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転生魔王の私はいずれ勇者に殺される  作者: 神星海月
第二章:天落星壊

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其の五十九 掃除屋と温泉試練

なんか、キリ悪いのでちょいと長めになってしまった。

 

「わっほ~~い!!わっほわっほ~い!!」


 大漁大漁!!


 右を見ても、左を見ても、上を見ても、下を見ても、前を見ても、どこを見てもモンスターしかいない!


「ここは天国か!?」


「どっちかっつぅと地獄だろ!?」


 どこからか水を差す言葉が返ってきた。


「はぁ?こんなにも遊び相手がいるのに何が不満なんだい!?」


「遊びじゃねぇよ!仕事だよ!」


「仕事ぉ~?何言ってるんだ、殴って、殴って、殴って、拾って、斬って、潰して、ぶつけて、ダンスして!簡単に金を稼げてレベルも上がる!最高のパーティだろう!?」


「だぁ!?狂ってんなぁ!?そもそも!レベル上げってなんだよ!?」


「はぁ?レベル上げって、そりゃあ・・・ぁ」


 そうだ。思い出した。ここは、異世界だ。


「うぁ、うぁあ、うぁあああああああああああ!!!」


 殺しても、殺しても、殺しても殺しても殺しても!!!


「レベルが、経験値が入らねぇ!!??」


「おいっ!どうした!?立ち止まったら死ぬぞ!?気狂ったか!?」


「ハハハ、ハハ、ハハハハハハハハ!!!」


「お、おい!おまえ、さっきからおかしいぞ!?もとから変な奴だったが、まさか変な攻撃食らったんじゃないだろうな!?」


 殺す。


「殺す」


「は?」


「全部。消す。いらない。全部!いらない!」


 経験値の足しにならねぇ奴なんていらない。俺には時間がない。全速力で強く成らなきゃダメなんだ。ソラを、救い出すために。くそったれな神を殺すために。


「だから!死ねよ」



 ☆☆☆☆☆☆


 次に意識を取り戻したとき、そこにいたのはボロボロになりながらも生き残ったジラルドだけだった。


「ぜぇ~、ぜぇ~、おま、え、やりすぎ、だ、馬鹿」


 それも長くは続かず、そう言い残して彼は地に倒れ伏した。


「これは、いったい?」


 辺りを見渡せば粉々になり砂と化した岩と、血のりだけだった。先ほどまであったはずのマグマだまりは姿を消し、空の水底に砂が流れ込んでいる。


「なるほど、な」


 思い出されたのはスタンピードも斯くやという勢いで迫るモンスターの大軍。そして、それを前に剣を振るう赤髪の男の姿。


「赤髪は前世の記憶か。いまいち覚えてないけど、ゲーム内での経験と現実がリンクして、一時的にゲーマー時代にトリップしてたのか?」


 う~んわからん。そもそも前世の記憶が曖昧なんだよな。この世界に来たときは対して気にしてなかったけど、よくよく考えてみれば不自然な抜けが多すぎる。


「今回みたいなゲームの具体的なプレイ内容もそうだし、人間関係も変な感じ。異世界転生の影響か?問題はないけど、今回みたいに暴走したら困るぞ?」


 うんうんと頭を悩ませる。しかし良い案は浮かんでこない。


「まぁいっか。そもそもどうせ全部殺す気だったし問題ないでしょ。ジラルドも生きてはいるし…?」


 なんで生きてんだよ、怖。


「暴走状態でも人間相手には手加減・・・しなそうだよなぁ?」


 え、なんで生きてんの?魔力無しでも精霊融合前の騎士団長は圧倒できてたはずなんだけど…こいつもしかして結構強い?


