表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

後編

 今私達はギトの街の迷宮の14階層で活動している。


 ここが私の活動できるギリギリの階層だ。


 迷宮は5階層毎にモンスターの強さが上がる。


 今でも10体を超えた時の対処は命懸けだ。

 幾度となく危ない場面があった。


 彼からは何度もパーティーメンバーを増やそうと提案された。

 私はその度に首を横に振った。


 彼との2人の時間を邪魔されたくないという想いは否定はしない。

 だけどそれ以上にヨシユキはこんな中級下位の迷宮に縛り付けていい人ではない。

 もっと上を目指せる人なのだ。

 上級の迷宮にだって挑戦できるような人だ。


 私のヨシユキは……



 私は意を決してそのことを彼に伝えた。


 ちゃんと笑顔で伝えられたと思う。


 たくさん目から涙が出てたけど笑顔だったはずだ。


 彼は『必ず迎えに行くから待っていて欲しい』と言ってくれた。

 その言葉だけで十分だ。


 だって、


『男の冒険者の言うことなんて信じちゃいけないよ』


 と、30過ぎても独身だった先輩冒険者が言ってたから……




 私は彼と別れてすぐにギトの街を発ち故郷に帰って来た。


 だけど実家には帰ってない。

 帰ると農家に嫁に出されるからだ。

 しかも私の年齢だと長男に嫁ぐのはまず無理だ。

 農家の次男三男に嫁ぐのは最悪である。

 生涯に渡って長男家族にコキ使われ、酷い家だと長男や父親の相手をさせられる。




 私は今故郷の近くの小さな町で冒険者を細々と続けている。

 若い子を指導しながら初級の迷宮に潜るのだ。


 風の噂で上級迷宮を次々と攻略しているパーティーには黒髪の小柄な青年がいることを聞いた。











ー3年後ー


 私は冒険者を辞めた。


 街の郊外に家を建てた。


 お腹の中の新しい命を感じながらこれまでのことを想う。


 家の裏で苦労しながら不出来なベビーベッドを自作しているヨシユキとの子だ。

最後まで読んで頂きありがとうございます。


短いですが2作目の小説です。


思い付きで書いてしまいました。


気軽に感想頂けると嬉しいです。(なろうにログインしてなくても感想書ける仕様にしてあります)




『異世界ライフは山あり谷あり』も読んでみてください。

こちらは男主人公で長期連載となっております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