???の夢と変化
ここはどこだ…。
目を覚ますと知らない場所にいた。周りを見ると顔がわからない男二人が立っていた。
どうやらその二人は話しているようだった。
「君はいつまで頑張るつもりなんだ」
不思議そうな声でもう一人の男に聞いていた。
「全員が幸せになる未来をつかむまでやめません。柏木先輩もそうでしょう」
どうやら質問していた男のほうの名字は柏木というらしい。
「どうだろうな。確かにやり切れたといえるかもしれないが、幸せな未来をつかめたかどうか怪しい」
柏木は悲しそうな雰囲気で答えていた。
「……を過ぎても……はあきらめるつもりはないのか」
「あきらめませんよ」
ところどころノイズが入り聞こえないところがあるが、もう一人の男は何かやることがあるみたいだった。
「俺にはもう時間がないからお前だけになるかもな」
「わかりませんよ。案外次も一緒かもしれませんし」
両者はどこか悲しそうに話している。まるでもう会うことはできないようなそんな感じがした。
「俺から…いや部長から言えることは一つだけだ……、あいつらのこと任せるよ」
その言葉を聞き終えた瞬間景色がすべて変わった。
ここは葬儀場か?
あまり立ち入ったところがない場所なので一瞬迷ったがやはり葬式場だ。
先ほどの柏木という人はいなくなっていたがもう一人の男が呆然と立っていた。
やはり表情はちゃんと見えないが顔から何かがしたたり落ちる。
感じから言って涙だろう。
「なるほどな。何かを変えようとすれば代償が付きまとうものか」
何かを変える…代償…。
俺にはよくわからないがこれが大事なことだと思った。
「なら俺はこれにすら歯向かわないとな」
何かを決心するように涙を払い顔を上げた。
するとここで眠気に襲われる。俺はその眠気にあらがえないままその場で眠ってしまった。
☆★☆
瞼を開けると自分の部屋のベットの上で横になって寝ていた。
…さっきのは夢だったのか。
どんな夢だっだのか思い出そうとするがもう思い出せなくなっていた。
しょうがないので今何時なのか確認しよう体を起こす。
「…まじかよ」
もうすでに昼過ぎになっており俺は驚いた。
(よかった。目を覚ましたのか)
紡久は安堵するように言葉を吐いていた。
『目を覚ましたのかってそんなに寝ていたのか』
(お前気づいていないのか。お前昨日一日中寝ていたんだぞ)
昨日?一日中?
俺は紡久の言ったことを確かめるために日付を確認すると本当に俺が寝てから一日が過ぎていた。
要するに今はあの日から2日目になっている。
『まじか…。さすがに予想外だ』
次の日の昼と思っていただけに驚きは大きい。すると紡久からどこかあきれるような声が聞こえてくる。
(…お前こっちで話すのやめろ。また無理をするつもりか)
紡久にそういわれて気づいた。どうやら無意識のうちに紡久のほうで話していたみたいだ。
無意識のうちに…?
気になったので現実と紡久のほう両方で声を出してみることにした。
『「あー」』
やはりそうだ。なぜだかわからないが簡単に行えるようになっている。
いつも感じてた倦怠感も徐々にたまってくる辛さも全く感じなかった。
(お前今の…)
紡久も驚いたような声を出していた。
こうなったのはあの時が原因だろう。だとしたらあの時紡久はどんなことをしていたのか。
『なぁ紡久あの時何をして俺に異常が現れたんだ』
(確か感覚をすべてリンクできないかと思ってやってみたんだ。そしたら頭を急に抑え始め苦しみ始めた気がする)
すべての感覚をリンクするか…。ならなんで頭だけ痛くなったんだ。次々に疑問が増えていく。
(お前に頭痛が現れたのは俺のせいかもな)
紡久は自分自身を責めるように話す。
『どういうことだ』
(俺には様々な記憶がある。それがお前の中にすべて流れ込もうとしたのかもな)
『なるほど、それをすべて受け止めようとしたが耐えきれなくなったってことか』
確かに何かが流れ込んでくる感覚はあった。きっとそれがこいつの記憶なのだろう。
『こんな風に普通に話せるようになったのは俺とお前の魂か何かの結びつきが強くなったってことなのかもな』
なんとなくまとめたが意外としっくり考え方にまとめれたのではないだろうか。
本当のことなんてわからないが今はこう思うことにしよう。
(…ってこんな話をしている場合じゃないだろう)
紡久は思い出したように声を大きくした。
『確かにさすがに目を覚ましたこと言いに行かないとな』
そう思い立ち上がろうとするとドアが開かれる。
「やっぱりまだおきてない…え!?」
入ってきたのは陽菜だった。俺が起きていないか確認に来たのだろう。
「お…おはよう」
なんて声をかけていいかわからず思わず挨拶が飛び出す。
すると陽菜はふるふると震えそして勢いよくできついてきた。
「起きているなら早く言いに来てよー。本当に心配したんだよ」
そういって少し怒りを含ませながら泣いていた。
その言葉に「ごめん」としか言えず頭をなでる。
この後親にきちんと説明するとこっぴどく叱られたのだった。




