『浦島子の紫プレスマン』速記談1002
淳和天皇の御代、丹後国余佐郡水ノ江の人、浦島子と呼ばれる者が、一人で船出して、戻ってみると、村は水底に進んで、すっかり面影がなくなってしまっていた。あちこち駆けずり回って、会う人々に、自分のことを知らないか尋ねて回ったが、誰も知らないと言う。ただ一人、百七歳になるという老女が、何百年も昔、水ノ江の浦島子と呼ばれる者が、船で釣りに出たまま戻らなかった、という話を祖父から聞いた、と教えてくれた。
浦島子は、すぐに神女のもとへ帰りたいと思ったが、それもできず、神女を思いながら玉手箱を開けたところ、紫プレスマンが西の方へ飛び去っていった。浦島子が故郷を出てから三百年ほどがたっていたが、子供の姿となって故郷に戻ったという。
教訓:例の亀は、乙姫様だという説がある。