表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/36

15「何か」

「誰だ、お前」

琉人は確かにそう言っていた。…どういうことだろうか?

「おい、何を言う? 琉人。どういうことだ?」

「どういうことも何も、そのまんまの意味だ。…だれだ、お前。古都じゃないだろ。」

私は慌てて古都を見る。

声も顔も服もどこからみても古都だ。


「…なんでそう思ったんですか?」

古都が聞く。


「古都は俺のことを〈琉人さん〉と呼ぶ。お前は琉人と呼び捨てで呼んでいただろ。そもそもしゃべり方や口調、歩き方ですぐに分かる。……もう一度聞くが、だれだ?お前。」


古都は何も言わなかった。


「いや、別に急に呼び方が変わることだってあるだろう。」

そもそも、姿どころか魔力の質だってそのままだ。

さすがにこれで別人なわけがない。私は慌てて古都を援護する。


だが、古都の顔を見た途端、私の意見は覆された。


古都は笑っていたのだ。それも、私たちを見て楽しむような笑みを浮かべていた。

古都なら絶対に見せないような顔だった。

私は異様な雰囲気を感じて、一歩後ろに下がる。


「あ~あ。演技は得意な方なんだけど。」


その瞬間、私たちの体が水に浮かんだ。

急に現れた大量の水に飲みこまれる。

そして、水の中に魚が現れる。


「魚⁉」


空中に五メートルを超える巨大な魚が何匹も現れて、私たちを取り囲んだ。

ギョロっと目がこちらを向く。


「動かないで。君たちを殺すつもりはないから。ついて来て欲しいだけ。」


「ついて来て欲しいだと? どこにだ?」


「さっき言ったでしょ? 隠れ家を用意したから一緒に来て。」


「信用できるか! その前に古都に何をしたか言え。」


「別に信用できないならそれでいいけど、僕を殺すつもりならやめておいた方がいいよ。古都が返ってこなくなるから。」


「どういう意味だ?」


「う~ん。そーだな~。僕について来てくれたら、話してもいいよ。」


「分かった。ついていく。」

琉人が睨みながら言った。


それを聞いて、〈古都の姿をした何か〉は嬉しそうに微笑んでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