買い物
私達の護衛と別れてから、一日が経った。私達は牛歩の如くゆっくりと安全に移動をしていた。
私達は途中でエメラルドグリーンをしたオアシスを見かけた。私は喉が渇いていたのと、暑さと、物珍しさから泳ぎたかった。
「イーヤさん、あそこの湖で少し休憩がてら泳ぎません?」
イーヤさんは少し不安そうな顔をしたが了承してくれた。
私達は湖から少し離れたところに馬車を停めて上に着ていた真っ白なシャツを脱いだ。肌着だけになった私は走って湖の中に入った、時期的に湖は少し冷たかった。すぐ近くでイーヤさんは湖の周りにある白い砂を片手で掬ってそれに少し口を付けた。そんな事をしているイーヤさんに私は声を掛けた。
「何してるんですか。早く水浴びしましょうよ。」
「白ちゃん、これ塩湖って言って塩が沢山水に溶けてるからくれぐれも口に入れないでね。あと、逆にベトベトになっちゃうからあんまり体は入れない方がいいよ。」
そう言いながらイーヤさんは焚き火を準備していた。私は急いで水から出てきて近づいた。イーヤさんは鍋の半分くらいまで塩湖の水を入れた。
「こうやって、塩を水から取り出して料理に使ったりするの。」
イーヤさんは昼食用にお肉を焼いていた。焼けたお肉に湖から得た塩をかけて食べると塩特有の辛さに甘さがのかってとても美味しく、いつの間にかお肉はなくなってしまった。
「どう、美味しいでしょ。だから塩湖で作った塩をたまに市場とかで売ってるんだよね。でもあんまり摂り過ぎて喉渇かない様にしてね。」
そんなこんなで私達は湖の水から塩を採っていた。私はこの水を魚かお肉に染み込ませれば、美味しくなるのでは、と思いもらった干し魚の入った袋を持ってきた。干し魚をその水に漬けて置こうとするとイーヤさんが
「干し魚をその水に漬けてもあんまり意味がないよ。あと、多分それ塩を使って水を抜いたからもっと塩辛くなっちゃうよ、ただの水で戻さないと。」
そう言われたので私は諦めて干し魚を元の袋に戻した。
私達は少ししてからまたイダリヤに向かった。途中の市場で塩を売ってお金を作って、野菜を買ってついでに服も新調した。私はイーヤさんに選んで貰って白い
を買ってもらった。イーヤさんは緑色の服にするか白い服にするか悩んでいた。
「私的にはイーヤさんは緑の方が良い気がします。」
と私は言ってみた。
「でもたまにはイメチェンも良いかなって。あと白は暑くなりにくいから。」
「イメチェンなら今結んでいる髪を解いてみたらどうですか。」
そう言いながら私はイーヤさんの丸く結んであった髪を解いた。すると艶やかな黒髪が背中の辺りまで垂れ下がった。その髪を三つ編みにして前に持ってこさせた。
「わ〜、可愛い♡」
私はつい可愛いと言ってしまった。
「うーん、可愛いけどこの髪ここにあると邪魔かも。」
「じゃあ、なんでそんなに伸ばしてんですか。」
私はついツッコんでしまった。
「これも魔法の為だから仕方ないの。儀式魔法覚えたら使う為にこんなに髪伸ばしてるの。」
「で、結局今は?」
イーヤさんは言いづらそうに
「いいえまだです。」
私は駄々をこねた。
「イーヤさんその髪型にしましょうよ。戦闘時には後ろに持って行けばいいじゃないですか。」
イーヤさんは諦めて、髪型はそのままにした。そして緑色のボディコン型のワンピースで太ももの辺りまで深いスレッドが入った服を着てその上に白い薄いローブを羽織るようにした。
「白獣なんてね。」
イーヤさんは突然そんな事を言ってきた。
「なんですか、いきなり。」
「フフ、いやさあ白獣っていつもこんなローブ着てるから。見てたでしょう、あの長いローブ、速く走るのに邪魔じゃないか。って聞いたらムスッとしてそっぽ向いちゃったのよ。」
そうニヤニヤしながらイーヤさんが話していた。
「そう言えば、イダリヤって”白獣”ことフェイリス・アムニムスの出身なんだよ。そして、私は彼女の両親とも知り合いなのだよ。だからせっかくだし彼女の両親に顔でも出しに行こうかなと。」
とイーヤさんは突然話した。確かに私も”白獣”の両親に会ってみたかった。だから私も付いていくことにした。
私達はその日の内にその街を出てイダリヤ地方最大の都市イダリヤに向かった。やはり、地方最大の都市へと近付けば近付く程人も増えてきた。
イダリヤの城壁が見えてきた。私達は列に並んで検問所を越えた。門を潜ると中も案の定熱かったが壁の外程ではなかった。私達は街の中心に向かって馬車を進めた。
街の中心には塀に囲まれた大きな屋敷が建っていた。私達は道端に馬車を停めて入り口まで歩いて行った。守護所でイーヤさんが、
「師匠が来たと、当主に。」
と言った。警備兵の内の一人が中に走って行った。
「いやはや、大変ですな〜。」
とイーヤさんは走って行く若い警備兵を目で追いかけながら言った。もう一人の老兵が、
「ハハハ!若いのは元気でヨロシイ。イーヤ久しぶりだな、そして全然老けねぇな。」
と笑っていた。
「久しぶりねぇ、あんたはホントに老けたわね。」
と言い返した。
老人同士で世間話をしていて、しばらくするとさっき出ていった警備兵が帰ってきて門を開けた。
私は長い道を歩いて玄関にたどり着いた。玄関には白髪でスラッとした長身の初老の男が立っていた。
色々あって遅くなってしまいました。すみません。今後も更新が遅くなってしまうこと、ここにお詫びします。作品のクオリティは向上させるよう努力します。




