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僕のクラスは普通じゃない  作者: Noritama
2/2

2日目



ー朝ー

 いつものようにベットから起き、いつものように朝食を食べ、いつものように身支度をし、いつものように学校へ向かおうと玄関ドアを開けると、いつもとは違う光景が視界に入った。

「よお!10分待ったぜ!早く学校行かないと遅刻するぞ!」

「なんでいるんだよ、遼。」

彼の名前は三橋遼みつはしりょうという。勉強こそできないが、運動神経はバケモノ。月斗からしては人間だと思っていない。なぜなら、握力60kgあることや、50m走5.92秒や体力テスト全国1位を取るなど、常人ではないからだ。彼は本当に中学3年生の人間なのだろうか、本当は宇宙人なのではないだろうか。

「いや、久しぶりに一緒に学校に行こうと思ってな」

「急だな」

遼とは小学校からの付き合いだ。優しく、面白いやつで、ゲームが好きということで意気投合した。

学校ではよく話すが、遼が朝練に行くようになってから一緒に学校には行ってない。

「今日は朝練無いのか?」

「ああ、大会が中止になったからな」

遼は野球部のエースでバッターでは3番を務める。4番でないことが惜しいが、後輩に上手いやつがいるんだそう。球速は130kmを出し、打撃は120mの飛距離を飛ばす。バケモノだ。

それから、遼と最近の出来事を話しながら学校へ歩いてった。

学校に着いて席につくと、机の中に何かが入っているのに気がついた。その「何か」を机の中から引っ張り出すと、見た瞬間吐き気がした。その「何か」とは、

「果たし状」 水本楓 朝、この紙を見たら屋上に来い

よくある呼び出し状だなとは思ったが、この状況は相当マズイ。楓は柔道で全国でもトップレベルの実力を持っている。そんな人と戦ったら、負け確である。どうにかして戦いを避けなければ、ケガは免れないだろう。しかし、逃げてもっと怒らせる訳にもいかないので、仕方なく行くことにした。

恐らく、楓が怒っているのは、昨日の放課後の事だろう。素直に謝れば許してくれるだろうか。

そんな事を考えながら階段を上っていくと、気がついたらもう屋上へのドアの目の前に到着していた。

ガチャ

勢いよくドアを開けると、屋上のさくに寄りかかって楓がこっちを見つめていた。

「何で呼び出した?」

「分かってるでしょ」

やっぱり昨日の放課後の事か、と言葉から想像する。

「それで?ボコボコにしようって?」

「いや?」

「は?」

殴られる覚悟をしていたのに、予想外の返答に頭が思考停止してしまう。

「今なんて言った?」

「別にボコボコにする気はない、ただ話がしたかっただけ」

月斗は呆れた。心の底から呆れた。もっとマシな呼び出し方は無かったのかと追求したい。

「お前さ、果たし状の意味分かって使ってる?」

「呼び出す時に使うやつでしょ?」

全然分かっていなかった...果たし状は決闘を申し込む時に使う言葉なのに...いくら数学が学年トップでも、語彙力は崩壊していた。

「とにかく、話ってなんだ?」

「今日は残るの?」

「残ってやってもいいぞ」

「マジ?やったー!でもなんで?」

「ゲームの更新が今日はないから」

「このままずっと更新が来なきゃいいのに」

「唯一の生き甲斐を無くすな」

「ふっ、冗談だよ、まあいいや、教室戻ろ」

教室に戻って席につくとあっと言う間に6時間分の授業が終わった。今日は全ての科目が教室なので、移動もなかったからだ。恐らくトイレも行ってないので、ずっと座っていたということだ。

「あ〜腰いてぇ」

「今日なんかずっと座っていたよね」

「なんかぼーっとしてた」

「ま、もう放課後だから、いよいよお楽しみの時間だね」

「はいはい」

素っ気なく返すと、楓はカバンの中からトランプを取り出した。そう、お楽しみとはトランプで遊ぶという事である。以前、放課後に暇を持て余していた時に、楓に誘われて神経衰弱をしたところ、月斗の圧勝で決着がついた。そしたら次の日から月斗に勝つためにこうして毎日放課後トランプで勝負しているわけである。つまり、楓は負けず嫌いである。

「じゃあ始めよっか」

じゃんけんの結果、俺が先攻、楓が後攻となった。

・20分後

「あー!また負けた〜」

「危ねー、途中記憶が曖昧になって負けるかと思ったぜ」

「これで28連敗か...」

「そろそろ1ヶ月だな」

懲りない人である。実際、トランプは幼少期からずっと触れていたので、結構得意だった。だから楓が勝てないのも無理はないのである。

「じゃあ、帰るぜ」

「うん」

楓に別れを告げて校舎から出ると、グラウンドで遼がピッチングをしていた。

速い球である。変化球も鋭くて良い。プロでも通用しそうな感じだ。

「よお、遼はまだ部活?」

「ああ、あと30分くらいで終わるぜ」

「そうか、じゃあ先に帰ってルーム作っておくわ」

「オッケー」

遼とはゲーム友達だ。ほぼ毎日一緒にゲームをしている。ちなみに、俺のほうが上手い。

家に帰って自分の部屋に向かうと、1枚のメモが置いてあった。

{今日は飲み会。夕飯は自分で作って食べて。父より。}

「はぁ、ったくしょうがねえな」

今は5時を回ったところだ。夕飯にしては少し早い。

「レトルトカレーにするか...」

棚からレトルトカレーのパックを取り出してキッチンに置いておく。

そろそろ遼の部活が終わった頃だろうか。ゲーム機の電源を付けると、「リョウ*オンライン」とフレンドのところに出てきた。迷わずルームに招待する。

「よお、声聞こえてるか?」

「聞こえるー」

お互いに声が聞こえる事を確認した後、1時間ほどゲームを楽しんだ。

「じゃあ、また明日なー」

「おう、またなー」

ゲーム機の電源を切って、キッチンへ向かう。レトルトカレーの箱を開け、四角いフライパンに入れて、水を入れて沸騰させる。3分くらいたって、中身を取り出して予め用意していたご飯にルーをかける。

「熱っ」

作りたてなので、めちゃくちゃ熱い。火傷したかと思ったくらいだ。

その後食べ終わった後、風呂に入って、さっさと寝た。明日は体育の授業があるので、早めに寝たのだ。

そして月斗は1つ忘れている。目覚まし時計をセットすることを。

                 =2話終=

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