「こわぁ」



 ☆☆☆☆☆☆


 しばらくが経ち、ジラルドが起きた。回復の妖術はかけたものの、やっぱりもっと即効性のあるやつがほしいなぁ。ウードの使ってたやるのマネだから、どっちかっていうとリジェネ系なんだよね。ヒール系が欲しい。切実に。


「こういうことがあるから魔力だよりはダメよなぁ」


 そもそも、その危険性はどこぞのナルシスト魔王によって身をもって知ってるわけで。思い出したらイラついてきた。魔力封印って何?馬鹿でしょ。もはや負けイベよね。よく生きたな私。


「魔力?」


「あ、起きてたんだった。んでこの後どうする?」


 説明するのが面倒なので適当にごまかすことにする。たぶん気にしないでしょ、馬鹿っぽいし。


「・・・ああ。そうだな、仕事だった掃除は終わらせたし、予定通り温泉でも行くか?」


「温泉!って、仕事って何?」


「ああ?あれだよ、ギルマスが反省としてここの掃除をして来いって言ってたろ?」


「あ~、そういやそうだったね。んで、モンスターの掃除は・・・確かに終わってるわ」


「だろ?」


 モンスターは私が地形ごと滅したから問題はないな!


「・・・でもこれ地形変わって怒られない?」


「・・・大丈夫だろ…たぶん」


 不安だ。


「その時は連帯責任な」


「はぁっ!?」


「当然だろう?僕らの仲じゃないか」


「なんもねぇよ!?」


「うそ、こんなにも激しくしたのに」


「襲ったのはお前だけだろうが!こっちは生き残るために必死だったっての!」


「責任転嫁?これだから男ってのは・・・」


「てめぇも男だろうが!?」


「悪いね、僕性別可変型なんだ」


「気色悪!?」


「あ、全国の性別可変型の人馬鹿にしたね!?死んだわぁ。僕は助けないからね」


「なっ!?そんなのほかにいる訳ッ・・・すいませんでした」


「よろしい。ところでこれ何の会話だったっけ?」


 てか僕意外にも性別可変型の人いるんだ。しかもおそらくこの国に。


「はっ!?そうだよ!こんなふざけた話したかったんじゃねぇっての!温泉行くぞ!」


「ふざけた話って・・・また刺される、よっしゃ行こう!」


 ビバ!温泉!


 ところで昔から気になってるんだけどこのビバって何なんだろ?店の名前だったりすんのかな?



 ☆☆☆☆☆☆


 あそこから少し離れるとだんだんとマグマだまりや岩肌が戻ってきたが、一切の敵に出会うことなく洞窟内を駆け抜ける。どうやらすべての魔物が一箇所に集まってきてさらにその全てを殺し切っていたらしい。普通じゃ枯らせない量の敵がいたんだろうけど、殺意が高いね!


 いつか私もダンジョンとか作ってみたいなぁ。その時はもっと殺意増し増しで…いや、面白さ全振り?いやでもストーリー性全振りっていうのも!


「嬢ちゃん…いや、うんと、小僧…もうなんでもいいか!そろそろ戻ってこい!もう着くぞ」


「えっ!もう!?早いねぇ…もっと大変だと思ってたよ」


 ダンジョン内にある秘湯とか絶対すごいじゃん!だからてっきり待ち受ける門番的なのがいるのかもとか思ってたんだけど…


「待ち受けるボス?あー、いたにはいたが、あんまり強くなかったぞ。俺ともう一人前衛が足止めしてる間に後衛組がドカスカ妖術打ちまくっただけだったな」


「へー、ちなみにどんな見た目だった?」


「ん?確か…岩みたいなの背負ったエビ、みたいな?」


 岩を背負ったエビ…?ヤドカリみたいな感じか、な…?


「それってもしかして、目の前にいる奴みたいな…」


「あ、そうそう。あいつだ。あいつだ?」


 互いに目を合わせて、顔を前に戻す。壁から突き出た巨大な岩から顔をのぞかせ、エビのような手をこちらに向けている。


「おっかしいなぁ!?一回倒してからは何回来ても出てこなかったのになぁ!?」


 その手から、光線のような何かが放たれた。


「どっわぁ!?あっぶないなあ!?」


 何とか回避したものの、攻撃の通った方向を見やればそこには壁に巨大な穴が貫通していた。


「気をつけろ!あいつの馬鹿みてぇな速度の光線喰らったら体千切れ跳ぶぞ!俺は一回なった!」


「マージで!?」


 再びの射出!回避したと思いきや連射!?


