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私的自由な珍道中  作者: パラトリウム
イダリヤ編
23/29

作戦終了後

巨大昆虫ジャイアントを討伐し家に帰った一行は昼頃に目を覚ました

作戦の後の遺体及びジャイアントの死骸の処理はそれ専用の班に任せて私とイーヤさんは報酬を受け取りアムニムス邸に戻り少しの休息をとった。

私が起きたのはおよそ十二時頃であった。眠い体を引きずりながら私は服をしまっているところに行き、私服に着替えて居間に行くとフェアリスとフェフリトがチェスを指していた。


「おはようございます。」


「あっ!白ちゃん起きたのね。これが終わったら一戦だけ付き合ってくれない。」


「はい、分かりました。」


私はチェスの対局を見ていた、カタカタと素早い判断で置いていくフェフリト、長く考えて駒を出すフェアリス。


「姉さん僕の勝ちです。」


得意げにフェフリトはフェアリスのキングを取った。


「あー、また負けた。フェフ強いよ。」


そうして私の番が来た。

チェスはイーヤさんから少し教わってたまにやっていたので誰からも教わること無くできた。

淡々と考えながら駒を配置していき互いに残りがナイトとキング、クイーンとなった。私はナイトを使いフェアリスのナイトを取り、フェアリスはクイーンでクイーンを取ろうとして逆に私にクイーンをクイーンで取られた。盤には私のクイーンとキング、そして逃げ惑うフェアリスのキングだけがあった。そして20ターンが過ぎお互いに引き分けとなった。

ちょうどチェスが終わった頃昼食だからイーヤさんを起こしてきてほしいとフェアリスが頼まれて、私も付いていった。

部屋に入るとまだ疲れが取れないイーヤさんは毛布にくるまりながら文句を垂れた。


「白ちゃん、もう少し寝かせて。昨日一晩中戦ったんだから。」


そういっているイーヤさんにフェアリスがそっと近づいて。イーヤさんから布団をはぎとった。

「わ~~~!」と情けない声を上げるイーヤさんを初めて見た。


「イーヤさん急いでください。今はお昼でもう昼食の時間なんです。」


その言葉を聞きながらイーヤさんは再び布団に包まろうとしていた。

それを見たフェアリスは再び布団をはぎとった、そしてベットからその眠い体を引き起こして素早くいつもの服に着替えさせた。

そして食事の間に引っ張って行き、席に座らせた。目の前には出来立ての料理たちが並べられていた、私たちは一斉に食べ始めた。


「そういえばファシウスさんはどうしたんですか。」


そういえばと思い、私はアムニムス夫人に聞いた。


「あの人は今も昨日の後処理にいるはずね。まあ、前にも同じようなことがあってその時は夕方頃までかかったから気長に待ったほうがいいわ」


今処理班及び今作戦の重役であったファシウスさんはジャイアントの死骸の売却、人の死体の身元確認及びパーツ集めなどなので今朝から初めてもある程度は時間がかかってしまうらしい。

私は食事を終えてまた居間に行きフェアリスとまたチェスの続きをし始めた。そこでイーヤさんが観察していた。そして、勝負がつくとイーヤさんがやりたいと言ってきたのイーヤさんとフェアリスの試合を観察した。迷いなくイーヤさんは駒を動かしてフェアリスを窮地に追い込んで素早く勝負は決まった。


「イーヤさん強すぎです。」


「そりゃ旅をしながら行った先の酒場とかで仲間を募ってよくやってるからそりゃそうよ。」


確かに私も何度か付いて行ったが駒の動かし方がハイレベル過ぎて私には理解できなかった。


「イーヤさんに勝ったら白ちゃんとの決闘をしてもらおうと思ってたのに。」


フェアリスがさらっと無茶ぶりを考えていた。


「別に良いわ。もう今日は疲れが酷いからね。」


そう言ってイーヤさんは居間を去ってしまった。

私はフェアリスに提案した。


「フェアリスさん、どんな魔法が使えるんですか。」


そう言うとフェアリスは腕を前に投げ出して首の力を抜き天井を見上げた。


「魔法ね、、属性は炎で詳細は今見せてあげる。」


そう言うとフェアリスはさっきとは裏腹に勢いよく椅子から立ち上がり外に出た。そしてどこかに行ったあと火のついた棒とお酒を持って来た。そしてお酒を口に含み、火のついた棒を目の前に持ってきて、口の中に入れたお酒を勢いよく噴き出した。口から噴き出たお酒は火によって燃えて炎が広がった。


