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16 交換

十分ほど前。


「体を取り換えてくれない?」

リアムさんはそう言っていた。

「どういうことですか?」


「この屋敷に、人の意識を交換する能力者がいるんだ。」

「人の意識を……交換する?」

彼女はニコッと笑って言った。

「ついて来て。」と。


僕はリアムさんを追って歩く。すると、巨大な水槽に辿りついた。

水槽の奥が見えない。いったいどこまで続いているのだろう。

中を除くと様々な色の魚が泳いでいる。

「すごい…」

中には数百メートルは超えるような、巨大魚がいた。

魚の原型をとどめていないようなものまでいる。

ユニコーンのように頭から巨大な角が生えているもの、足や腕がついている魚までいる。

「こんな魚、初めて見ました。」

「ここにいる魚の約半分が、僕の異能で作ったものだよ。」


「半分? じゃあもう半分の魚はなんでしょう?」


確かによく見ると、半分ほどの魚には見覚えがあった。

普通の海にいる、普通の魚だ。


「半分は最初からこの海にいた。…この家は海の中にあるんだよ。」


「海の中…? じゃあ、悪江家の屋敷は、海の中に作ったものなんですか?」

「そうだよ。…僕がこの屋敷を作ったんだ。僕の異能はこの日本海すべてに繋がっている。」

「えっ? 日本海?」

「そう。ちなみに僕の両親は、ここから約⒑キロ離れたところにいる。…僕の父はこの近畿地方の地下に異能を伸ばしている。だから、外に出たらすぐにばれて、連れ戻される。」


「そこで、ばれないように外に出るために、僕と体を取り換えようということなんですか?」


「そういうこと。」リアムさんが得意げに言った。


「なるほど。では先ほど言っていた、人の意識を交換する能力者というのはどこにいるのですか?」

「う~ん。分からない。」

「えっ? 分からない?」

「うん。あったこともなければ、顔も分からない。幹部の一人ということは分かっているんだけれど。」

「えっ? それじゃあ、意識の交換なんてできませんよね。どうするんですか?」


「それは秘密♪」

リアムさんは何も言わずに歩いていく。

すると、永遠に終わりがないと思っていた壁に終わりが見えてきた。


「あれ? ここで行き止まりですか?」



「まだだよ。」リアムさんは壁に手を当てた。

すると、何もなかった場所に部屋が現れた。


「えっ? なんですか? これ。」


「ここはうちの屋敷の治療室。中に入って。」


僕は恐る恐る中に入った。


中はすごく薄暗かった。


リアムさんがどこからか蝋燭を取り出し、明かりをつけた。


それで入口の近くが少し見えた。


中にあったのは丸い円状の部屋だ。

地面に謎の魔法陣のようなものが引かれている。


リアムさんが中に入っていった。


蝋燭の光が中に入り、ようやく中が良く見えた。


「なんですか? これ? 人の血液?」

地面が赤い液体で汚れていた。

その乾き方からして、何年も前についた滲みなのだろう。


リアムさんはそのベッドの滲みを懐かしむかのように小さく撫でた。


怖い。


僕は恐らく初めて、人を怖いと思った。


「寝て。」


「へっ?」


「いいから早く。ここに寝て。」


リアムさんは血まみれの魔法陣を指さした。



「はい。」


魔法陣が地面をつたい、隣のベッドの枕に繋がっている。


 そこに、リアムさんが横になった。


すると、魔法陣が急に光輝いた。


目が覚めるころには、僕はリアムさんと中身が入れ替わっていた。



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