表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生魔王の私はいずれ勇者に殺される  作者: 神星海月
第0章:幼龍転生(改稿済)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/111

其の十一 ロールプレイ失敗?

『麗しきお嬢さん!どうか私と結婚していただけますか?』


 ───は?


 その言葉を、私は理解ができなかった。


「我を救いし者よ、汝は我に何を望む?」


『え?んっんぅ! 麗しきお嬢さん!どうか私と結婚していただけますか?』


 ん、んぅ?


「わ、我を、救いし者よ…?」


『麗しき…お嬢さん?』


「何を望む!?」

『結婚してください!』


(あ、これマジだ。マジのやつだ)


 私がうまく聞き取れてないとか、勘違いしてるとかじゃなくてまじで告白されてるやつだ。


(えっ?)


 まじで告白されてるやつだ、ってなに?


(私だって初対面だよね?一目惚れ?一目惚れですか?)


『お嬢…さん?』


 あれ?この世界の生物ってみんな変なの?変な人しかいないの?今のところ出会ってるの亡霊とナルシストと初対面求婚緑光球よ?


『け、けけ、結婚、して…ください!』


「もう聞こえてる!!!」


『はわぁ!?』


 なんか急に気絶したみたいになってるんだけど?ていうか光が滅茶苦茶明滅してて眩しい。


 それはともかくとして。


 結婚。結婚ね?男女が夫婦になるやつね?知ってるとも。知ってますとも。うっ!前世の記憶が…!両親の仲が睦まじ過ぎて困らされた記憶が…!


 というのはともかくだ。龍の結婚については知らなくとも、少なくとも人間の結婚については知っている。だからこそ…わからない。なぜ私は求婚されている?


 一目惚れにしたって普通恋人からのスタートじゃないの?この世界のことはよく知らないけど出会って即結婚がおかしいのは確かだと思う。


「あの、取り敢えず…生きてます?」


『はい!生きてます!』


 うわ、元気だ。なんなんだコイツ。


「えっと…なんで結婚したいの?」


『それは…僕が貴女に恋をしたからです!』


「なぜ?」


『出会ったから?』


 出会ったから?出会ったから、じゃないが?


「怖いんですけど?」


『んぐっ!?怖がらないでよ!わざわざちゃんとお話できるように場を整えたんだよ!もうちょっとこう…ね!あるじゃんっ!ね!?』


 場を整えた、ねぇ?確かに私は助けられたし、なんかここ凄い過ごしやすいしで場は整ってる。お見合い場所として最低限の場は整ってるのだけど…。


「私たちって初対面ですよね?」


『うん?うん』


「そっ…すよね?」


 やっぱり私だけじゃなくて向こうも初対面らしい、けど。


『あ!ええと…えっと!一目惚れ?多分そう!一目惚れってやつ!人間にはよくあるんじゃないの!?そう言うの!』


「いや…あるだろうけど…」


『だよねっ!』


「そのまま求婚はしない」


『えぇっ!?』


 うん。そのはず。一目惚れして、そこからお付き合いだとかなんだとかするために少しずつ距離を詰めるよう頑張る…のが普通?だと思う。


 少なくとも一目惚れした勢いで告白はあんまりない。あったとしても成功しない。だって怖いもん。やられてわかった。めっちゃ怖い。というか初対面でなぜか好感度MAXとか恐怖でしかないでしょ。


「一応言っとくけど…顔も見たこともない人からいきなり告白されても怖いだけだからね?いくら助けられたとしてもそれだけで距離置きかねないくらいには」


『ぅぇ!?』


 あ、なんかさらに死にかけてる。変な声漏らしてるし。


『ぁ、ぁ…ごめ、なさい……』


 え、なんか一気に光が薄く…?


