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俺のハクスラ異世界冒険記は、ドタバタなのにスローライフ過ぎてストーリーに脈略が乏しいです。  作者: ヒィッツカラルド
【第四章】ショートシナリオ集パート①
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4-28【巨漢の魔女】

キルケがちっちゃな可愛らしい手斧をブルンブルンと振り回しながら俺に迫って来る。


決してキルケが持っている斧が手斧だからって小さいわけではない。


キルケの体格が大きすぎて手斧が小さく見えるのだ。


これは目の錯覚ではないだろう。


「デ、デカイババァだな……」


「きぇぇえええ、あたしの魔力で捻り潰してやるわよ!!」


「もうさ、その攻撃は魔力は関係ないだろ。腕力だぞ!!」


キルケが鬼婆のような表情で迫り来る。


いいや、鬼婆そのものだ。


俺はショートソードを片手に、その手斧を防御していた。


ショートソードがハチェットで弾かれるたびに俺の腕に痺れが走る。


ひぃやーーーー!!


すげぇーーーー!!


こえぇーーーー!!


もうドデカイババァ~が悪鬼羅刹の表情で丸太のように太い腕を振り回しておりますわ!!


何よりリーチ差が酷いですわ!!


このドデカイババァ~は腕が長過ぎだわ!!


てか、俺と体格が違いすぎる!!


カンっ!!


「あっ!!」


俺のショートソードが弾かれて飛んで行った


すげーパワーだよ!!


俺はすぐさま異次元宝物庫からショートスピアを取り出して構え直す。


「ほほう、坊や、異次元魔法を心得ているのかい。若いのにやるわねぇ!」


このババアは異次元宝物庫を知っているのかよ!?


これってドラゴンの秘術だろ!


それよりも今は──。


「こうなったらリーチで勝負だぜ! えいっ!」


俺はショートスピアでドデカイババァ~を突きに出る。


しかし──。


カンっ!!


「あーーーー!!!!」


俺のショートスピアまで弾かれて飛んで行きましたわ!!


なに、このドデカイババァ~わ!!


すげーパワーだよ!!


俺だってマジックアイテムで腕力を向上しているんですよ!!


なのになんでこんなにアッサリキッチリモッチリとパワー負けするかな!?


あー、モッチリはよけいか~。


「ちょこまかとうざったい小僧だね~」


言うなりドデカイババァ~は口元にタバコを吸うようなポーズで片手をVの字にして近付けた。


そして二本の指の隙間から息を吹き付ける。


「ふうっ!!」


どわぁーー!!


口から火を吹いたぞ!!


このドデカイババァ~は本当に魔術が使えるのかよ!?


パワー一辺倒じゃあないのね!


これじゃあ魔女じゃんか……。


いや、そのまま魔女か!?


あぁ……。


火が家に引火したよ?


猫たちがわんさか逃げ出した。


あーれー、あっと言う間に大炎上だわ。


「オーノー! あたしのお家が燃えているわあ!!」


「隙有りだぜッ!」


俺はドデカイババァ~の隙を付いて、腰からダガーを取り出して投げ付けた。


ダガーが命中してキルケの背中にブスリと刺さる。


「痛いわねぇ~」


火事に嘆いていたドデカイババァ~が、ゆっくりと憤怒の表情で振り返った。


その老いた表情からはどす黒い暗黒のオーラが揺らいでいた。


背後の炎が老婆の表情を引き立てている。


「こわ!!」


やっぱりこのババァ~こえーよ!!


てか、投げダガーは効いてませんよね!?


背中に刺さったのにたいして痛くないんですよね!?


「良くもあたしのお家を燃やしてくれましたね~。もう怒りましたよ!!!」


ゴゴゴゴゴォォオオオって効果音が聞こえてきますがな!!


それに家を燃やしたのは貴方ではないですか!


それにずっと怒ってますよ、あなた!!


それにダガーのダメージより火災の怒りのほうが大きいのね!!


