嫌いです
「何食べようかな、お腹すいてるし大盛りにしようかな」
「綾乃、確かお前体重気にしてなかったか」
「確かに気にしているけど女の子に体重の話をするなんて。遼くんってデリカシーなーい」
「そうかよ」
俺たち4人はファミレスに来ていた。そう4人で。俺と佐倉と遼平ともう一人…、
「それより。千歳ちゃんは何を頼むの」
「私はパスタにしようと思います」
望月さんも一緒にファミレスに来ていた。
「春斗は決まったか」
「決めた、たらこパスタにする」
「了解、俺はステーキにしようかな」
そうして全員注文を決めていく。そして店員をよんで料理を頼んでいく。
佐倉だけ大盛りを頼んでいた。 よく食べるな。
ちなみにそのことについて遼平がまた何か言いそうになっていたがその前ににらみつけて止めていた。
そして料理を頼み終わり俺は気になっていることを聞く。
「なぁ、どうしてここに望月さんがいるんだ」
「すいませんお邪魔でしたか」
「いや、そういうわけではなくて…」
「うわー、春くんが女の子いじめてる」
「最低だな、いきなりそんなことを言うなんて」
俺の言い方的に望月さんのことが邪魔だと勘違いしたのだろう。すぐに否定しようとするが、幼馴染コンビが茶化してくる。
「違う違う。そういうつもりで言ってない。ってお前らは俺の言っている意味わかっているだろ」
「わかるけどねさすがにあの言い方はどうかと思うな」
「うぐ…。それはすまんと思ってる」
さすがにあの言い方はまずかったか。
「簡単に言えば私が誘ったんだよね。千歳ちゃんとは同じクラスで仲良くなったからどうせならってことで」
「なるほどな」
相変わらずのコミュニケーション能力だな。
「まぁ、無理やり連れてきてないならいいや」
「そんなことするわけないじゃん」
どうだか。まぁとりあえずするべきことをするとしよう。
「自己紹介でもしようか、まだ俺たちの名前を知っているわけではないし。佐倉と仲良くするならこれからも関わる可能性はあるしな」
「そういえばまだだったな。普通に話しているから忘れていたよ。俺は東良良平ていう。そいつの幼馴染だ」
「なるほど。だから仲睦まじく見えたのですね。それであなたは」
「俺は藤川春斗だ。好きに呼んでくれ」
「その名前って確か…」
望月さんは俺の名前を聞くと驚いた様子を見せていた。そのあと小さな声で何か言っているように感じたが周りの音でかき消された。
「どうかしたか何か驚いているけど。こいつの名前何か変だったか?」
「いえ何でもないですよ」
遼平も何か感じたのか質問するがなにもなかったかのように話し出す。
気のせいだったのか。
そうこうしていると料理が運ばれてくる。
「お待たせしました。大盛りパスタの方」
「はーい、私です」
そんな風にみんな自分の頼んだ料理の名前を聞くと手を挙げ料理を受け取る。
そしていただきますと挨拶をし料理に手を付けていく。
「そういえば千歳さんってさ」
遼平はなにか思いだしたように口を開きだした
「何でしょう」
「昨日なんで公園で寝ていたんだ」
「え?」
「……」
そんな質問されるとは思わなかったんだろう。口に近づけていたフォークの動きが止まる。
このタイミングでそれを聞くか。
「もしかして、藤川さんは話したのですか?」
「…すまん」
望月さんがこちらを見てくるので、そっと目をそらしながら謝る。
面倒ごとを避けるためとはいえ、遼平に本当のことを言ったのはまずかったか。
「こいつの察しが良くてな。遼平説明よろしく」
俺は遼平に説明の部分をパスした。
「代表挨拶の時に二人とも一瞬固まっていただ。、何かあるだろうと思ってこいつに聞いたら教えてくれたぞ」
「なるほど、あの時詰まったのは春くんを見つけて驚いていたからなんだね」
佐倉は納得したようにうなずいていた。
「まぁ、そういうことですね。昨日起こしてくれた人がいたのはびっくりしました」
昨日会った人が翌日同じ学校の同級生になるとは思わないよな。俺だってびっくりした。
「それで、公園で寝ていた理由ですね。あの日ちょっと寝不足だったので気分転換に桜でも見に行ったら風が心地よくベンチに座ったら眠ってしまったのですよ」
