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ゴールデンウィーク①

 ゴールデンウィークが始まり約束通り俺の家にやってくる遼平。それと誘った覚えのない佐倉が俺の家にやってくる。


「なんで佐倉まで来てるんだ」

「綾乃に話したら来るって言いだしてな」

「何、私がいたら何か駄目だったの?」

「別にそうではないが、来るなら来るで連絡しといてくれよ」


 さすがにいきなり来られると困るのだが来てしまったものはしょうがない。

 そう思うことにして家に上がってもらう。


「だいぶ静かだけど家族は出かけてるのか」

「そうだな、少し実家のほうに母さんのほうの実家に用ができたみたいでそっちに行ってる」 

「お前は行かなくてよかったのか」

「俺にとっては関係ないことらしいから来なくても大丈夫だってさ。まあ家を散らかさないようにとは言われたけどな」


 俺としては実家に帰らなくて少しほっとしている。何かといろんなことを心配してくる人たちがあそこには多い。それならこっちで遊んでいたほうが気が楽なので俺としては助かった。


「っていうことは遼くんの目的の春くんの手料理が食べられるのは確定したんだね」

「よし!」


 遼平は小さめにガッツポーズをしながら喜んでいた。


(あそこまで喜ばれたらこっちも悪い気はしないよな)


 それはそうだけど、あそこまで喜ぶほどなのか?


「私食べたことないけどそんなにおいしいの?」

「おいしいぞ。俺の胃袋がこいつにつかまれるほどだ」

「その誉め言葉は普通にきもい」


 その言葉を聞いて俺は軽く拒否反応を示していた。さすがに男子相手にその誉め言葉はないだろ。


「それは楽しみ。本当に遼くんは何でもできるね」

「…まあな」


 その言葉は何回も聞いているので慣れてはいるが毎回のように罪悪感があった。

 

 俺はいろんな人になんでもできると思われがちだが実際はほとんどのことができなかった。

 できるようになったのは紡久のおかげだ。こいつがいろんなことを教えてくれるので少しずつ人並み以上にできるようになっている。

 

 このほとんどの技能紡久のものなのに俺が褒められるのはやっぱり慣れない。


(はあー…。何度も言っているが気にするなよ)


 俺の心境を察したのか励ますような言葉をかけてくる。


(それに実際にものにしているのはお前だ。だからその力はお前のものだ。素直に褒められておけよ)


 …本当に小さい頃からこいつにいろんなことを助けてもらっているなと思い苦笑する。


「ん?どうしたんだ」


 俺の表情の変化に気づき少し顔を覗き込むような形でこちらを見てくる。


「いや、何でもない。とりあえず今日は親もいないしリビングで遊ぶか」


 ごまかすようにそう提案するのだった。



☆★☆



「それにしても残念だな」


 レース系のゲームで遊んでいる途中佐倉は突然そんなことを言ってきた。


「どうしたんだよ急に…。おら、くらいやがれ」

「話している途中に危ないでしょ」


 いや今やってるゲームそういうやつだし…。


「で、綾乃は何が残念何なんだ」

「千歳ちゃんも呼んだんだけど用事があるからって来なかったんだよね」


 まあ望月さんは俺のこと嫌っているし来ないのは普通なんじゃないかって思うがこいつらはそのことを知らないので黙っておく。


「千歳さんは俺たちに対して遠慮というかなんか少し距離を感じるんだよな」

「それ私にもわかる」


 それは俺も感じていた。俺とはさらに何歩か離れているがそれとは別によく話すこいつらとも少し距離をとってる感じがする。


「それにたまに何か本音を隠してる気がするんだよね。もっと気軽に接してくれないかな」


 きっとそれは難しいだろうと思う。望月さんは何か隠し事をしている気がする。そしてきっと俺のことを嫌いって言っていたところと関係している気がするんだよな。

 あれが唯一聞いた心からの本音だと俺は思う。

 

「今は気にしても仕方ないだろ。これから中を深めていっけばいいさ。…ってことで横失礼するぞ」


 そういって加速系のアイテムを使い横をすり抜けていく。そうすると先頭に立ちそのままゴールしていった。


「くっそー。油断してた最後の最後に抜かれるなんて」

「俺は最後まで上位に行けなかった」


 佐倉は悔しそうに顔をゆがめ、うまく走れなかった遼平は残念そうにしていた。そんな二人の顔を見ると少し気分がいい


(お前性格悪いな)


 紡久の発言に別にいいだろと思いながら時計を見る。意外と熱中していたようでいつの間にかお昼時になっていた。

 俺は昼食をつくために立ち上がる。すると両腕をつかまれる。


「もう一戦勝負しよう」

「勝ち逃げは許さないぞ」


 お昼の時間に気づいていないのか続きをしようと催促をしてくる。


「そろそろお昼だからいったん離せ」

「ん?いつの間にかこんな時間なのか」

「少し熱中しすぎていたみたいだね。そういうことなら料理よろしく。楽しみにしてるね」

「はいはい、ご期待に沿えるように頑張りますよ」


 そういって俺はキッチンに向かい料理を始めるのだった。  


 


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