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ために

作者: タマネギ

雲に霞んだ三日月が

今日は仕事に行くのかと、

眠そな声で囁いた。


夜明けが近い空だから、

そろそろ沈んでゆくのかと、

返事の代わりに呟いた。


わかんない、わかんない。

自分のことなど、わかんない。

あるために、ないために、

時の流れに浮かんでる。


冬至の頃に眠り込み

正月になり春になり、

起き出したなら働ける。


このまま眠い目をこすり、

三日月の下、バスを待つ。

暮らしの向こうまだ続く。


わかんない、わかんない。

自分のことなど、わかんない。

あるために、ないために、

時の流れに浮かんでる。


行ってきますと言えなくて、

おはようさんと言えなくて、

遠い誰かを諦める。


雲に隠れた三日月も

いつしか何も囁かず、

生ぬるい風のさようなら。


わかりたい、わかりたい。

自分のことなら、わかりたい。

あるために、ないために、

時の流れはどこまでか。


生きているなら迷うもの。

生きているから見えぬもの。

月の満ち欠けその間。


働く間の自分なら、

三日月みたいになったって、

また満ちながら巡る空。


わかんない、わかんない。

自分のことなど、わかんない。

あるために、ないために、

時の流れに浮かんでる。

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