「バッ!?ッッッッッカだろ!?」


 マジで馬鹿ッ!お前それは連射していい威力じゃねぇ!?


「私だってちょっと溜めあんだぞこらぁ!?」


 あーはいはいふざけんなコンチキショウッ!!


「あんたたちはいっつもそうですね!強くなったと思えば突然馬鹿強い奴目の前に出して!最高じゃねぇかコンチキショウ!!」


「何言ってのかよくわからんが無事ならよかったぜ!よく聞け!あいつは連射し続けっとオーバーヒートする!だからその隙にあの岩ぶっ壊して中身を引っこ抜く!いいな!」


「りょーかいっ!!」


 さすがに永遠連射はできないと、なるほどね?

 なら、問題ない。一撃でぶっ潰してやる!


「そろそろ行くぞ!」


 連射速度が落ちてきた!今度はこっちのターンが来る!


「まだ!・・・まだ!・・・・・・今ッ!」


 合図と同時に足元を砕き突撃、眼前で大地を踏みしめ体のひねりを加えた一撃を真正面からぶち込むっ!


「な、にぃ!?」


 岩がはじけ飛んだと同時、中身のエビが飛び出たと思いきや、その腹から溶岩を噴射して空を飛んだ。


「ジラルドォ!?」


「俺も知らんッ!?」


 噴射された溶岩が大地を融かし、すさまじい速度でこちらに流れ込む。

 距離をとりつつ見やればそこには新たな岩に収まった奴の姿が。


「オイっ!?どうなってんの!?パターン造れば簡単なんじゃなかったの!?」


「俺も知らん!前回はこんなことしなかった!お前がなんかやったんじゃねぇの!?」


「やってないってのッ!?ッぶねぇなぁこのくそエビィ!」


「口悪くねぇ!?」


「うっせぇ!めんどくさいボスは嫌いなんだよ!」


 時間対効率が悪すぎるんだよこう言う奴ら!

 一回ならともかく何回も相手すんのはだるいから嫌い!


「ったく!シャアねぇなぁ!俺が岩ぶっ壊すから、お前が中身潰せ!いいな!」


「あいよ!今度は失敗すんなよ!」


「うっせ、ともかく、この連射たえねぇとな。死ぬんじゃねぇぞ?」


「そっちこそ!」


 溶岩の連射ビームとか全くもってうざいことこの上ない!

 最初は水だったくせに弾薬替えてんじゃねぇ!


 とはいえ、浮遊にもマグマ使ってる以上残量の減りは先ほどの比ではないはずだ。そろそろ枯れるころだろ?


 やっぱりもう発射感覚が長くなってきた。


「よっしゃ行くぞぉ!」


「・・・待て!なんか変だッッァ!?」


 連射が止まった瞬間腕がドロドロと溶けたかと思いきや、


「バッ!?」


 口から何かが生え、そこから一筋のぶっとい光線が放たれた。


「「うっそだろ!?」」


 迫る光線。猶予は一秒もない。加速する思考の中で一つの名案が思い浮かんだ。


 一瞬、ジラルドに目を向ける。


 驚いた様子を見せたと思いきや、できの悪い笑みを浮かべた。


 なら、信頼に応えようか!


「反射せよ、守護精霊(クラルヴァイン)!」


 妖術とは、世界に干渉し望む結果を得ること、つまりその初歩は、世界に望みを伝えて現象を起こしてもらうことだ。自己完結で効果を発揮する魔力と異なり、世界に伝えるという工程が必要になる。

 私が妖術が苦手だったのはそのイメージを伝えるのが苦手だったから。だけどさ、気づいたんだ。


 ()()()はそんな複雑に考えていたか?


