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武侠少女!絹之大陸交易路を往く!?  作者: 蟹江カニオ 改め 蟹ノ江カニオ
1章
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実は一番失礼か、返す言葉もない

 さて、腹の虫も治まった事だ、マルコ君が心配だし、行くか。


 小姐、そちらはどうだった?


(特には。途中から午朗を見えなくして、三と一緒に暴れさせたから、マル吾子には、かすり傷一つないよ)


 白太郎はどう?


(まだまだね。そもそも黒靈として馴染んでいないよ、

 ただマル吾子との相性はかなり良いみたい。白太郎を経由して思念疏通(しねんそつう)が出来るよ)


 わたしと思念疏通は出来るの?


(それは無理、白太郎は私が混ざっているから出来るの。何なら大姐も混ぜてみる?)


 いや、小姐経由で良いか。考えたら直接疏通する意味がないな。


(魂が半同してるから、私に筒抜けだからね。

 けど、そういう意味でなく、合作的な、魂友達(ソウルメイト)的な意味でねぇ)


 何だよ魂友達(ソウルメイト)ってのは


(昔、黄の本に書いて有った舶来語でねぇ、これは、少年同士の心の結びつきを表現する言葉で、やがて体同士のむす……)


 朝から黙れ!この変態!……本当に黄姐も何を考えて……


「胡姐!」

 マルコ君だ、白太郎と共に駆けてきた。


 ?何か白太郎、薄くない?体色的に。黒灰色の変な仔犬?


「もう大丈夫、官権が来ると面倒だから、周兄を拾って行くか」


 わたしの背負子まで持っきてくれた、重かっただろうに。


 最近の日課になった頭撫でをする。


(貴女、本当に仔犬扱いしているね、実は一番失礼な女)


 また、撫で心地が良いんだよ。


「怖かったですよ、胡姐。ヤクザ達が血塗れになって、痙攣して」


 三め、どさくさに魂も喰らったな、しょうがない奴だ。


「まあ、マルコ君が無事なら何よりさ。

 マルコ君、自分に向かって害意が向けられたら、無視が一番悪手だ」


「でも、私には何も出来ないから」


「そんな事は無い。抵抗や交戦だけが手段じゃ無いよ。恭順や逃走も手段の一つさ。

 庇護を求めるのも、手の一つ。わたし達はマルコ君なら全力で助けるよ」


「……何故です?胡姐を裏切った私を何故助けてくれるのですか?

 私はあの時、報復で殺されると、諦めていたのに」


「うん?そんな事を考えていたのか」


「……はい、だから夜、宿で身ぐるみを剥がされて、殺されるものと」


 だ、そうだ。少しは反省しろ小姐!


(異議有り!大姐がマル吾子の前で、あっさり全道士を殺しちゃうから、怯えたんでしょ)


 だってねぇ、……まあ、済んだ事だし。


「……何故ですか?胡姐」


 仔犬の様なつぶらな瞳、と、形容するのは失礼だが、わたしにはマルコ君はそう見えるのだ。


 昔、わたしも黄姐にそう形容されたな。


 少しは真面目に答えるか。


「全とは、そこそこ長い付き合いだから、奴の性根が腐っている事は知っていた。

 多分、そこらで痙攣しているヤクザのが、余程マシ。

 まあ、旱導師の手下とは知らなんだが」


「………」


「だから、マルコ君が被害者だと直ぐに判った。いや、実際に被害者だ。君は一度死んでいるのだから」


「………」


「旱導師の反魂呪法、実はわたし達も一枚噛んでいる。

 済まない、まさかここまで導師がイカれているとは思わなかった」


「え?!」


「君を守り、望み通り君を故郷に送る事は、わたしにとって、通すべき筋だ。

 だからだよ」


「あ、有難うございます。本当に、本当に……」


(泣かしたら駄目でしょ)

 そんな事言ったってさぁ。


 わたしはマルコ君を抱き寄せて、頭を撫でた。


 不謹慎だと自分でも思うが、本当に彼は仔犬みたいだし、撫で心地が良い。


(最低ね)

 返す言葉もない。



 何者かが近づいてきた、士は興味無さげだし、先方は、敢えて足音を立てて近づいてくる。

 一人は周兄だ、もう片方は、


「胡老師、お見事でした、あんな美しい疾駆長打は見た事がない」


 高師範だ、見送りに来られると聞いていた。

 周兄と合流していたのか。


 互いに拱手を交わす。


「お恥ずかしい所を見られてしまい、汗顔の至りです。どうにも、わたしは短気が過ぎてしまう。……時に高師範」


「何ですかな」


「周朱華娘々の事、お骨折りいただいた事忝なく。

 事前に周勇殿から話を通すべき所を、出立を理由に、横紙破りな真似をしてしまいました」


「は哈、何を仰る。老師の御一族で有り、南遨極拳の恩人で有られる胡老師の願事。

 門人ならば、喜んで聞き届けますとも」


「忝なく。何とも愛らしい娘々で、わたしはすっかり気に入ってしまったのです。

……出来る事なら、わたしが育てたいくらいでして」


 元次席師範のわたしが言うのだ、つまり、弟子を預けると宣言したに等しい。


 そこは、高師範も心得たもので南遨老師に振った。


「お任せを、老師も喜んでおりました。第二の遨老師を育てると、意気込んで居られます。

 そうそう、老師も見送りに参られると聞いて居ります、……いや、来られた様です」


 振り返ると、驚いた事に、南遨極拳一門総出でお出ましだ、先頭で南遨老師が手を振っている。


 ……この場合、どう答礼したら良いんだ、王兄?


(距離が有るけど、気がついて無視は出来ないよ、礼を受ける側だけど、一族目下として行動しないと面倒だよ、多数の門人の手前)


 だから、どうすれば良いんだよ?

 手を振り返せば良いのか?


雛歩(すうほ)【差手で小走り】で近づいて普通に答礼。間違っても手なんか振るなよ)


 こう云う時に、軍師が憑いていて本当に助かる。


 さて、放置していた田とやらだが、周兄が縛り上げていた。

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