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僕のクラスは普通じゃない  作者: Noritama
1/2

1日目

はじめに、この作品をクリックして頂き、誠にありがとうございます。

この作品は日常系ストーリーとなっておりますので、親近感を持って読んでいただくと楽しく読めると思います。初めて作った作品なので、文章がおかしい、読みにくいなどあると思いますが、ご了承下さい。

こんなクラスになりたかった?いえいえ、あなたも主人公です!月斗達と一緒に面白い生活を楽しんで下さい!



「眠い。眠すぎる。」

 今にも落ちそうなまぶたを擦って松風月斗まつかぜつきとは言った。恐らく少しでも目をつぶったら、夢の中へ入っていってしまうだろう。今は13時30分。5時間目の授業だ。昼食後の授業なので、月斗に限らず他のクラスメイトも顔をコックリさせながら眠気に耐えている。

「おい、起きろ」

 突如、先生の太い声が聞こえてクラスが静まり返った。しかし、そんな静寂の中でかすかに寝息をたてている者がいる。水本楓みずもとかえでである。彼女は、学年の中でも1か2を争うほどの美少女で、勉強がよく出来て、クラスの中で最も人気のある人である。しかし、何かとつけて先生に対抗するので、先生達からは嫌われている、ある意味問題児だ。しかし、テストでは確実に90点以上を取ってくるので、先生達からは一目置かれている。

「おい、聞こえないのか?」

 またしても先生の太い声が鳴り響いた。すると、楓がむくりと顔を上げた。

「はいはい、聞こえてますよ〜」

「先生に向かって何だその態度は!」

「だって先生の授業、面白くないんだもん。眠たくなって当たり前だよ。」

「何!?」

 確かに、この授業は面白くない。しかし、だからといって先生にそのまま面白くないと言ってしまうのは、さすがに月斗には無理だった。まず、陽キャでも陰キャでも無い自分が言ったら、恐らくクラスメイトから変な目で見られるだろう。楓は、普通じゃ言えない事を、ズバズバ言ってしまうので、こちらも気分はいいのだがたまに言い過ぎじゃね?という事もしばしばある。

「もういいです、面倒くさいので。どうぞ授業を再開してください!」

「生意気な!じゃあこの問題を解いてみろ!解けたら今日の宿題も無しにしてやる。」


   (√3+√5)2の小数部分をXとする時、X2+14Xの値を求めよ。


 先生が問題を言い終わった瞬間、楓は目をつぶった。楓が計算をしている時の癖だ。楓は今、この問題を暗算で解こうとしているが、他のクラスメイトにはこの問題を暗算では無理である。月斗も解こうと、ノートにシャーペンを走らせたと同時に、楓は口を開いた。

「11」

「なっ...?!」

「はっっっや」

 さすがに解けないと先生は思っていたのだろうか、目を見開いて驚いている。さすがは楓である。数学、学年1位は計算速度が異常だった。もはやコンピューターと言ってもいいのではないだろうか。

「やった〜!これで今日も宿題無しだ〜!」

「ヤバwこれで2週間連続宿題無しじゃんw」

「もうこれから宿題無しで良くね?w」

「それはえぐいw」

 宿題無しになった事で、クラスが盛り上がっている。いったい、いつになれば宿題のある日がやってくるのだろうか、そう月斗は呆れていた。


ー放課後ー

「やっと学校が終わった..」

 長い長い学校が終わり、月斗が帰る支度をしているところだった。

「月斗ー、今日も放課後残るの?」

後ろから声を掛けられ、振り向くとそこには先程異次元なスピードで計算し、見事先生を返り討ちにした水本楓が立っていた。

「今日は残らないよ。早く帰ってゲームしたい。」

「えー!せっかく今日も放課後に月斗とラブラブな時間を過ごそうと思ってたのにー!」

「そんなバカみたいな妄想に付き合っている暇はない」

「酷い...彼女を突き放すなんて...」

「いつから俺達はそんな関係になった!?第一、表現がおかしいだろ!どこがラブラブだよ!?ただ教室で遊んでいるだけじゃねーか!」

「んーイチャイチャ的な?」

「殴るぞ?」

楓の妄想に付き合いきれなくなった俺はその場を立ち去ろうとカバンに手をかけた。

「誰が帰って良いって言った?」

「帰るも帰らないも俺の勝手だろ」

「この場の決定権は私にある」

「んじゃ、強行突破だな」

「出来るならね」

そう言うと楓は俺の前に立ちふさがった。それを俺はフェイントをかけて余裕で突破した。このまま走って、

教室の後ろのドアから出ればもう勝ちゲーだ、とドアに手をかけたその時、楓が俺の右足にスライディングをかましてきた。なんて奴だ、と思ったがそれをジャンプで軽々と避ける。楓が立ち上がる前に逃げよう、とドアを開けて出ると右手に違和感を感じた。カバンが無い。

「これ、いらないのー?」

楓はブラブラと俺のカバンを揺らして見せつけてきた。卑怯だ。窃盗だ。犯罪だ。

「おい、盗人、訴えるよ?」

「ちょ、何その言い方、あとそれはやめてよー」

「じゃあ返せ」

「だって返したら帰るでしょ?」

「帰る」

「じゃあ返さない、カバンも、君も。」

くだらない事をほざいているが、こっちだって早く帰ってゲームがしたい。無駄な時間を過ごしている暇などないのだ。今すぐカバンを取り返して帰りたい。しかし相手が盗人だ。そう簡単には返してくれない。どうしよう。

「秘密バラすぞ?」

「は?」

「そのカバンを今すぐ返さなければ、お前の秘密をバラすぞ」

「なにそれ、脅してんの?」

「あぁ」

「困ったな〜秘密はバラされたくないな〜」

「どっちか選べ、返すか、バラされるか」

「もう、しょうがないなー今日は見逃すよ」

何様だよ、と思ったが、一刻も早く帰りたかったので、ツッコまない事にした。

その後、家に帰ってゲームを2時間やり、学校のめんどくさい課題を終わらせ、風呂に入って寝た。

本当なら、毎日この学校終わってすぐに帰宅してゲームをして、テレビを見て、課題を終わらせて寝るというごく普通の生活をしたい。月斗は別に面白い生活をしようとも、過酷な生活をしようとも願っていない。ただ、生きているだけでいいのだ。それだけで幸せなのだから。しかし、今のクラスにいる限り、普通の生活は出来ないだろう。クラスが普通じゃないから。

                 =1話終=

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― 新着の感想 ―
[良い点] ・月斗の心の中で言ってることが面白い ・会話が実際にありそう [気になる点] 設定がしっかりしすぎている [一言] 普通の生活過ごしたいとか言ってるけど、普通ってつまらないよ
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