 そんなわけない。つまり、イメージは抽象的でも、


「押し付ければ効果は発揮されるんだよなぁ!?」


 緑の光が光線の中できらめいたかと思うと、その軌道が突如として曲がり、跳ね返った。


「ハッハー!!成功ッ!」


 反射する機構なんて難しく考える必要はない。全部アイツに押し付ければいい。


 すなわち、世界に反射するという現象を伝えるのではなく、反射という現象を引き起こすウードを生み出させればいいって訳だ。あいつのイメージならどうとでもなる。なんせこの体の半分はアイツでできてんだからな。


「なかなかどうして!ふざけた術だなぁ!?」


 跳ね返された水光線をみて即座に岩に引っ込んだエビだが、その宿である岩にはかなりのひびが入っている。


「オラ!お膳立てしてやったんだからしっかり働け!」


「あいあい、全くこれじゃ俺の立つ瀬がねぇよ。まっ、最低限仕事はするけども!」


 ジラルドは地を駆け、マグマの川を飛び越え、時に壁を走り、十分な助走をつけて手に持つ大剣を振りかぶり、


(ダン)ッ!!!!」


 気合い一閃。真上から振り下ろされたそれは岩を断ち切り、その中身ごと両断して見せた。


「っし、終わり!なかなか疲れる相手だったぜ!」


「そうねー、思ったより疲れた。やっぱり慣れないことはするもんじゃないかぁ」


「おう、サンキューな。さっきのはさすがにヤバかった。死にはしないが無駄に出費欠けるとあとで怒られるからよ」


「出費?何さ、あれ何とかする方法でもあったの?」


「いや、策ってほどでもねぇが…アレだ。身体強化して無理やり耐えてポーションでくっつける。経験上体を上下分断されても数分は死なないからな。何とかなりはするだろうって読みだ。ま、こっちのが楽だったし、助かったことに変わりはねぇけどな…ってどうした?」


 ポーション。いわゆる回復薬。なるほど、確かに。瞬間的な回復はしばらくポーションに頼ってもいいかもな。例の人任せ方式でもいいけど、ウードの奴が私にかけた回復ってリジェネタイプしかなかったからできるか微妙なんだよなあ。


「っと、なんでもない。ただ一本くらいポーションも持っとくべきだと思っただけ」


「はあ!?お前持ってねぇの!?」


「うん。一人だからねぇ、取り出して使うとなるとどうしても難しいのよ」


「あぁ、まあそうか。いやでもさすがに一本くらいは持っとけよ。なんかあったとき戦闘後でも飲めるなら飲んだ方がいいだろ?」


 まあ確かに。でも普通に自然再生でもいいような気もするんだよなあ。最近どんどん再生能力上がってるし。あれか?成長期来たか?突然すぎるし身長は変わんないけど。


「う~ん。まあ一本くらいは持つかなぁ。でもま、今はそれよりも!温泉でしょ!」


「いや、置いとける問題か?ホントに。結構命に係わるぞ?」


「どうせこの後帰るだけだし気にしない気にしない!帰ったら買うさ!」


「うーわそれ買わない奴だろ。俺もよくやるから知ってんだよ」


 えー。こいつ人に言うくせして自分もそうじゃん。あれだろ?どうせ何とかなるしほかの奴が代わりに買ってくれるとか思ってんだろ。


「かわいそうなパーティメンバー」


「おい!あれだぞ!俺はそんな迷惑かけてねぇ!」


「この場所ギルドにばらしたのに?」


「うぐっ!?そ、それは…くそ、俺の負けだ」


「ふはははは。僕に勝てると思うなよ。ひれ伏すがよい」


 くっくっく。下々を見下ろすのはなんと気分の良い事か。今ならどんな奴が相手でも怒らない自信があるぜ。


「いやに決まってるだろ。つうかそんなことより温泉入るぞ」


「温泉♪温泉♪」


「お前ホントに温泉好きなのな。どうせすぐ海水でぬれるってのに」


 は?温泉なめんなよ?