「これでも喰らいなさい!!」


ドデカイババァ~がハチェットを足元に投げ捨てる。


そして、片手を前に突き出すとブツクサ言いながら掌内に魔力を集め始めた。


集まり渦巻く魔力の流れが俺にも見える。


「なになになに、なにするの!?」


「光の攻撃魔法よ!」


片手を前に魔法の光球を作り出しちゃったよ!?


いろんな魔法が使えるのね!?


なに、その魔法はさっ!?


「喰らいなさいな。デストラクションストライク!!」


キルケが魔法の光球を後方に振りかぶる。


魔女の豪腕に発生した魔法の光球が渦を巻いて唸っていた。


ちょっとその破壊攻撃は大きいね!!


バレーボールサイズは有るじゃんか!?


きっと大きな破壊力だよね!?


「ふんっ!!」


なーげーてーきーたー!!


なんか光る魔法の玉をドッジボールのように豪速球で投げて来ましたよ!!


それはクラス一番の運動神経を有しているわんぱく小僧の豪速球並みの速度だった。


俺にはドッチボールでの良い思い出はない。


いつもボールを当てる側ではなく、豪速球を半ズボンから剥き出しになった太股にぶつけられる側だったからだ。


だから定位置は外野である。


「ひぃぃいいい!!」


俺は幼少時代の嫌な思い出を思い浮かべながら身体をくの字に曲げて、スレスレの角度で光るボールを躱して見せた。


「ちっ、躱すかい!」


「そりゃあ避けるだろ!」


狙いを外した光るボールは俺の背後に飛んで行くと、少し離れた場所に落ちて爆発した。


チュドーーーーン!と破裂すると、野に咲き乱れる草花を吹き散らかしながら派手な爆音を奏でる。


すると爆風が俺の背後から飛んで来て髪の毛を靡かした。


「なに、あのドデカイババァ~はさ! 腕力だけでなく魔力も満点ですか!!」


「本当にちょこまかと!」


ドデカイババァ~が今度は両手に一つずつ光球を作り出す。


そして、投擲。


「それ、それ!!」


二連続で投球される魔法のボールが唸りながら順々に俺に迫った。


「ひぃーーー!!」


一投目をしゃがんで躱す。


「うひょーーー!!」


二投目は大きく足を開いてジャンプで躱した。


すると後方で爆発した爆風に押されて俺の身体が前に飛ばされる。


「のわぁぁあああ!!」


そしてドデカイババァ~の眼前に着地した。


俺がゆっくりと視線を上げるとキルケと目が合う。


「ど、どうも~……」


「お帰りなさい~♡」


俺は表情を青くしていたがドデカイババァ~はニヤリと微笑んで居た。


しかも、語尾にハートマークまで咲いている。


「やば~~……」


「ふぅぬっ!!」


キルケの額が上から落ちてきた。


大きな頭で頭突きを狙ってやがる。


「のわっ!!」


俺は後ろに一歩下がってド級の頭突きを回避した。


俺の眼前をドデカイババァの頭が過ぎた。


「キョェェエエ!!」


奇声を上げるキルケが振り下ろした姿勢を今度は起こすように背を伸ばす。


「くらぇ、ハンマーアッパーカットォオオ!!」


「ひぃ~~!!」


続いてドデカイババァ~のアッパーカットが下から飛んで来た。


フルスイングの拳骨だ。


デカイ!!


拳がボーリング玉のようにデカイぞ!!


「いいッ!!」


避けれない!?


躱すには間合いが狭過ぎた!!


歯を食い縛りながら俺は両腕で顎下をガードするしかなかった。


ガンッ!!


