どういうことだ
昼休み。今日もいつものように4人で昼食をとっていた。
「ふぁぁ…」
「珍しいね千歳ちゃん寝不足?」
口元に手を置きながら欠伸をする望月さんに佐倉…いやクラス全体が反応する。ちらり男子たちの反応を確認する。
「おい、あの望月さんが欠伸したぞ」
「教室で食べててよかった」
「欠伸までかわいいとか本当に完璧な女性だよな」
欠伸一つでここまで騒ぎ立てるとは本当にこの学校一番の美少女になりつつある。
(男ってこんなに単純なんだな)
『まぁしょうがないんじゃないか』
正直紡久の意見に同感だが前にもこんなことがあったしこの反応が普通なんだろと思うことにし視線をもとに戻す。
「昨日は遅くまで勉強していたので少し寝不足かもしれません」
「もう次の勉強を始めているのか」
「そうですね」
遼平の問いに望月さんは頷く。
昨日中間が終わったばかりだというのにもう次の勉強を始めているのはさすがだなと思う。しかし、昨日はバイトもあった。それなのに夜中まで勉強をしているのはさすがに心配する。
「次の勉強を始めるのはいいことだと思うが無理をするなよ」
「春くんの言う通りだよ。それに来週から体育祭の練習も始まるんだしちゃんと寝て中間の疲れを癒さなきゃ」
「大丈夫ですよ。来週までにはちゃんと休んでおきますから」
本当に大丈夫なのかとは思うが本人が平気というのなら大丈夫なのだろう。
「そういえば二人は体育祭の色はどっちだった。ちなみに俺たちは赤だったぜ」
体育祭の話題に軽く触れたからか、遼平は思い出したように質問する。
この高校の体育祭は赤と白の二色のチームに分かれて戦うことになっている。そして俺の色は遼平の発言通り赤だった。ちなみに鈴原さんは白チームだった。
「えぇぇ!うそー…私だけ白側なの」
すると佐倉は残念そうな顔をする。
「もしかして千歳さんも赤なの」
佐倉の言葉からいろいろ察した遼平が千歳さんに聞く。するとやっぱり同じ赤チームだったようで頷いていた。
「まぁどんまい」
「慰め方が雑じゃない」
慰めるが適当だったことがすぐにばれにらまれる。
「いいもん、絶対に白が勝つから」
「頑張れよ」
俺にとって体育祭とは面倒くさい行事だ。なので勝敗について全く興味がない。
それに競技についても中学の頃と変わらず出場しないといけないものにしか出るつもりがない。
なので俺にほとんど関係ないイベントだ。
「あれ何でここに春斗くんがいるの?」
「え?」
いきなりの言葉に驚きその声が聞こえたほうを見てみるとそこには鈴原さんがいた。
「俺がここにいるのって何か問題だった?」
「だって今日体育祭の実行委員は昼休み集まる予定だったでしょ」
ますます意味が分からなかった。確かに昼休み実行委員は集まることになっていたが、俺は入った覚えはないしいつそういうのが決まったのかすら知らなかった。
「そういえば言うの忘れていた…」
「どういうことなんだ」
何か知っていそうな反応をしていた遼平に問いかける。
「実は春斗が休んでいる間にこのクラスの実行委員がお前に決まったんだよ」
「は?」
驚きのあまり口を開けてしまう。
そんな話まったく聞いていないし休んでいる間に決まったのなら俺に当たるわけだろと思うが違うのか。
「あれでもやりたかったんじゃないの」
鈴原さんはありえないことを言った。
そんな面倒くさいことを俺が積極的にやるはずがない。いったい誰がそんなことを言ったのか。
(遼平が少しずつ逃げるように離れているぞ)
「佐倉か望月さん遼平を捕まえといてくれ」
「え、うん。わかった」
紡久の言葉を聞くとすぐに捕まえるように指示すると従ってくれる。すると遼平は「はなせー」と暴れるが女子があてだからか怪我をしないぐらいに軽く暴れていた。
この場面でばれないように離れるとか怪しすぎるだろ。
「鈴原さんそんなことを言った馬鹿は誰だ」
さすがにもう大体予想はできているが、念のため確認する。
「えっと、遼平くんだったかな」
「ありがとう」
軽くお礼を言い遼平のほうを向き睨みつける。
「…でいったいどういうことなんだ」
「春斗顔が怖いぞ」
「だれのせいだと思っているんだ」
「正直すまんと思っている」
悪いと思っているのか申し訳なさそうな顔をする。
そんな顔をするぐらいならしなければよかったのにとあきれてしまう。
「藤川さん気持ちはわかりますがいったん落ち着きましょう」
「そうだよ。いったん理由を聞いてからでも遅くないよ」
鈴原さんと望月さんは俺を落ち着かせるように話してくる。
今の俺そんなに落ち着きがないように見えるのか?
(どんまい)
『それは何に対してのフォローなんだ』
紡久からよくわからないフォローをされる。
俺はため息をつき遼平からこんなことをした理由を聞きだすのだった。




