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転生魔王の私はいずれ勇者に殺される  作者: 神星海月
第二章:天落星壊

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其の八十五 其れは星を壊すが如く 弐

 

「一閃」


 互いの剣閃から始まった戦い。現状互いに無傷。であるなら。


「起爆剤になろうかっ!」


 突撃、からの前線消失。


「ハッ!」


 テンション爆揚げ!ゲームでも漫画でも。あらゆる創作で使い古された存在! 即ち、ドッペル!


「そっちが()()()()()()()()()()()()なら、影のいない奴らがどう動くかで決まるよなぁ!?」


 やるべきことは唯一つ。セバスを敵の玉座に押し込む。最後は本人たちに任せりゃいい。私達がすべきことは雑兵を蹴散らすことだ。


「はぁ…俺は巻き込むなよ!」


「善処する!」


「しねーじゃねぇか…」


 そうとも言う。が、気にせずガンガン行こう。どうせ上手くやる。っと…!


「みんな!道を切り拓いて!ボスはセバスがどうにかする!」


「承知しました」

「了解」

「りょーかい」


 ふふん。いいでしょう。開拓は私の得意分野ですからっ!


 あっ、せっかくだしアレやろ。


「それと…シオンちゃん!」


「は〜い!?」


 秘技、回旋蛇。海蛇の尾を掴み、ぶん回すだけの簡単技。だがしかし破壊力は絶大!


「……ごめんね!信じてる!」


 ・・・?


「どゆこと?」


「知らん」 


「淡白〜」


「余裕ねぇんだよバカガキ」


 あぁ、そういう。


「や〜い、弱〜いっ!?」


「フンッ」


「バッカお前急に敵を流すのは犯罪だろ!?」


「・・・」


「無視やめろぉ!?」


 とは言っても。


 実際余裕はないんだよねぇ。多勢に無勢。その上敵にはヴィクトリアの影がついている。つまりはそう。


「全員が通常の五倍は強い上で軍隊組んでるの難易度ヘル超えてルナティックだろ」


 あ、名称については個人差あると思う。けど難易度がバカ高いのは伝わるはず。とか何とか言ってたらやばい。


「ジラルド!壁!」


「あぁ? ッ!? それは!ダメだろうがッ!?」


 壁に擬態するように、というか実際壁に埋まる形で隠れてたウォーターレーザー乱射ヤドカリ。その数、測定不能。そいつらが今、一斉に、


ファイアァァァ(不滅の愛盾)〜〜〜!!!!???」

「"守れ"!」


 射撃する。


「〜〜〜〜〜ッッッ!!!」


 鳴り響く重低高音。バンバンキィーンとうるさいのだが!


『ジラルド!せ〜ので動くぞ!狙いをそらして全部避ける!』


 多分だけど、発射タイミングずらしてるから延々斉射が続く、どっかで逃げるしか無い。


「了、解!」


 くっそ!あいつらウゼェ!


 味方諸共とか合理的すぎて涙出る。つうか、コイツラもコイツラよ。このレーザー乱射中に平然と死にながら詰めてくるの頭おかしいと思うの!


『さん!にー!いっち!ゴーォッ!?』


 なんッ!?


 動きが、急に悪く!?


「ッァ!!」


 走れ、走れ走れ走れ!!!


 気合だ!気合で避けろ!よく見て避けろ!


 私は今360°全方位感知できるんだから、体の精密操作さえできれば全部避けられるはず!


「ッたぁ!!あっぶねぇ!?ギリ復帰!」


 マジ盾壊れそ!ウードの守り弱くね!?愛情軽いんじゃねえ〜の?


「とぉっ!?っぶね!」


 ってか何で急に動き悪くなった!?

 ジラルドわ〜お、さっきまでより断然上がってるぅ〜?


「なんでぇ?」


「ッ!黙ってこのクソ岩壊せぇ!!」


「それは、そう!」


 謎はうだうだ考えても謎のまま!今はひとまず放置!


「少し、お手伝いさせていただきます」


「えっ?」


 一陣の風、一帯のヤドカリが全部刻まれた。


「では」


 はぉ?


「っ止まったら死ぬ!」


 いくら数が減ってもむだまだ乱射は止まないのだよ。


 だけど減って多少の余裕はできた。ので!


 ………これ、女でよかったかもしれない。


 この超速三次元戦闘とかまじでタマヒュンじゃ済まないよね…。


 なんて余計なことを考えつつ。


「だぁ!?執事ぃ!全部殺してけやぁ!?」


 なんて誰かの悲痛な叫びを聞きつつ。


「文句言うな!バフ掛けられてる分際でぇ!こちとらバフ消されてんだぞぉ!?」


 私は怒る。


 そう。そうなのだ。私は今、ヴィクトリアからのバフがない!なぜ!?


 さっきのごめん信じてるってそういうこと!?


 でも何で!?バフのリソース配分変えた!?


「〜〜〜♪〜〜♫〜」


 歌ってるぅ!?


「ヴィクトリアが、歌って、るぅ?」


 戦場歌姫!?士気高揚!?もしかしてバフの効果高まる!?


「と、りあえず。よし!お前は殺す」


 止まったのは私。油断したのも私。よそ見したのも私。それで傷ついたのも私。だがしかし。いやだからこそ!


