表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

コラム・ミリタリーフィクションに求められるバックボーンとは

作者: 大橋博倖


ファイタースイープと言えばやはり、「オペレーション・ボロ」であろう。


http://www.masdf.com/crm/bolo1.shtml


http://takoba.exblog.jp/16860884/


『 爆弾を抱えたF-105はその護衛にあたるF-4よりも低い高度で空中給油を受けるのが常であった。

 北ベトナム軍は、張り巡らされたレーダー網により、敵機の動きを分析。その動きからF-105と判別した敵編隊に向けて、MIGの編隊を差し向けるようになった。

 米空軍はこれを逆手にとり、F-105が行う空中給油、飛行コース、飛行高度、交信をF-4編隊に行わせ、MIGをおびき寄せることとした。


 オペレーション・ボロと名付けられたこの作戦は、1966年12月22日に立案され、第8戦術戦闘ウイングのロビン・オールズ大佐の指揮のもとで翌年1月2日に実行にうつされた。』


 レーダー。電子情報上で敵を欺瞞するこの作戦の原型はしかし、航空機が兵器として本格運用された最初期、第二次世界大戦は「バトル・オブ・ブリテン」の舞台で早くも萌芽を見せていた。爆装し鈍重なJu-87”スツーカ”の挙動を、低速でよたよたと英国レーダー網上で装うメッサーシュミットの狡猾な姿がこの時点で既に出現していたのだ。


 とまあ、「ファイタースイープ」という一語を取ってもこのくらいの歴史的な背景が存在するが、しかしこの程度は軍事史学上では常識以前の初歩、物を語る際の前提条件に過ぎない、ので、私も逐一言及する事は無かった。何よりそれが、航空作戦全般でも尤も一般的な制空権奪取を目的とした航空撃滅戦の一手法でもあるので。


 何故突然こんな話を始めたかというと、先日某所で、「現代航空戦についての知見を深める方策について」(大意)質問を受けたので、その場でそれなりの回答はしたものの十分では無かったかなと思い直し、自身の見解を纏めてみようと思い立ったからだ。


 まず、私は全然、軍事について詳しくなどない。

 その資格を持つのはそれこそ、「歴史群像」の様な場で執筆する能力を有する様な方々である。上記事例を、私の様にうろ覚えでぐぐり倒してネットから抽出するのでは無く、「オペレーション・ボロ」の一言でああそれならと、手持ちの資料から作戦参加戦力、戦果、航空作戦史上での本作戦の位置付けからその評価迄をすらすらと諳んじられるような人物の事だ。


 しかしまあ、事はフィクションではないか?。いやいや。


 ブレックスだって知っている、いた筈なのだ。何故なら彼は職業軍人なのだから。


 その彼もがあっさりとデラーズ作戦参謀の姦計に謀られたという事は、恐らく熱源反応で示される“ジオン戦爆連合”の欺瞞が余りに鮮やかであったのだろう、という事なのだが、それは作中では「ドクトリン」の一語に匂わせるに留めてある。



 Op.Bagration 17話

http://www.silufenia.com/toukou/Izuno/ss01/017.html

で記述した「ファイター・スイープ」について思う処を少し語ってみた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