「っていうか消えてない!?どしたの!?なに!?何なの!?」  


『僕は、僕はただ君のことが知りたかった…知りたかった、だけなんだ!』


「うん…?」


『最初に君を見て、君に興味が湧いた。だから助けた。君のことが知りたくてたまらなくてドキドキした。だから、これはきっと…恋、だったんだ』


「うん…」


『でも、君が嫌だと言うのなら…僕にはもう生きる意味はない。君のいない世界にはもう、戻れないから』


 そう言って精霊?はその影を薄くしていった。このままなら、彼は跡形もなく消えるだろうとわかった。わかったから…。


「待て」


『っ!?』


 話はわかった。いや、わからないけどわかった。わかったことにする。だからまずは。


「まずは自己紹介をしよう。私はシオン。シオン・セレスティン。君の名前は?」


『僕、の…名前…?』


「あぁ、そうだ。お前の名前だ」


 あの時、アイツは私にチャンスをくれた。やり直すチャンスを。だったら、私だって。そのくらいの器を見せなきゃダメだろう?


『僕は、ウード。ウード・クラルヴァイン。自由を愛する精霊さ』


 ウード・クラルヴァイン。そんで、やっぱり精霊か。


「じゃあ、ウード」


『んぐっ!?』


「んぐっ?」


 え、なに?死ぬ?死ぬの?こんないきなり?


『シ、シオンが…シオンに…僕の名前をぉぉ…!?』


 私が私にウードの名前を?これは…言葉がおかしくなってる?


 なるほど?つまりあれか。限界化ってやつだ。


「ウード」


『んぐっ!?』


「ウードウードウード」


『んにゅっ…!?』


 あ、死にそう。


 なるほどね。これあれか。推しに名前呼ばれて限界化してるオタク的なやつだ。その場合コイツはなんだ、ガチ恋凸者なのか。ちょっと引いた。


「まぁいいや、戻ってこい」


『ん…ゆぅ…!?』


「帰ろっかな」


『や!待って!?』


 あ、戻ってきた。


『ちょっと、ちょっとだけ時間ちょうだい!ちょっとでいいから!』


 そんな言葉が頭の中に直接伝わってくるのだけど、おかげで慌ててるのがよくわかる。それと、こういう所謂念話は初めてでこんな騒がしくなってても今のところ気持ち悪くなったりはしていない。

 電話とかでも喧しいのを大音量で聞いたら気持ち悪くなるけど電話でそうなっていないのは私が龍だからなのだろうか。


 閑話休題(それはさておき)


『んっんぅ!よし、準備はいいよ!』


「あ、そう。なら、ウードは何ができるの?」


『…ん……何って?』


 あ、すごい。耐えてる。じゃなくて!


「結婚するというのならお互いのことを知るのが先でしょ?」


『確かに!えっとね…えっと…大概の事なら出来ます!』


「大概の事…」


 大雑把すぎて逆に分からない。


『あ、えっと…例えば服とか作れるし傷も治せる。ある程度なら戦闘もできるよ!』


「採用!」


『採用!?』


 よくよく考えてみれば結婚することにデメリットなんてものは存在しなかった。政略結婚なんてのもあるわけだし、無理に互いを愛し合う必要もない。そこそこ仲良くしておくだけで便利な仲間が手に入ると考えれば得だよね。私結婚なんて興味ないし。


「ただし、条件がある」


『条件付きの採用…?』


 ……言い方が悪いな。条件付きの婚約と言えばましになるか?


 じゃなくて。


「一つ、私を束縛しないこと。二つ、どんな内容であっても私に味方すること。それができるなら結婚して───」


『わかった!』


「……早くない?」


『そう?僕はシオンと居れればそれでいいし、そのためならどんなことでもできるよ?もし仮にシオンが悪事を働くならそれを手伝うし、正義の味方になりたいならそれを手伝う。一緒にいるために、愛想を尽かされないために全力を出すのが、その…惚れた弱みってやつでしょ?』


 なるほど。理解した。これは常識で考えるべきじゃない。そういう者だ。ウードは私のためなら何でもできるし、それが当然と思っている。ならば私にとって都合の悪いことなど何も無い。


「それじゃ今後よろしく、旦那様?」


『はぐぅっ!?』


「あ、死んだ」


 ちょっとからかっただけなのに。距離感気をつけよー。それこそ相棒くらいの認識でいとけば問題ないかな?