「お前を殺す」


 地上げや地上げ!立ち退きやがれ!できなきゃ死ね。できても殺す。


「乙女の柔肌に傷をつけた罪は重い」


「何いってんだお前?」


「死ぬ?」


「ヤメロ」


 ハハハ。冗談だよ。


「んじゃ、改めまして」


 ピタッと、宙に静止する。


「は?」


 当然、あらゆる攻撃が私に当たり、緑盾は削れ散る。


挽回の(オール)


 周囲の魔力を喰らい、光を喰らい。緑鏡を確立する。


愛鏡(カウンター)


 返されるレーザー。帰り行く魚影。


 自身の周囲を安置とし、全方位に攻撃を反射する。


「全部、殺そうか」


 味方への被害は気にしない。必要ないから。

 ジラルドへの被害は気にしない。面倒だから。

 セバスへの被害は気にしない。そんなもの無いから。


形態変化(モード) 龍人(ドラゴニア) 職業(フォルム) 龍闘士(バスター)


 剣を構築。


「いざ、参ろう」


 ダンッと、一歩踏み出し、駆け抜ける。


「まずは、一つ」


 隠れ潜むヤドカリを全て破壊。剣を投げ敵陣の一角を破壊。


掃射(ファイヤ)


 構築した剣を乱射し、手元に槍を形成。


「ジラルド!カバー!」


 槍を構え、溜める。


 その間およそ三秒。じっくりと溜めて放つのは知る限り最高の乾坤一擲。


若輩騎士の意地(ホラティウス)


 今、道は拓かれた。


 前方、孤軍奮闘中なのはセバス。よくもまぁあんなにイカだのタコだの相手にしながら自分と戦えるよ全く。


「セバス!助けは!」


「必要ありません!」


「あいよ!ジラルド!」


「なんだ!?触手どもの相手ならもうしてるぞ!?」


「そのまま待機!できれば殺せ!」


「無茶言いやがるなぁ!?」


「できそうだから言ってる!」


 相性云々を言えばぶっちゃけ悪い!だって、タンクだし!武器もメインは盾でサブに剣だの拳だのなわけで、触手の相手はしづらいに決まってる。


 が、あいつは何とかする。そんな気がする!少なくとも耐えることはできるだろきっと!


 騎士たちは後方待機。ヒーラーだのサポーターだの負傷者だのを守ってる。だから来れるのは一部だけ。それでも鮫だのイソギンチャクだのは相手できるはずだ。


 だから私は大物狙い。イカタコの裏にいるやつを叩く。叩きたい。けど!


「だぁ!触手邪魔っ!ジラルドちゃんとヘイト獲れ!」


「馬鹿言うな!お前が暴れすぎなんだよ!?」


 っ!?くっそぉ!吸盤うざい!ぬめぬめうざい!打撃通りにくい!剣逸れる!


「帰ったら剣の修行する!」


「帰れたらなァ!?」


「そうだよ!帰れたら!だよ!」


 こぉれかなりまずい。足止めされてるうちにどっかからか敵の補充入ってるし!捕まったら茶の間に流せないようなことになるし!


「無限触手はずるいと思うな私ィ!」


 一体ならいいよ?でもさ、後方に隠れて足だけ延ばして攻撃すんの卑怯どころじゃなくない!?


「っっぅう!!私の得意武器がぁ!拳が利かな~~い!!だから後よろしく、じっちゃん!」


「助っ人が必要────あいよ…」


「元気なくな~い?登場シーンつぶされたからってしょげないしょげない大人でしょ!」


「・・・おう」


 いやぁ、仕方ないよね。だって気づいてたんだもん。


「まぁまぁ!カッコつける必要なんてないでしょ!実力で黙らしゃいいのよ実力で。大概の場合歴戦の猛者的な老人は人気出るからさ!」


「・・・・・・」


「・・・爺さん!触手減らし頼む!防御は俺やる!」


「あいよぉ!ちまちま避けて攻撃すんのにもイライラしてたところよ!全部任せる!」


「はぁ?どいつもこいつも俺の事なんだと思ってやがんだ!?」


「はっは!細かいことは気にすんな!その分の仕事はするぞ!」


 あっれぇ?なんか私無視されてねぇ?


「まあ、いいや。馬鹿どもは放っておこ」


 勝手にうまくやるでしょ。この脳筋ども。


 と、言うことでぇ!


 大物狩りと行くわけですがぁ!


 全体的に戦力は拮抗中!そして敵戦力は原則無限!となれば自由に動かせる駒、あるいは補充の利かない駒が勝敗を決する要因になるわけでぇ!


「今それにあたるのは私とセバスの影、ヴィクトリアの影になるわけですよぉ!」


 そんで以て特にこの戦い決着の最大要因にして最終目標は互いのバッファー!つまりはヴィクトリアとヴィクトリア(影)!


「すなわちイコール!私がヴィクトリア(影)を討てばそれが最高!最善!最良!」


 今回の主人公はセバストリアコンビ?そんなの知らん!私の人生私が主役!よって私の世界は私が主役である!


「だ~か~ら~!」


 地を深く踏みしめ加速。ついでに地面を隆起させて弾き出されるように駆ける。


「ぶっ壊れろォ! カゲェ!」


 最大威力!反動込みの捨て身タックル!相手は消える!


「ッ!?ダァッ!?」


 肩が、影に触れようとして、気づく。


「こんの!馬鹿特性がぁぁぁああああ!!!!!!!」


 体が影に触れた瞬間、身にまとう鎧が剥げる。そして、


「風ぁええええよぉぉお!!!」


 体が。すり抜けた。


「起こせぇええ爆ッッ、轟ッ!!」


 爆発、そして衝撃が体にぶつかり減速。そして壁にぶつかり。


「ぐっふぉおおお!?」


 勢いのままに穴を穿った。

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