変わったもの
私たちはそれからも変わらない生活をしていた。しかし、私にはどうも引っかかる事があるのでイーヤさんのに聞いてみた。
「イーヤさん、最近セイナちゃん前と雰囲気変わりましたよね。」
「ええ、まあでも環境が変われば人も変わるって言うじゃない。」
「それでもですよ。」
イーヤさんは話しを遮るように振り返って部屋を出て行った。
それから私はセイナちゃんに隠れて一人で探っていた。
とある日の昼下がり。セイナちゃんは木陰で一人で休んでいたので話しかけた。
「セイナちゃん最近どう?なんか最近雰囲気変わったけど。」
セイナは急いで笑顔を取り繕ったが私には分かる。
「最近魔法の特訓がきついんでしょ。毎朝朝から夕方までずっとだから。」
セイナは少し惜しいと言う顔をした。
「まあ、白ちゃんには関係ない事だから大丈夫。」
大丈夫と言っていたが明らかに顔が大丈夫では無かった。そこで私はセイナを見張る事にした。特訓の時や部屋にいる時なども見張っていた。
見張りを始めてから一週間が経つ頃セイナが家の裏手の扉から外に出ようとしていた。私は急いで追跡した。
追いかけていると気付いた頃には夕方の市場が開催されている場所に来た。そこでは肉と野菜を混ぜて甘辛いタレを絡ませたものや串に鶏肉を刺して焼いたものなどがあった。そこでセイナは屋台で何か果物を買っていた。そして、周囲を見渡しこちらに気づくと私に手を振った。私は諦めて彼女の元に近づいた。セイナは私に向かって袋に入ったブルーベリーを差し出して来た。
「大丈夫だよ。あんまりブルーベリーは好きじゃないの。」
セイナは袋を自分の前に持って来て食べ始めた。
家に着いた頃にはお昼になっていた。
午後は魔法の実践訓練なので街の人気のない開けた場所で始まった。
セイナが魔法の詠唱を始めると同時に丸い円が現れてその周りに沢山の文字が現れた。
そして魔法陣が完成して狙いを定めた瞬間大量の水が水鉄砲の様に飛び出した。
それを見たイーヤさんは満足したような顔をして、セイナとガーデン夫婦と私は驚いた顔をしてしまった。
「さすが、私の弟子でもこれだと魔力効率が悪いからそこを詰めて行きましょう。あと魔法の種類を増やして。」
セイナは目を輝かせていた。
特訓終了まであと二十日と迫っていたある日ジェードさんとイーヤさんが話していた。
耳を澄まして聞いてみると、
「もう、分かっているんでしょ。」
「まあな。」
「じゃあ、今日まで泳がせて置いたのは?」
「すまない聞かれているようだ。」
こちらに足音が近づいて来た。扉が開くとき私は咄嗟に聞いていた事を話してしまった。
「そうよね。多分2番目に確信したでしょう。私は魔法陣の文字列をみるまで確信してなかったのだけど。」
「魔法陣って人によって変わるんですか。」
「ええ、と言うか。無意識のうちに使っている言葉があの文字には使われるの。あの年齢だと無意識の言葉と日頃の言葉にそれほど差が出ないはずなんだけど。」
「その言葉に差が出ていたと。」
「ええ、そう言う事。」
「俺は、最初に抱いた時だ。」
私たちはジェードさんに少し引いた。
私たちはセイナの偽物呼び出して詰め寄った。
偽物は笑いながら言ってきた。
「何でわかったのにあんな魔法教えたんだよオバさん。」
イーヤさんの頭に青筋が浮き出た。そして偽物の下に急に魔法陣が出現した。そして私は急いで止めた。
「轢獣の力はな、周囲の空気を潰すからそう呼ばれんだ。」
そう言うとジェードさんの周りの空気が重くなった。
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