第十二話善行少女夏未
美亜と悠一との修行と言うなの拷問から一週間、今だにタケルはディルズを発動する事が出来なかった。
「え?なんで?俺大晦日まで消費して頑張ったんだよ?」
「うーん、どうしようかねぇ」
「……そう言えばミザ、この間言ってたことだけど…」
「ん?ああ夏美ちゃんのこと?」
「てゆーかその話について一週間も聞いてないのですわ。」
―夏未、俺の入っている部活の副部長である。
ピンク色の髪をしていてこの部活の中で昔からの幼馴染だ。
彼女が歩けば皆振り返ると言われる程の美人である。
何故俺がそんな人と幼馴染なのかはまた別の機会に。
「あれ?待ってキリト、ディルズを持っているのはおかしくない?」
「そうだな、あの力を昔から持っているのは妙だ。」
「…じゃあ本人呼ぶか?」
「え?タケル夏未ちゃんのアドレス持ってたの?」
「うん、持ってた。」
「夏未今向かってるってよ。」
「あれ?夏未ちゃん冬休み中用事あるんじゃ?」
「用事がすぐ終わったから今から行くってよ。」
正月の用事もう終わったのかよアイツ…俺でさえまだ終わってないんだぞ…まぁ唯が急に自分がやると言い出したけど。
「…全然こねぇ何してんだアイツ……」
「取り敢えず…夏未ちゃんの家まで行く?」
「…そうだな仕方ない行くぞお前ら」
「勝手に仕切ってんじゃねぇですわ」
こいつホント口悪いな。作った奴の顔が見たい。
「俺だ」
「お前か」
「あ!夏未ちゃん!」
「あら、ミザちゃん御機嫌よう。」
「おっお嬢様言葉ですわ!」
「おせーよお前何してたんだよ。」
「少し用事が…あら?なんかこの人達は?」
「あっ聞いてよ夏未ちゃん!この子達未来人なの!」
ハッキリ言いやがったぞコイツ
「まぁ!未来人だったんですね!はじめまして!私善行部副部長桃月夏未です!」
「はじめましてー!私!八夜タケルの娘八夜カケルです!」
「まぁ!タケル君の!」
「結城桐戸」
「ササヤですわ」
「俺は佐々木悠太!よろしくな!」
「高島美亜よ、よろしく」
「…あれキリトさんの苗字…」
「なんだ?」
「いえ!何でも…」
「そうだ夏未ちゃん!本題なんだけど…」
「なるほど、私がそのディルズと言う物を所持してるかどうか聞きたいと言うことですか。」
「おう、そうだ聞かせてくれ」
「私ディルズじゃないけれどそれと似た物を渡したと行ってきた人がいたんです…」
「その渡したものって?」
そう俺が言うと夏未は言った
「その…ディデイルと言うんです……」