紡久と実験
学校で中間考査の時間割が発表され俺は勉強をしていた。
しかし、少しずつしていた甲斐もありほとんど終わっていた。なので見直しをしたあと俺は紡久と心で話す時間を伸ばすためにベットの上で集中し会話していた。
『だいぶ持つようになってきたな』
(疲れたらすぐに戻れよ)
『わかってるよ』
前までは30分程度が限界だったが体力付けの効果と、話し続けたことにより3時間ぐらいなら普通に話せるようになっていた。
そして使い続けてもう一つわかったことがある。
この方法で話すと体力的に疲れるというわけでわなく、慣れてないからこそ疲れているみたいだ。
ランニングを始める前より話しているのだが少しずつだが話せる時間は伸びていた。きっと普段使っていないところを使っているのだろう。
倒れるからって話さないようにしていたが少しは鍛えておくべきだったなと後悔をする。
『そろそろ半分か』
今話せる三時間のうち半分を使い切ったのでとりあえず一旦感覚を現実に戻し体を動かす。
(体の調子はどうだ)
「大丈夫だ。この程度ならもう疲れなくなったよ」
これなら昔みたいな倦怠感は訪れることなく普段でも普通に使うことができそうだ。
「それじゃもう一つの練習をするぞ」
(了解だ)
そう言って俺は机に移動し椅子に座り問題集を広げる。
そして半分だけ意識を紡久の方に向けもうもう半分は問題の方に集中する。
『とりあえずできているな』
俺は問題をときながら紡久と話していた。
今まで話すときは紡久の方に集中しないと話せなかった。片方しか集中できないということはそれ以外のことをできないということだ
生活していく上でそんなのは不便極まりない。
なので余裕ができた頃に練習を開始したのだがこれが難しすぎる。
意識をあちらに飛ばしすぎると現実で行動ができないし、逆にこっちを優先すると思うだけになってしまう。
少し慣れてきたから今はできているが疲れる速度は2倍だった。
(もうそろそろやめておけ)
『…そうだ…な』
限界が近づいて来ているのがわかったのか止められる。
「ふぅー、やっぱり両方集中するって言うのは変な感覚だな」
(そうだろうな。考えてから動くのと、考えながら動くのじゃ勝手が違うだろうしな)
そう考えるとスポーツ選手って言うのはすごいんだなと改めて思う。
「そういえば紡久が俺の体を動かすってのはできないの」
(試したことなかったな)
「どうせ後は寝るだけだし最後に試してみようか」
できるかどうか分からないができるなら他の方法を考えれそうだと思い試すことにする。
(こっちもどうやるかわからないから時間かかるし、できるかどうかもわからないぞ)
「それでもいいからやってみてくれ」
そう言って俺はベットに寝転がる。
するとやはり初めてのことで苦戦しているのかぶつぶつとつぶやきながら試行錯誤していた。
何気に紡久が悩むのって初めて見たな。
そんなことを思っていると頭に強烈な痛みが走る。
「……ああぁぁ!…」
(春斗大丈夫か!すまんすぐに辞める)
痛みが強すぎて話すことも声を抑えることができなかった。
頭に無理やり何かを流し込まれているような感覚だった。激流のように押し寄せる何かは俺の頭を圧迫するようにどんどん流れ込む。
「お兄ちゃん大丈夫!」
ドアの前から妹の声がする。その声に俺は反応することができなかった。
「勝手に入るからね」
異常性を察知したのか勢いよく扉が開くと同時に陽菜は入ってきた。
「お兄ちゃん!!」
俺がベットの上で暴れているのを見ると急いで近づき手を握られる。
「お兄ちゃん死なないで!」
陽菜は泣きそうな目でこちらをじっと見つめる。大丈夫だと声をかけたいが痛み耐えることに必死でその言葉を出すことができなかった。
まだか紡久…。
さすがに限界を感じてくる。陽菜が手を握っているおかげで意識を保っていられるがいつまで持つかはわからない。
すると紡久声が響く。
(よし、止めたぞ)
その言葉が聞こえると徐々に頭の痛みが治まってくる。
「……お兄ちゃん?」
俺の声が徐々になくなっていきどうなったのか不安なのか震えた声が聞こえてくる。
疲れすぎててこのまま眠ってしまいたいがこのまま寝たら妹に心配させたままのため我慢し妹の頭を撫でる。
「…大丈夫だ」
その言葉を聞くと安心した顔をしていた。
「もう、無茶しないって言っていたのに」
「俺もまさかこんなことになるなんて思わなかったんだよ」
外でこんな事試さなくてよかったと思った。
「お母さんたちにもこのこというからね」
「…わかってる」
いったいなんて言われるか。何も見ていなかったとはいえ陽菜の赤い目を見たらどんなことが起きていたのか大体想像できるだろうし、明日が怖いな…。
そんなことを思っているとさすがに眠気の限界が来る。
「さすがに疲れているみたいだから寝るよ」
「あんなに暴れてたもんね。でも明日どんなことをしていたのか話聞くからね」
俺はその言葉を聞くと瞼を閉じるとすぐに意識が落ちていった。