「よっしいいだろう!お前には温泉につかりながらその良さについて語ってやろう!感謝しろ!」


「クッソ、めんどくせぇの始めやがった」


「返事は?」


「ハイッ!ヨロコンデキカセテイタダキマス!」


 さて、まずは服を脱いで体を洗って…


「僕おじさんと風呂入るの嫌なんだけど」


「泣くぞ?」


「というか事案でしょ」


「いや、男だから問題ないだろ」


「じゃあ女になるからどっか行ってよ」


「え、俺も入りたいんだけど。結構疲れてるし」


 ・・・いやまあ確かになぁ。ここに来る前は私と喧嘩したし、どっかの騎士と追いかけっこしたし、来てからはモンスターパレードして私と殺しあったし、さっきのヤドカリとも戦ったし。結構連戦してんなぁ。


「仕方ないかぁ。じゃあ入るかぁ」


「おう。んじゃ、まずは温度調整からだな」


「ん?あれまだ入れないの?」


 指さす先にあるのは岩山の窪みに貯まったマグマのように赤い池。特殊な色をしているが温泉の一種ではありそうなのだけれど。


「無理だろ。熱すぎて」


「そうかな?試していい?」


「いいが、先に体洗えよ?」


「当然」


 とりあえず性別を男にしておいてと…でもこれあれだよなぁ。いわゆる男の娘だよな。それはそれで身の危険がありそうでいやだわ。早く成長しないかなぁ。


 と、それはさておき。・・・水どうしよ。


 ・・・ここは妖術に頼ることにする。さすがにアレだからウードには頼らないでやってみる。どうせ今すぐの危険があるわけじゃないし。


「水よ~、水よ~。なんか、いい感じに降り注げ~」


「ざっつ。お前いくら簡易的な詠唱にしたってもうちょいなんかあるだろ」


「え?簡易詠唱?何それ」


「はぁ?お前がやった奴だろうが」


「だにぞ、れ」


 聞こうとしたら雨が降った。土砂降りの雨だ。バケツひっくり返したみたいな。

 それはさておき、


「あ~、わかった。なるほどね?詠唱ってそのままか」


「・・・はぁ」


「なにさ?」


「なんでも」


 こいつ、私を理解すること諦めやがった。別にいいけども。


 ともかく、どうやら詠唱は予想通りというかいつも通りというか、妖術の完成度を高めるためのものらしい。世界により詳細にイメージ伝えるためのものだ。なしでもできるけど、した方が効果上がるしやりやすいらしい。

 んで、その中でも唱えただけで最低限の効果を発揮する詠唱もあって、それが簡易詠唱になるらしい。簡易なのは妖術の効果を高めるための詠唱じゃなくて最低限起動するための詠唱だからだとか。

 つーことで。


「水よ、雨となりて降れ。〈シャワー〉」


 何も起こらない。と思いきや一拍置いてシャワーのように水が降り注いだ。しかし、すぐに止んでしまった。


「よし、成功だ」


 なんとなくやり方はわかったので妖力をつぎ込んで持続力を高めてもう一度唱える。


「〈シャワー〉」


 降ってきた。短縮詠唱も成功。やっぱ龍の素養ってバグだな。潜在能力のパラメーター全部カンストしてんじゃね?


「・・・聞いたことない詠唱だな?」


「そうなの?ま、思いつきだしそういうこともあるか」


 この世界だと馴染みなさそうだもんな、シャワー。


「思いつきでやったのかよ。お前マジで狂ってんな」


「何それ。あんま言うと殺しちゃうぞ?」


「怖いから止めろ。お前が言うと冗談に聞こえねぇ」


「ハハハハハ」


「え、」


 実際冗談じゃないしな。


「さて、入るかぁ」


「え、まじで怖いんだけど!?俺まだ死にたくねぇよ!」


「ハハハハハ、ンなことより温泉だ温泉」


 誰がわざわざお前の相手するか。疲れてんだよこっちは!こちとら日中ずっと町探して泳ぎ回ったんだぞ!


 ・・・今更だけどなんで水面まで上がって確認しなかったんだろ。馬鹿か私は。馬鹿か。

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