「それ、ただお酒を燃やしているだけですよね。」


「ええ、そうね。技術も磨け魔法に匹敵するのよ。」


そう言うと近くの水道で火の棒に水をかけて火を消した。


「魔法ってのは、一部の人達だけが使えてそれ以外の人は全く使えないの。」


「ごめ、、、、」


「謝らないで魔法が使えないのが惨めになる。私の妹のフェイリスは魔法を使えてね、私は使えなかった。ただそれは私に劣等感を感じさせなかった。私達は仲睦まじい姉妹よ、魔法が使えなくたって私達は血が繋がっているから。それに私が今の状態である事であの子を色々な方向で助けれるじゃない。」


私は確かに確信した、姉妹の絆の強さは永遠に弱まる事はないと。


「あーあ、柄にもないこと言って少し恥ずかしい。白ちゃん、一試合だけお願いしていい?」


そう言いながらフェアリスは訓練用の剣を構え、私も同じ様に剣を構えルールの確認をした。


「ルールは、顔以外は当てても大丈夫、それ以外は2回当てれば勝ち。」


ルールを確認し終え、フェアリスは木の棒を投げたそれが地面に落ちるのと同時に始まった。

フェアリスはイーヤさんとの手合わせの時と同様の構えを取った。

私はフェアリスの目の前まで近づき足を払ってバランスを崩させようとしたが、さすが剣術をやっているだけありそう簡単にはバランスを崩さなかった、そして逆に私が倒れる結果となった。


「この型は全身をうまく使わないといけなくてね。その結果受け身の型になっているだけなのよ。」


フェアリスは私の頭に剣を振り下してきたので私は咄嗟に剣の腹で受け止めその力を使って転がり距離を取ってから立ち上がった。


「多分フェアリスはその型じゃないほうが良いと思いますよ。」


「御生憎様、ほかの剣術はあまり習ったことがないのよ。まあ、雑にはなるけど今までのやり方でやるのもまたありね。」


そう言うと構えを変えて両手で剣を持ち顔の横に剣の刃を顔の横にやった。そして、私とフェアリスは同時に走り出し、剣をぶつけ合った。ぶつかった時の衝撃でお互いに弾き飛ばされた。しかし、フェアリスの方が先に姿勢を立て直し直ぐに攻勢に移った。フェアリスの型は舞を踊っているように優雅であった。右から左からと次々と猛攻が押し寄せてきた。隙を突こうにもそこに集中していると剣が私のほうにやってくるから難しかった

そして、私は一筋の隙を見つけそこに攻撃を入れようとした、それと同時にフェアリスの剣は私の首筋に寸止めした。私の負けが確定した。

私たちは互いに鞘に剣をしまう真似をして、互いに握手を交わした。


「その型の方がフェアリスさんに合ってるんじゃないんですか?」


「そうかしら、こんなへんてこな振り方じゃ意味がないと思うけど。一撃が軽いからこんな動きができているわけでもあるし、こんなんじゃ実戦で使いものにならないわ。」


「じゃあ、今後やるのはその一撃にしっかりと重さを乗せることですね。」


私たちは訓練用の剣をもとの置いてあった場所に戻し、中に戻った。

私は自室に戻り脱ぎっぱなしの鎧や服を畳んだ。

鎧は昨日の激戦でも傷一つ、汚れ一つ付いてはいなかった。これも、チェストプレートにはめ込まれた青い魔石のお陰でありその上鎧も軽くて身動きをしやすくても防御力が他の鎧と同じなのである。私は益々この鎧が気に入った。そんな事を思いながら、荷物を片付けていると後ろからイーヤさんがジャイアントの甲殻の一部を持って来た。


「どうしたんですか、それ。」


「まあ、戻る途中にちょうど良く落ちてたから周りの目を盗んで持ち帰ってきたのよ。」


そう自慢げに言うイーヤさんにその甲殻はどうするのか聞いてみた。


「うーん、こんなに堅いのは装備品としては優秀だけど何よりもこの甲殻に溶け込んだ魔力のお陰で多少魔力の伝播はしやすいからそれを活かせるのにするのもいいかも。」


真面目に考えるイーヤさんに持って来る前から決めておけば良いのにと思った。確かにジャイアントはイダリヤのみに生息する大型の昆虫種だだからと言ってあそこから勝手に持ち出すのはどうかと思う。


「これあとで鍛冶屋に持って行って加工してもらおうかしら。」


「確かに加工品なら高く売れますしね。」


「売らないわよ。いつかあなたの役立つようにしてもらうから楽しみにしていてちょうだい。」


そう言うとイーヤさんは外に出ていった。


役に立つものと言っても別に必要なものはほぼすべて揃っているしと思った。もし役に立つと言えば壊れない切れ味の高い剣と水をいくらでも入れられる水筒ぐらいだ。そんな事を考えていると、眠気が襲って来たので私は再びベットに入り仮眠を取った。


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