「確かに春の風って眠たく寝るもんね」
佐倉は同意するように首をたてにする。
「でもよかったな。起こしてくれたのが春斗で」
「そうだよねー。他の男だったらこんなかわいい女の子ほっとくわけないからね」
「俺だったら襲ってるかも」
「それはさいてー」
「…あはは」
遼平の発言に望月さんは引いていた。
「冗談に決まってるだろ」
「馬鹿かお前は。普通そんな冗談は言わねぇよ」
タイミングを少しは考えろよ。
「……ん………ふぅ。ご馳走様でした」
「え、春くんはや!」
「そりゃ、そこまで会話に参加していなかったからな」
「それにしても早いよ私まだ残っているのに」
「それはお前が大盛りを頼んだからだ。っていうよりほとんど残ってないしお前のほうが早いだろ」
大盛りを頼んだのにほとんど食べ終わってることにこっちがびっくりする。
「ゆっくり食べないとさらに体重が…」
「春くんそれ以上言ったらわかってるよね」
すっと利き腕を振り上げて脅してくる。
「お…おーけー」
危機を感じたのでこれ以上言うのはやめにしておこう。
「そんなことより食べ終わったらどうする。どこか遊びに行くか?」
遼平がそんなことを提案してくる。
「私は賛成もっとみんなでお話ししようよ」
佐倉も遼平の提案に賛成のようだ。
俺はどうするか。家に帰ってもすることがないしついていってもいいな。
(パスしたほうがいいぞ)
どうするか迷っていると紡久から断るように言われた。
(今日は久しぶりにこっちで会話したんだ。もしかしたら自分の知らないところで疲れているかもしれないし断ったほうがいい)
確かに、今日は紡久と話すために心の中で会話をした。どこで限界が来るかわからないし紡久の言った通り断ったほうがいいか。
「すまんが俺はパスするよ。久しぶりの学校で疲れてるし」
「すいません。私もやることがあるので」
俺はそれっぽい理由をつけて断り、望月さんも用事があるようで誘いに断っていた。
「そっか。少し残念だな」
しょぼんといった様子で佐倉は残念そうにしていた。
もう少し体力をつけて何とかしないとな。
☆★☆
「じゃあ、また今度遊びに行こう」
そういって俺たちは幼馴染とファミレスで別れる。
ちなみに望月さんの家は俺の家から意外と近いということがわかり途中まで送ることになった。
帰る途中特に話すことはなく帰っていた。
しかし別に息苦しいというわけではなく、俺も望月さんも自然体だった。
そして昨日の公園が見えてくる。すると公園に近づいたところで望月さんの足が止まる。
「…?どうかしたか」
俺は急に止まった望月さんのほうを向く。
「すいません。どうしてもあなたにいっておきたいことがあります」
「ああ、どうした」
「いきなりですいませんが…」
望月さんは少し言いにくそうにしていた。俺は黙って話の続きを聞こうと何も言わずに聞く。
「わたしはあなたが嫌いです」
「は?」
急にそんなことを言われたので思わず声を出してしまう。
「本当にどうした。俺何か…」
「私はあなたみたいな人が本当に嫌いです」
俺の話を聞かずに話をさえぎって続けて言う。そして最初は言いにくそうにしていたが、俺のことが嫌いと言ってからは普通に話すようになっていた。
「佐倉さんや東良さんがいるときは仲がいいように振舞いますがしますが、それ以外の時はできるだけ話しかけないでください。そしてもう一つ私はあなた負けません。それでは失礼します」
そういうと足早に帰っていった。
「本当に急にどうしたんだ。なぁ、俺望月さんに変なことでもしたか?」
(さぁな)
なぜか紡久の反応が少なかった。多分望月さんのさっきの行動について何か考えているのだろう。
とりあえず俺は自分の家に歩き出す。
それにしても負けませんってどういうことだったんだ。どこかで会って勝負したことでもあったのか。
しかし今日初めて関わるはずだ。なのに俺のことを知っているみたいにあなたみたいな人って言っていた。どういうことだ。
考えるが望月さんの真意がわからない。家にたどり着いても考えていたがわからず自分の部屋のベットに倒れこむのだった。




