女はどこからとも無く弓を取り出し弦を思いっ切り引っ張り冒険者の真後ろまで迫っていた魔物の眉間に矢を突き刺し魔物を殺した。
「どんな攻撃もはね返すあの甲殻どうやって。」
そして冒険者が驚いているうちに少女は次々と魔物を倒した。そして、さっきまで沢山いた筈の魔物は残り大将だけとなった。そしてジャイアントクイーンも少女の放った一閃によって倒された。
そしてその少女は踵を返し街の中へ戻って行った。そしてその後少女の姿を見た者はいなかった。
私は本を読み終えると本を閉じて元の場所に戻した。外はもう既に茜色になっていた。私は図書館を出て急いで屋敷に戻った。屋敷に戻るとイーヤさんとフェアリスさんが話していた。
「ねえフェアリス一緒王都に来て十二怪の大会に参加してくれないかしら。」
「いやいや、私じゃなくて白ちゃんの方が良いと思うんですが。」
「あの子は駄目なの。今回の開催理由は空きの所に新しい人を入れるためなの。」
「何でですか。彼女はあなたの相棒なのですよね。」
私は途中で自分の部屋に戻った。
何でイーヤさんは私に隠して何でそんな話をしているのか不思議だった。
その後部屋に戻って来たイーヤさんに質問攻めの刑にした。
「何で私に秘密であんな事をフェアリスさんに言っていたんですか。何で私じゃなくてフェアリスさんなんですか。何で半月で王都に戻らないといけないんですか。」
「多い多い、じゃあ一つずつ。」
そう言うとイーヤさんは近くあった椅子に座り懐から手帳と一枚の紙を出して私に示した。
「2カ月後に王都で十二怪の大会があるの。そしてそれは今空いてる席を埋める新しい十二怪のメンバーを決める為の大会なの、だからあなたは別なの。」
「別って何が別なんですか。」
そう私が食い気味に聞くとイーヤさんは真面目な顔になって言った。
「これはまだ決定事項ではないのだけど今後セダリアの大壁を越えて、北の小国ミストワールとの戦争を終わらせるの。そして事情があってその戦争の再開は避けられない。だから戦力確保の為の大会なの。そして貴方は私の後継者にするつもりなの。」
後継者、十二怪は自身が作戦で死んだ場合、自分の席を後継者に引き継がせるか大会を開きその席座る人を決める。十二怪本人達は後継者になれない。その代わりにその大会で一人につき一人推薦し、その大会で戦わせるのである。自身の推薦した者が十二怪になれたとしてもそれを誇る者はいないと言う。
「私が魔獣の後継者に!何でですか。」
私は動揺しながら聞いた。
「私が一番長く旅に引き連れて私が初めて私を超えると思ったからよ。」
そう必死に答えるイーヤさんに私は食い下がって話を終える前に一つ引っかかる事を聞いた。
「フェアリスさんはなんと。」
「フェイリスの為にここで権力をつけて弟に任せるってその時なったら参加するって。」
「振られたんですね。」
「そうよ、そうなのよ。」
そう残念そうに言うイーヤさんに少し安心を覚えた。




