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ゴールデンウィーク④〜ナンパと変化〜

 遼平は二日間俺の家に泊まると満足したのか三日目の朝には家に帰っていった。

 母さんたちは明日帰ってくるという連絡を受けているので今日までは一人だ。


 なので俺はこの静かになった家で久しぶりに休日というものを過ごしていた。


(そろそろ買い出しに行かないと食べるものがないぞ)


 ただやはり時間は有限。自由な時間は紡久の声とともに終わりをつげる。


「そうだよな。流石に買い物には行かないといけないか」


 今日の朝と昼でほとんどの食材を使い切っていた。なので買い物に行かないといけないのだがやはりこの静かな空間が名残惜しい。


 ぐぅ〜………


 どうやらそんなこと考えている暇はないようで俺のお腹の音がなる。


(お腹空いて動けなくなる前にさっさと行こう)


 それもそうだな。そう思うとさっさと買い物の準備を済ませ家を出る。



☆★☆



【あれ助けたほうがいいよな】


 携帯でそう打ち込み紡久会話をする。


 店に向かう途中見覚えのある人物がいた。その人物とは望月千歳だ。ただナンパされているようで二人組のちゃらけた男子がいた。


(それはそうだろ)


 やっぱりそうだよな。どう見ても困っているようにしか見えないし。


 俺はため息を付きながら近づいていく。


「ねぇ〜いいでしょ俺等と一緒に遊ぼうよ」

「すいません買い出しの途中なので」

「なら、ご飯奢ってあげるからさ」


 嫌がっていることをわかってないのか、それとも気づいたうえで押し切ろうとしているのか二人組の男子はしつこくせまっていた。


「すいません。失礼します」

「待ってよ」


 望月さんは強引に切り上げその場をあとにしようとするが男性が手を伸ばし手首を掴む。


「ちょっ…いい加減に…」

「そこら辺にしとけ」


 何か言い返す前に割り込み、望月さんの腕をつかんでいる男性の腕を掴むみはなさせる。


「…なんだてめぇ」


 男性はこちらに目線を向け威圧してくる。


「藤川さん…」


 俺が助けに入ったのが意外だったのか驚いていた。


「ちょっと離れていてくれ」

「チッ、かわいい女子の前だからって調子に乗んなの」


 俺が調子乗ってると思ったのか男は殴りかかってくる。


(後ろからも殴りかかってきてるから気をつけろよ)


 …こいつら馬鹿なのか。


 男の腕を離し横にずれる。するとそのまま男どうしで殴り合っていた。


「「ぐっ…」」 

(うわっ、絶対痛い)


 とりあえず逃げるなら今のうちだな。


 俺は望月さんの近くに行き手を掴む。しかしいきなりの行動で硬直していた。


「逃げるぞ」


 俺の言葉を聞き硬直が解けたのでそのままその場を去る。


 3分ほど走り続け立ち止まり誰もおってきていないことを確認する。


 誰も来ていないし先程からは離れたのでとりあえずは大丈夫だろう。


 望月さんを見てみると肩で息をしていた。しばらくすると落ち着きを取り戻し始める。そして訴えるような目でこちらを見る。


「いつまで手を握っているのですか」

「おっと、すまん」 


 俺はすぐに手を離すと望月さんは乱れた髪を整え始める。 


「悪いな。嫌いな相手と手を繋ぐはめになってしまって」

「助けてもらったのにそんなことは言いませんよ。それにしてもよく助けようと思いましたね」

「どういうことだ」

「私はあなたのことを嫌いと言ったはずです」


 望月さんから説明が入るがそれでもわからなかった。


 確かに言われたがそれと助けないことどう関係するんだ。


 考えていると俺がわかってないことに気づいたのか続けて話し出す。


「普通いきなりそんなことを言ってくる相手を助けたいと思わないでしょう」

「あ〜、そう言うことか。確かに助けたいとは思わないかもな」

(そこは嘘でもそんなことはないと言っておけよ)


 嘘を言っても仕方ないだろう。


「だったらなぜ助けたのですか。自分が危険になるかもしれないのに」

「お前があいつらの友達だから」

「…あいつらって東良さんと佐倉さんのことですか。たすけたことと何の関係が」

「お前が傷つくとあいつらはまでつらい思いをするだろう。だから助けた」


 俺にとってあいつらは俺のことを救ってくれた大事な友達だ。そんな奴らの悲しむ顔なんて見たくない。


(お前って本当にツンデレだよな)


 さっきから話の最中に声かけてくんな。お前とはまだすぐに話せるってわけじゃないんだから。


「あなたにとってあの人たちはそんなに大切なのですね」

「ああそうだ。言っておくがあいつらに俺が今言ったこと話すなよ」

「わかりました」


 こういうところは意外と素直なんだな。


 あまり知ろうといなかったため初めて感じる感覚だった。


「知りたいことは十分だろ。それじゃあ気ををつけて帰れよ」


 そういって俺は家に帰ろうとする。しかし何かを忘れているような気がする。


(お前買い出しに来たこと忘れてないよな)


 そういえば買い出しのために外に出てたんだった。


 自分の目的を思い出し向かう方向をスーパーに変更に変更する。すると紡久から(おいおい)とあきれたような声が頭に響いた。



☆★☆



「なんであなたがここにいるのですか?」


 買い物をしているとさっき別れたはずの人物が立っていた。


「買い出しに来ていたこと忘れていたんだよ」

「そうですか。ならよかったです」


 少しほっとしたような表情を見せる。こいつもしかして…。


「お前俺がストーカーをしてるとでも思ったのか」

「正直思いました」


 正直すぎるだろと少しあきれるが、ふと思ったことがある。


 今こいつ自分から話しかけてこなかったか。


 こんなことは嫌いと言われた日から初めてのことだ。学校内で一緒に昼食をとっていても学校内であったとしても話しかけられたのは今回が初めてだ。


 話の内容はともかくとして。


「どうしたのですか驚いた顔をして」

「…いや何でもない」


 何か心境の変化でもあったのかと思ったが助けた時の一時的な変化なのだろうと思いとりあえずはスルーした。


 しかしこの買い物の量…。


「望月さん結構買い込んでいるが一人暮らしなのか」

「違いますが似たようなものです」

「どうゆうことだ」

「それをあなたにいう必要ありますか」

「いいえ。ないです」


 聞いちゃいけないことだったのかそれとも踏み込みすぎたのか少し強めに言われる。


(お前なんで一緒に買い物してるんだ)


 確かに俺の買い物はほとんど済んでいる。


 なんで俺一緒に買い物してるんだ。


 つい紡久と同じ反応をしてしまった。しかしもうやることが済んでいるなら帰るか。


「じゃあ、俺は買い物済んでるし先に帰る」

「わかりました。それではまた学校で」

「…またな」


 また学校で…か。望月さんに言われると少し違和感があるがそれほど悪い気分ではなかった。










 

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