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三原色  作者: 高ノ崎
2/7

相談

 今まで樹花は自分が男女問わず誰にも気軽に話しかけられるフレンドリーな性格だと思っていたが、好きな人では例外だった。まさかあの百美に先を越されるなんて思ってもみなかった。樹花は自分が追い越されてしまったという劣等感で悔しかった。

 「なんとしても挽回してやらないと!百美よりも先に!」佑太への好意と同時に、百美に対する強い嫉妬心が芽生えた。樹花は一刻も早く佑太との関わりを持ちたかった。そのため、佑太と百美の関係が疎遠になることを少し願った。中学生の恋など、そんなものだと思っていた。だが佑太と百美はどんどん親密になっていった。

 佑太は最近、機嫌がよかった。それは佑太のクラスメートたちが見て分かるぐらいだった。あるクラスメートは佑太に尋ねた。

 「なんかいいことでもあった?」佑太は、

 「え、そう見えるか?そっかそっか~」佑太の答え方に感づいた他のクラスメートが問いかけた。

 「女子にでも告白されたのか?佑太の機嫌がこんなにいいってことはな~」佑太は少しドキッとしたが、平常心を装った。

 「俺に告白する女子がいると思うか。」ふてくされた言い方で答えたのでクラスメートたちは面白がった。

 「まあまあ。」 「そのうちいいことあるって。」クラスメートたちはこれ以上彼に問いかけることはなかった。佑太と百美は一緒に帰ることがあるようになった。

 「お前と二人で帰るなんていつぶりだろうな。」百美は笑って、

 「いやいや二人で帰ったことないよ~w」百美って意外とノリいいな。頭いいからかな~。佑太の百美に対する葛藤もあったがここは思い切って告白してしまおうと決めたときだった。

 「なあ百美、俺な…」

 「ねえ!せっかくだから二人でどっか遊びに行こうよ。」

 自分の言おうとしたことはさえぎられたが、百美の言ったことで一気に気持ちが高ぶった。

 「佑太、行かない?」佑太は緊張して焦ったが

 「いやいや、もちろん大丈夫だよ。」ひとまず大丈夫だと言った。百美から誘ってくるのは特例中の特例であり、内心嬉しくてたまらなかった。その後は、いつ行くのかなどを大雑把に話し、百美の家の前で別れた。一人になると自分の嬉しいという気持ちが爆発した。

 「あーもう俺最高だわ!」つい声を出してしまったがちっとも恥ずかしくなかった。

 佑太は家に帰り、百美とどこへ行こうか考えた。遊園地がやっぱ王道か?それとも水族館、いや豪華な観光特急!うーんどうしよう。中々決まらなかった。そうだ!小野に相談しよう。小野とは長い付き合いだしな。よし決めた。

 翌日、下校するときに小野と二人で帰ることにしてあの事を相談することにした。

 「なあ、小野。」小野はいつものような空ぶった声で「うん?」といった。

 「いやそのさ、あの、俺さ今度さ、百美と一緒にどっか行こうかで迷っててさ。」さすがの小野もそれを聞いて驚いた。

 「ええ!百美とか、マジかよ。ま、さ、か?」いやらしい感じで言われ、体が熱くなったが小野には事細かく話した。

 「誰にも言うなよ。まあお前だから大丈夫だと信じてるからな。」小野はいつもの口調で

 「そうだな、俺もすぐにそういうの忘れるし。まあ百美と行くんなら水族館でいいんじゃない?」

 「小野はそう思うか。じゃそうしようかな。ありがとな。」そして小野の家の前で別れた。

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