「ぐぐッ!」


両腕のガードを突き破りアッパーの衝撃が俺の身体を浮かせる。


両足がアッパーの威力に浮き上がった。


「くはっ!!」


ガードを突き破るほどの拳圧が俺の脳を縦に揺らした。


痛覚耐性スキルがなかったら気絶したかも知れないほどの衝撃だろう。


そして空中に浮き上がった俺が下を見ればババァ~の顔があった。


俺は2メートル以上跳ね浮いたのかと知る。


そこに、ブーメランフックが打ち込まれた。


野球のピッチングホームからのパンチだ。


大きな強拳が俺の土手っ腹にめり込み殴り飛ばす。


「げふ、ごほ!!」


ボディーを殴られ地面に叩き付けられた俺がゴロゴロと転がった。


気が付けば俺は、大の字で晴々とした空を眺めていた。


その視界に大きな影が入り込む。


あのドデカイババァ~がジャンプして落ちて来る。


「やばっ!!」


しかも、スカートの中が丸見えだ。


「猛毒!!」


俺は瞬時に視線を顔ごと反らす。


そして、横に転がった。


俺が横に転がると、ドデカイババァ~の片膝が地面に砲撃のごとく突き刺さった。


殺伐とした地鳴りが、転がった俺にまで届いて来る。


「ニードロップですか、畜生め!」


いつまでも寝てられない。


俺はダメージを我慢しながら立ち上がる。


そして異次元宝物庫からバトルアックスを引き抜く。


「それっ!」


ドデカイババァ~が片膝立ち状態から魔法の光球を投げて来た。


だが、怖じけ付かない、俺。


迫り来る光球を打ち落としてやる!


「なぁろう!」


一か八かで光球をぶった斬ると、光球が俺の眼前で二つり割れてから爆発した。


灼熱の光が俺の顔面を焼くが耐える。


俺はそのまま前方に走った。


顔面から煙りを上げながらドデカイババァ~に走り寄る。


「うらぁぁああ!!」


「ぬぬぬぬぬっ!!」


ドデカイババァ~はまだ片足立ちだった。


やっぱり更年期障害なのか、立つのが遅いぜ!


それともニードロップの自爆で膝をやられましたか!?


「ウェポンスマッシュ!」


俺はババァ~の頭を狙って必殺技の一撃を繰り出した。


スキルを乗せた縦振りの斧がドデカイババァ~の頭部に迫ったが、ドデカイババァ~は太い腕を盾に斧を防ぐ。


ガツンと音が鳴った。


ドデカイババァ~の太い腕に斧が半分ぐらい突き刺さっている。


だが、止められた。


必殺技の一撃ですら腕を切断出来ませんか!!


骨で止まりやがったぞ!!


ならば!!


「ヘルムクラッシャー!!」


俺は斧を引き抜き更なる必殺技の一撃を繰り出した。


縦斬りに繰り出される戦斧の強打。


ドデカイババアは頭を腕で守る。


ウェポンスマッシュの攻撃力上昇は1.25倍だが、ヘルムクラッシャーは1.5倍だ。


「これで腕ごと斬り落とすぞ! りぃゃゃぁあああ!!」


ザクリ!


ズトン!!


「あ、はぁ……」


ドデカイババァ~の口から力少ない声が漏れた。


俺の繰り出した兜割りの強打が腕を斬り落として、その下にあったドデカイババァ~の頭に斧の刀身が突き刺さる。


「ぱっくり頭のスイカ割りだぜ! 流石にこれなら死んだだろう」


俺がバトルアックスを引っこ抜くと、ドデカイババァ~がグッタリと後ろに倒れた。


【おめでとうございます。レベル16になりました!】


「よし、勝ったぞ……」


俺も力無く尻餅をついて座り込む。


疲れた……。


「なんだろう、もう喜ぶ元気すらねーわ」


俺が座り込みながら安堵していると、キルケが飼っていた猫たちがゾロゾロと俺の周りに集まって来た。


ニャーニャーと可愛らしく鳴いている。


「なんだ、この猫たちは?」


すると猫たちが唐突に光り出す。


「今日は光る物が多いよな……」


そんな感じで光り出した猫たちを俺が眺めて居ると、猫たちは大きくなって人型を築き出す。


猫たちが人間に変わったのだ。


ただし、全員全裸だった。


しかもほとんどがおっさんだ。


おっさん、おっさん、お兄さん、一つ飛ばしておっさんと、ほとんどがおっさんたちだった。


俺は全裸のおっさんたちに囲まれる。


なに、この下品な空間は……。


変態パラダイスか!?




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