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私的自由な珍道中  作者: パラトリウム
イダリヤ編
20/29

イダリヤの街

私達はその屋敷の執事によって応接室へと通された。広々として窓から入る日差しに照らされた部屋に座っていたふくよかな男に向かって、執事は「ご主人様、お客様を連れてきました。」。座っていた男は執事に「ご苦労。」とだけ伝えた。それを聞いた執事は静かに下がった。そして、執事が完全に退室したあとその家の家主が口を開いた。


「久しいなイーヤ。」


と言ってイーヤさんの方を見た後私に気がついて、


「こんにちはお嬢さん、私はファシウス・アムニムスと申します。」


と丁寧に挨拶をしたので私も答える様に


「こんにちは、私は白と言います。」


と挨拶を交わした。


その後高級そうな革のソファーに勧められ三人は腰を下ろした。


「あの子は今どうだね。」


そう言う男にイーヤさんは答えたに


「フェイリスはいまセダリアの大壁付近の調査に向かっているわ。今回の調査はあまり長くないから安心して。」


「そうか、兵士として従事しているんだな。

。」


とイーヤさんの言葉に答えた。


「気分転換にでも久々にチェスでもしないか。」


と言い部屋の棚の上に置いてあったチェス盤を持って来て始めた。コトコトと駒を移動させる音が静寂した部屋の中に響いた。


「今回は何の用だね。」


と突然口を開いた男の質問にイーヤさんは答えた。


「ただ、友人と喋りに来ただけよ。友人と遊ぶのに何か用件は必要かしら?」


その言葉に男も納得した。

そして、イーヤさんが


「チェックメイト。」


と言うと同時に入り口の扉が音を立てて開いた。


「イーヤさん、来てたんですね。」


と言いながらイーヤさんの方に走っていった。


「おてんばっぷりは変わらないわね。」


と言われた女性は


「イーヤさんは見た目が全然変わらですね。」


と言った。


「イーヤさんはいつまでイダリヤに滞在するんですか。」


「うーん、2ヶ月後には王都に戻らないといけない用事があるし居れて半月程ね。」


「相変わらず旅ですか。」


と問う女性に。


「ええ、相変わらずの珍道中よ。」


と自慢げに言った。

フェアリスは父に許可を求めた。


「お父様このあと街にお買い物に行ってもよろしいですか。」


「イーヤと一緒なら大丈夫だよ。」


「ありがとうございます。」


そう言葉を跳ねさせていたフェアリスを横目にイーヤさんは耳打ちした。


「あんたも親バカね。」


「ハハ、娘のしたいことをさせてるだけだ。」


私達はアムニムス家のお嬢様を連れて街を散策しにいった。イーヤさんもここに来たのは5年ぶりにきたらしく久々に行きたい所もあるらしい。


「ここらへんに美味しいパン店があってね、あそこのドーナツがふわふわで美味しいのよ。」


「ああ、スミス夫妻のパン屋ですね。美味しいですよね。」


「そうそう。」


私には分からないトークで盛り上がっていて私は疎外感を感じた。

そのまま進んで街の広場に出たすると広場で人々が一箇所に集まっていた。私がその中心を見てみると一人の赤毛の女の子が音楽に合わせて激しく踊っていた。私はその力強い舞に心を奪われた。私はその演舞が終わるまで見てしまい、イーヤさん達に置いていかれてしまった。私は街の人にパン屋の場所を聞いてイーヤさんと合流した。


「白ちゃん、珍しいわね。迷子になるなんて、あの街程治安は悪くないけど気を付けてね。」


そう言うとまた街の散策に戻った。

街中で装飾品を売っている露店を見つけた。その中で一つの腕輪が目に止まった。銀で作られた腕輪に綺麗な花が彫ってある物だった。私はそれを手にとってよく見てみると花の雌しべの部分に宝石があしらわれていた。

私がそれに魅入っているのを見たイーヤさんは、屋台の店主に。


「その腕輪っていくらですか。」


「お嬢さん御目が高い、それはセダリアの職人が作った腕輪でね、そこに彫ってある花は女神が愛した花と言われる、シロカタバナなんですよ。確か、シロカタバナはレダリアの南側に自生しているとか。ああそうそう、価格ね。銀貨十五枚ね。」


「じゃあ、それいただいてもよろしいですか。」


そのあとイーヤさんから買って貰った腕輪をはめた。

腕輪をはめた私を見た店主はこう褒めた。


「お似合いですよ、お嬢さん。」


そう言われるとなんだか照れくさくなった。

日が傾いて来た頃、私達は屋敷に戻っていた。すると路上で机の上に顔程もある水晶を置いた占い師の老婆に呼び止められた。


「お嬢さん方、ちょっとこっちにおいで。」


旅の中でこの様な輩は沢山いたので私達は胡散臭いと思い無視して行こうとした。


「ほれ、そこの白髪のお嬢さんだけでも良いからこの水晶に触れておくれ、お代は要らないから。」


私は疑いながらもその老婆の言う通り水晶に触れた。しかし、何も起こらなかった。


「やはり、貴方は、、いや、辞めて起きますかな。」


そう占い師は言った。

私を見たイーヤさんは唖然としていた。


「その腰に下げている剣に魔術が仕込まれていたのかしら、でもその源が、、、。まさか、白ちゃんが使っていたのは魔法ではなく、、。」


そうイーヤさんはブツブツと言っていた。


「ささ、そこの背の高いお嬢さんも。」


イーヤさんが触れると水晶は七色に強く光った。


「七色とは驚いた。まさか、すべての属性に適性があるとは。珍しい物をみれた。」


帰る時話はイーヤさんの話で持ちきりだった。

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