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武侠少女!絹之大陸交易路を往く!?  作者: 蟹江カニオ 改め 蟹ノ江カニオ
1章
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何やら有った様だが、蟹粥美味し♪美味し♪

 ノリで黒三を見張りに出したが、そもそも士が勝手に見張りをしている。


 胡娘(フゥニャン)は使い勝手が良いと言うが、私には三のが使い勝手が良い。


 そこら辺は分体化の相性か。


「そうね、こうして話せるのは、何時になるか解らないから何でも聞いて、マル吾子♪」


「そのマル吾子って、私の事ですよね、吾子とは愛息子の事ですよね?可狐様は私をどうしたいのですか?」


「どうって♪聞きたい?」


 無意識に舌舐めずりをしてしまった。


「や、やっぱりいいです……」


「可狐殿は人ですか?その、物言いが、生々しいので、人間ではないかと?」


 周勇などと会話する意味もないけど、ここ持ちだし答えてやるか。


「いいえぇ、齢千年の妖狐ですよぉ、縁有ってこの娘の体に宿っているの」


 超適当に答えた。


 周勇は黒三の事も有って、頷きかけたが、首をかしげた。

 器用なものだ。


「狐殿、胡嬢は左道の術と言っていたが、胡嬢が狐殿を使役しているのですか?」


「そんな感じかな」


 再び超適当に答える。それより、マル吾子だ。


「え?遨家のご令嬢では?旱導師の術で胡嬢に宿った方と聞きましたが」


「つれないなぁ、妖狐の可狐で良いじゃない。まあ、それより吾子には見える?」


 吾朗をマル吾子の背中から剥がした。


「わっ!背中にいたのか。黒靈?でしたね、旱導師の所で()()()()()()なりました。さっきの大きいのは見えませんでしたが」


 黒三は、黒靈と言うよりは、もう私の分体に近いからそうだろう。


 生霊(しょうりょう)に同化しつつある私は、魂が目減りしない、体の成長に伴い魂の質量が増えていく。

 少し欠けても時間が経てば戻るのだ。これは発見だった。

 当たり前だが、だから体と魂は不分離なのだ。


 少しずつ黒靈達に振り、使役魔として育てた。比重は付き合いの長い三と士が多い。


 それより。


 ……その頃に()()されたのか……


 私が一枚噛んだ事だ、導師ばかりを責められないかな。


 胡娘(フゥニャン)ではないけれど、私も筋を通さないとね。


「私が、それの制御術を教えるよ。使い魔として使役すれば出来る事が増えるよ」


 今の私に出来る事など、こんな事ぐらいか。


「本当ですか!この化物を使役する事が出来るのならば、是非とも」


 午朗はまだ幼いから無理かな。


 三が想像以上に成長していたから、三を分靈させて、新たにマル吾子用に創るかな。


 午朗と相性が良いみたいだから、三を基本にして、午朗を少し混ぜよう。


 三は勝手に、手当たり次第にそこらの雑靈を喰らってくるから、すぐに元の質量に戻ってくれる。


 午朗は欠けた分、私を混ぜよう。もう少し成長させたい。




 ……しかし、導師は何をしたのだ?


 マル吾子は私達と違い、人格は一つだ。


 なら、どうやってマル吾子の体の生霊(しょうりょう)と、マル吾子本人の死霊を()()させたのだ。


 マル吾子と同化中の生霊の意識は、どこに行った。


 私は再びマル吾子を抱き締めた。贖罪の意識が強い。マルコ君にも、その体の生霊にも。


 私の雰囲気の違いが分かったのか、マルコ君は抵抗も無く私に抱かれた。


 良い子だ。



 ………本当に、間が悪いと云う事は有るものだ。

 三が、給仕を認識した。蟹粥だろう。


 三が認識したと云う事は、私も認識すると云う事で、つまり半同化している胡娘も認識したと云う事だ。


 ……今しばらく休んでおけば良い物を。



「どうした、マルコ君。わたしに甘えたくなったのか?困った事だ」


 蟹粥につられて意識を戻した、酔いが戻る。


 なにやら、マルコ君が抱きついている。


 こうして体に戻ると、かなり満腹であると自覚する、小姐、食べ過ぎだ。


(……空気読んでよね、大姐)


 折角抱きついて来ているのだ、頭を撫でておいた。

 慕われるのも悪い気がしない。


 さて、蟹粥。まだいける。


「胡嬢?だよな」


 周兄だ、なんかやったな小姐。


(いやいやいや、いきなし人格が替われば、こんな物だって。それにね……)


「マルコ君も蟹粥を食べる?見たところ体も大きくないし、食べるが良いよ」


(話を振ったなら、最後まで聞け!)


 酔いが戻って、無理!面倒。


「胡姐ですね、感じが違う」


 それより蟹粥にしよう。話は後で。


「……胡殿には驚かされてばかりです。面白い方を知己を得ました」


 もう良い!勝手に喰う。


 適当に愛想笑いをして、蟹粥を給仕に小分けさせた。香りからして期待していたが、やはり美味い♪


「あの、胡姐。先程まで会話をしていた方なのですが、この間の御方なのでしょうか?

 化物を使役する術を、教えていただく事に成りましたが、私にはその対価が払えない」


美味(うま)し♪美味(うま)し♪ 何だって?小姐、マルコ君に何を吹聴した?


(……食べたら、替わってくれる)


 それは駄目。


 何か三が無意味に周囲を警戒しているし、少し目を離したら、マルコ君に妙な事を吹き込んでいるし。


 この間みたいに、小姐がマルコ君を襲ったら、わたしが稚児趣味変態侠女と広まっちゃう。


 周大人と某は、一応ここいらね顔役だしね。


(……それじゃ伝言を)

 いや、口だけ貸すから自分でね。


 そう言うと、声帯関係の支配権を渡す。


「マル吾子♪対価はね、私の弟子になる事でどう?

 吾子は大姐の極拳の弟子になっているから、私の左道術の弟子になれば、釣り合いが取れるよ」


「願ってもないです。お願いします」


(と、云う訳だから、マル吾子に教えている間、体を貸して貰うからね)


 ……なんかしてやられた感があるけど、まあ良いよ。それに考えも有るみたいだし。


 何時もと逆だけど、小姐の考えも大体わたしに伝わる。


 お互いに嘘は通じないのは、不便であり、便利でもある。


 ……だから、わたしにも分かった。マルコ君の存在の不自然さを。


 小姐なりに心配しているのだ。左道関係は専門家の小姐に任せよう。

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