ゴールデンウィーク②〜手料理〜
(それぐらいで大丈夫だ。それじゃ少し味見してみてくれ)
味見をしてみると流石だなと思う。
そうしていつものように紡久に料理を見てもらいながら完成させていく。
ちなみに今回作ったのはたんぽぽオムライスのデミグラスソースだ。デミグラスソースは紡久から教えてもらった簡単なもののため余り時間をかけず作ることができている。
「本当に料理うまいんだね」
ゲームに飽きたのか先程からじっと料理をする俺を見て感心する佐倉。
奥には一人で違うゲームをしている遼平の姿が見える。
「誰かに教えてもらったの?」
「んー、家族かな」
俺からしたら親友に近いものだと思っているがこの場で言うには少し変なので家族という表現をとる。
「ほら、できたから見てるだけじゃなくて運んでくれ」
そう言うと佐倉は素直に従ってくれる。そしてメインとサラダが机に並べられていく。
ゲームをしている遼平を呼び食卓に座る。
「「いただきます」」
挨拶をすると二人共すぐにメインに手を着ける。一口そしてまた一口と食べ勧めていく。
「やっぱりうまい」
「そうだね。この卵のふわふわとろとろ加減も良くて最高」
そういったあと二人はまた食事に没頭していった。
二人の感想を聞いたことだし俺も食べてみることにしよう。スプーンですくいそのまま口に運び入れる。
「…やっぱりうまいな」
「今日のは自分で言うほどのできなんだな」
思わず口からこぼれた言葉を遼平は聞いていたみたいだ。
(それなら良かったよ)
最近は全く感想を言うことがなかったので久しぶりに聞いて嬉しいのか紡久の言葉に少し高揚があった気がした。
「うーん。どうしたらこんなに美味しく作れるの?」
「お前だって美味しく作れるだろ。変なアレンジさえしなければ」
「そうだよなアレンジしなければ美味しんだよな」
毎年バレンタインになるとチョコをもらうのだが佐倉が変なアレンジをするせいで毎回ひどい目にあっている。
ときにはロシアンルーレットのように辛くするわ、紅茶の茶葉を大量に入れてよくわからん味になるわでこいつの手料理には当たり外れがある。
「この前なんて塩と砂糖を間違えてたしな、あのときは驚いたよ」
「ちょっとそれ言わないでよ」
(なんてベタなことを…)
遼平の発言に俺と紡久は驚いていた。
まさか本当に塩と砂糖間違えるやつがいるとは。あんなの漫画の世界だけだと思っていた。
「…せめて味見はしような」
「…わかってるよー」
そんな談笑をしながら食べ勧めていった
☆★☆
「あー美味しかった。春くんごちそうさま」
「ごちそうさま。久しぶり食べたけどやっぱりうまいな」
(「お粗末さま」)
今回はそこまで凝ったものをではないしレシピも俺のものではないがここまで喜んでもらえるのは意外と嬉しい。
「そういえば佐倉も今日泊まるのか?」
ふと遼平は泊まるが佐倉はどうするか聞いていないことを思い出す。
「流石に泊まらないよ。女子一人で男子二人の家に泊まるのは危機感足りてない人だけ」
「流石にそこはきちんとしてるんだな」
よくよく考えたらそうだ。あんまり女子って感じがしないから平気なのかと思っていたがそこはちゃんとしてるんだな。
「今失礼なこと考えなかった」
「…考えてないよ」
「何か間があったけど」
「気の所為だ」
女子ってどこからその間の鋭さを身につけるのだろう。
「とりあえずさっさと片付けるか」
「それなら俺たちがするから座っとけ」
「いいのか?」
「大丈夫大丈夫、美味しい料理作ってもらったしこれぐらいね」
友達とはいえ任せるのは流石にどうなんだと思ったがお礼ということで遼平たちに任せることにした。
☆★☆
「じゃあ私そろそろ帰ろうかな」
時計を見ると短い針が6時を指す位置に来ていて帰るにはちょうど良い時間帯になったていた。
日も傾き外が暗くなっていたので佐倉帰る準備をし始める
すると遼平は近くに来て話しかけてくる。
「俺たちも途中までついていこうぜ」
「別にいいけどどうしたんだ」
「今日は遅くまで起きてるつもりだからお菓子とかあったほうがいいだろ」
「…普通に寝かせてくれ」
「今夜は寝かせないぜ」
俺はその言葉を聞いた瞬間頭を叩く。
ここまでゾワッとくる言葉もなかなか無いだろう。紡久も聞いていたのか
(うわ…流石にないわ)
ともらしていた。
「急にどうしたの?」
俺が遼平の話し声は聞こえてなかったのか、いきなりの叩いたのを見てびっくりしていた。
「いつものように気持ち悪いセリフ吐いていたから」
「あ〜…」
俺がとった行動に納得した用で呆れた声を出していた。
「とりあえず途中まで送っていくよ」
「え?別に大丈夫だよ」
「今からお菓子買いに行くらしいから」
「なるほど、今日は夜まで騒ぐつもりなんだね」
「そう言うことらしい」
あの一言でわかるなんて相変わらず察しがいいなと思った。
それにしても不器用な奴だな。
そんなことを思いながら簡単に用意を済ませコンビニに向かうのだった。




