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⑹『街ヘダイヴする』
⑹『街ヘダイヴする』
㈠
街の雑踏へ、ダイヴするんだ、決意するんだ、そう言う意志の様なものは、まだ、自己内に発見出来てはいないのである。にも拘らず、ダイヴが必要な気がしたので、書き始めたこの本小説、街へダイヴする、の為体と言ったらない。
㈡
しかし、何れ、書かねば/書いて置かねば、ならない小説だったように、タイトルを見返して、はっと、我に返り、頷いている自分が居る。そう、確かに、書かねば/書いて置かねば、ならない小説だったのは、明白だろう。
㈢
机上の空論で、物事を停止しているかのような、我々の昨今、ではあるが、何れ、街にダイヴしなければならないのであろう、時間は差し迫って居るかの如く、切迫した感覚が感じられ、俺は、まだ、この小説を終わらす訳にはいかない。