再確認
「おはようございます.。藤川さん」
ゴールデンウィークが終わりをを告げ、いつものように学校に向かっていると望月さんから挨拶される。
「……」
正直驚いていた。俺たちは学校で合っても挨拶をしないのに学校の外で挨拶されると思っていなかった。
「何驚いた顔をしているのですか?」
「いや望月さんのせいだから」
「何故私のせいになるのですか?」
まるでわからないといった様子だった。この前からおかしい気がするがどうしたんだ?
いいことなんだろうがいきなりこんなふうに来られると戸惑ったでしまう。
「それより挨拶はないのですか?」
「あ…あぁ、おはよう」
(そんな動揺するなら聞いてみればいいじゃないか)
そ…そうだよな。予想外の変化に戸惑っていたが聞いてみればいいじゃないか。
「あのさなんで急に話しかけるようになったんだ」
「え?」
「前に俺のことが嫌いって言っていたよな。その時できるだけ関わらないでくれって言われたような気がするんだが」
「なるほど様子が変と思っていましたがそういうことだったんですね」
一人で何か納得されるがこっちには何一つとしてわからない。すると続きの言葉が紡がれる。
「単純にあなたのことを誤解していただけです」
「誤解?前から思っていたんだがどこか出会った事があるのか」
ずっと思っていた。話すときは恨むような目線を向けられ、そして俺のことを知っているかのように話す。
実は俺が覚えてないだけでどこか出会った事があるのではないかと。だからといって恨まれるようなことはしてないと思うが…。
確認するが望月さんは首を横にふる。
「私が一方的に知っているだけです」
それはそれで怖いような。
俺の名前なんてどこかに乗ることもないだろうしどうやって知ったんだろうと疑問に思うが深めるようなことはしない。
いつもの一歩踏み込もうとすると自分のことを知られてほしくないように突き放されるからだ。
「だからといってまだ完全に誤解がとけたわけではありませんが、少しぐらいなら関わりを持って良いと思ったので」
「そうなのか」
完全に溶けてないってことはどんなふうに誤解しているかは聞けないな。
そんな会話をしながら学校が近づいてくる。
そうすると当然学生も増えてくるわけで周りがざわめき出す。
「あの、望月さんが誰かと一緒に登校してるぞ」
「しかも男とだ」
「男の方見たことあるか?」
「確か昼食を一緒にとっているやつだろ」
「あんな冴えないやつが望月さんの隣に立つなんて」
男子たちは俺の方恨めしそうに睨んでくる。
(良かったな。学校中に噂しそうだぞ)
今日は地獄かもしれない。
しかも話しているのは男子だけではなく女子もこちらを見ていた。
「あの人と付き合っているのかな」
「だったらいいのに」
「だよねー。望月さんに勝てそうにないし付き合っててほしいよね」
女子も女子で好き勝手に話していた。
「私のせいですみません」
「別に気にしてない。言わせたいやつには言わせとけ」
変な噂が立とうと慣れてるし別になんとも思わない。ここで一番面倒くさいのはあいつらだ。
「ただ教室に入ったら気をつけろよ」
「何をですか」
「絶対に佐倉がしつこく聞いてくると思うからな」
「なるほど、確かに何か言ってきそうですね」
一ヶ月一緒にいてあいつの性格がわかっているのか納得した様子だった。
そうして学校に着くと別々の教室に別れていく。
すると後ろから走ってくる音が聞こえてきた。嫌な予感がする。
(前にもこんな事があったな)
俺は紡久の言葉を聞いた瞬間すぐに振り向き叩きに来ていた手を受け止める。
「あぶねー」
「…よくわかったな」
「前にも同じことしただろ。まじやめろよ」
「ハッハッハッ、次は違う方法で試すか」
遼平はニヤリと何かを企むような顔つきをしていた。
「そういえば、いつの間に千歳さんと仲良くなっていたんだ」
「別に仲良くなってない。いつも通りだったろ」
「いや後ろから見てたけど雰囲気がいつもと違っていたぞ」
「見てたんなら声かけろよ」
あの男子の中にいたのなら助けろよと思ったがこいつのことだから面白そうだから放置したんだろうなと思うと吐息が出る。
「はぁ…。なんか印象が変わったらしい」
「どんな風にだ」
「わからん」
「何だよそれ」
俺にもわからないがいったいどんな風に誤解していたんだろうな。
教室に入ると男たちが一斉にこっちを向く。
もう学校内にさっきのが広まったのか。
「モテモテだな」
にやにやとした顔でこちらを見てくる。
結局今日一日いろんなところで噂されたが望月さんが説明してくれたおかげで次の日にはその噂は消えていた。




