32 試験ー7
PVが1000を越えました!嬉しいです!
最近投稿が少なくてすみません......
でも、夏休みに入ったので少し投稿がはかどりそうです。次の投稿はたぶん火曜日だと思います。間に合わなかったらすみません。
私は流人と一緒に建物の中を歩く。だが扉を順に壊しながら進んでいるため、歩くというより破壊して行っている様にしか見えない。なんだか流人が怪獣に見えてくる。
ちなみに、ここは小さな部屋がいくつも繋がっていて、まるで研究施設みたいな場所だった。いや、どちらかというと牢屋だろうか……。こっちに来る前は亜羽様のところで牢獄の警備員をしていたせいか、ここの雰囲気にすごく親近感を感じる。
また、さっきの部屋は机があったり鍵が隠されていたが、それ以外の部屋は特になんの仕掛けもないようだ。
「そういえば流人、さっきから歩くのが速くないか?」
いつもなら私の歩くペースに合わせてくれるのだが、今日は私より少し早めに進んでいく。
「お、おい。待て!」
私は流人の服の袖を掴もうとした。
だが、その手は逆に流人に取られて引き寄せられた。
「へ!? ふ、ふわっ 」
私の口から変な声が漏れた。
「き、急にどうした?」
私がそう聞くと、流人は私を庇うように立ち、後ろを睨んだ。
「おい、お前ら。さっきからずっとついてきて、どういうつもりだ?」
「え!?」
「さっさと出てきたらどうだ?」
すると、さっきの大男が物陰から出てきた。
その目は流斗を鋭い目つきで睨んでいて、まるで今にも飛びかかってきそうだった。
(ああ、さっき絡んできた奴か……まだいたのか。)
そう考えたところで、私は一つ違和感を覚える。あいつが近づいて来たことに全く気づかなかったのだ。
何か能力でも使ったのだろうか?
一応、気配を消すことができる異能力もある。
だが、目の前にいる男は弱そうだ。こいつがこんなに気配を綺麗に消せるとは思えない。
そこで私は気づいた。彼の後ろにもう一人誰かいる。
「あ、あの。こんにちは……」
物陰から小さな少女が顔を出した。
髪は桃色で目は紫がかった桜色で、まるで怯えた小動物のように震えている。
彼女は震えながらも必死に挨拶をしているようで、見ていて健気になってくる。
だが、流人は冷たい目で彼女を見下ろした。
「挨拶はどうでもいい。なぜ俺たちの後ろからついて来ていたのかを答えろ。」
(そ、そんな怖いこと言わなくてもよくないか? 彼女震えているぞ⁉)
彼女は流人に怒られたのが怖かったのか、小さく悲鳴を漏らしている。
「いえ、私はこの人に脅されて、仕方がなかったのです」
彼女は涙目になりながら前に立つ厳つい男を指さした。
「えっ!別に脅してないだろ⁉ 」
奴は反論しているが、そんなの信用にもならない。こいつは厳つい見た目をしているからな。
……片目に傷があるところとか結構怖い。脅されたらいうことを聞かざるを得ないだろう。かわいそうに。
「おい。こんな小さな少女を脅して、かわいそうだとは思わないのか! 最悪だな!!」
「えっ⁉ いや、本当にそんなことしていないぞ!ちょうど近くの場所に落ちたからせっかくだし一緒に行動しないかといっただけだよな⁉」
「うるさい。また転ばされたいのか!!」
「えっ! や、やめろ……」
彼は一歩下がる。
さすがにさっき派手に転ばされたのが応えたのかもしれない。
「お、覚えてろ!!」そう言いながら彼は逃げていく。
「あ、あの。ありがとうございました……」
彼女はきらきらした目で私を見つめる。
「別に、これぐらい礼をもらうほどのことでもないな」
私はちょっと自慢気に胸を張った。
「あの、おねえさまと呼ばせてください!!」
きゅ、急にどうしたのだ!
私はあわてて一歩下がる。だが、彼女は一歩前に出てきた。
「私、おねえさまについて行きたいです。お名前をうかがってもよろしいでしょうか?」
彼女は両手を胸の前で組んで私を見上げた。
「わ、私の名前は綾だ。神野 綾」
「綾お姉様! 一生ついて行きます! 私の名前は利紗です。リーシャとお呼びください!」
私はなぜか、ピンクの髪の少女に懐かれてしまったようだ。