 閑話休題(それはさておき)


「どうするかなぁ?」


『どうするって?』


「あれ、口に出てた?」


『うん』


 あらら、今後は街にも行くし独り言は減らさなきゃなぁ。今までは独りだったから癖になっちゃった。


「この後、何をしようかなぁって考えてた」


 魔王になるために力をつけるのは大事。だけどそれはすぐにはできない。ゆっくり着実に積み重ねなければならないのだ。だから、その始まりを何にするかといったところ。


『そっか。なら僕にいい案があるよ!』


「なに?」


『僕とデートしよう!』


「断る」


『なんで!?』


 やること思いつかないし採用しようかと思ってたけど止めた。デートなんてしない。なぜわざわざウードのために時間をつぶさなくちゃいけないのさ。私のために時間をかけてくれ。


『新婚旅行だよ!新婚旅行!そのくらいは良いでしょ!それだけしてくれれば満足だから!』


「うへぇ…」


『ね!いいでしょ!』


「うるさい…」


 でもまぁ…デートねぇ?これに案内させて武器や鍛冶屋巡りでもすればいいか?適当に街ブラすれば満足するならいいか。それに、一応は私を氷から救い出した恩人だし。


「わかったわかった。デートね。ちゃんとしたのは期待しないでよ?ただ一緒に街歩くだけで勘弁して」


『わかった!じゃあ早く行こうよ!そろそろこの近くの街で祭が始まるんだ!』


「祭り…」


 祭りか。前世じゃどうだったかな?あんまり覚えてないや。気にしないでゲームしてたかも。


『もしかして…シオンは祭り嫌い?』


「いや?単に行った記憶がないだけ」


『そうなの!?じゃあ祭り初心者だ!?』


「祭り初心者」


 この世界所経験ゼロだから全く否定はできないけど。なんか…不愉快。


「そう言うウードは?初心者じゃないの?」 


『ふっふっふ!僕は毎年行ってるから!上級者だね!何回目かは覚えてないけど、長く生きてるから!』


「そう」


 毎年ね。そんないいもんなのか。というか、そういやこいつって何歳なんだ?


『ちなみに!祭りの名前は蛍祭り!死者の哀悼と幸運を願う祭りだよ!』


「あ、そう」


 蛍ってこの世界にもいるんだ…。


『それと、開催場所は太陽の国の王都!旅人もよく見に来てるから…服さえ作ればシオンでも行けるはず!』


 あ、そうだった。服ないんだった。なんかもう慣れ始めてたけど。


「服ください」


『もちろん!とりあえずの服を渡しとくからちょっとまってね!僕謹製の特別衣装を用意するよ!』


「特製衣装」


『絶対に破れないやつ!』


 絶対に破れない。破れない?なにそれファンタジーでしょ。


『あ、でもダメージは通るからね!ただ肌を見せない様にするだけだから!それと破れない代わりに汚れとかでダメージ表現するからね!』


 なるほどゲーム仕様か。全年齢…全年齢?四肢切り落とされたり血吐いたりでグロにはなるか。


『あ、あと水浴びもね!脱がなくてもいいようにしとくね!浴びるときは非実体化して見た目だけにするから!』


 うわ、さらにゲーム仕様。けどたすかる…と思う。楽だし。


『一応着脱も念じるだけでできるようにしとくね。あと、衣装の見た目を好きに変更できるようにも』


 なにそれ。おしゃれもなにもそれ一個でもういいじゃん。ハイテクすぎる。これが精霊クオリティか。


「それください!」


『待ってね!デザインからしっかりするから!』


「はい…」


 そう言われたらね。文句言えないよね。おしゃれは大事。性能が高くてもクソダサいのは勘弁。ニワトリの着ぐるみきた魔王様とか見たくないもんね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